王ちょへかえるりゆう そのに
街に入りと、ある建物の前で馬車が止まった。
馬車から降りて、荷物をおろして各自の荷物を持った後、馬車はララさん達の後ろを走っていた従者用の馬車に控えていた領地に残る騎士が引き継いでアズリー領に戻っていった。
ちなみにリーナお母さんは僕を抱えているので荷物はララさんが右に自分の左にお母さんのを持ってくれている。
目の前の建物はレンガ造りの五百メートル程の長さもあって、 入り口両脇には街の兵士らしき人が立ってる。
立ち入り禁止なのかな。と思ってたらリーナお母さんは建物の方へ歩き始めた。
予想通りならこの建物は
「止まれ、ここから先は関係者以外立ち入り禁止だ」
右脇に立っていた兵士が口悪い口調で言った。
少なくともこれは仕事中の対応じゃない。「お待ちください」とか「禁止です」って言うべきだと思うよ。
それに、そう言わないと後悔すると思う。
「無礼者!この方を誰と心得る」
ララさんが剣幕のある声を放つと兵士の二人はビクッとなって固まった。
何でだろう、何か聞き覚えのある言葉な気がする。
「このオルレイン王国の宮廷魔導師、アンジェリーナ・アズリー様であらせられます!」
「あらあら」
おお、あとララさんの手に印籠があれば完璧………ってええええええええ!宮廷魔導師ぃぃぃぃぃ!
宮廷魔導師って異世界ファンタジーと同じなら国家ナンバーワンの実力で王直属の魔法使いのことだよね。
その当人は暢気な感じにしてますけど、ともかく僕のお母さんヤバすぎ。
でも、分かる気がする。
だって……リーナお母さん、僕が浮遊魔法で浮いてることに滅茶苦茶好奇心剥き出しだったんだもん。
でも、だからこそ宮廷魔導師まで上り詰めたんだろうなぁ。
そうなるとギーヴス父さんの職業も中々に凄いのではと勘繰ってしまう。
そういえばララさんミドルネーム言ってなかったような。何でだろう?
「そ、それは申し訳ございません。で、ですが、それとこちらの建物に入るのとは話が……」
「私が無礼と言っているのは人に対してのもの言い方です!仕事の最中にもかかわらず口が悪いと自覚してください。良いですか人への接待とは………」
それからララさんの説教は続きました。
二人の兵士はびくびくしながら冷や汗を掻いて聞いてる。
でも、十分程経ったところでララさんは説教を止めて溜め息を吐いた。
気迫が凄かった。
「本当はあと一時間は聞かせたいところですが、予定が迫ってますのでこのくらいにします」
それを聞いた瞬間、二人の兵士はホッと安堵した。
するなよ。
「反省…してますか?」
「「はい」」
ララさんが冷気でも出すみたいな気配漂わせて訊ねた。
怖い。
「んああああああ!」
「ハッ!ベル様ぁ〜、申し訳ございません!あなた方のせいで泣いてしまわれではありませんか!」
「「……え?…」」
ちょっと酷いけど、原因作ったのは二人だし当たらずも遠からず、かな。
そして、僕はララさんがあやしたいと申し出て、リーナお母さんから僕を受け取ってあやし始めた。
その間にミーシャさんが「あの〜これ招待状…」気まずそうに僕を受け取る前にララさんから渡されていた招待状を見せ、これまた申し訳なさそうに二人の兵士が確認して、ようやく中に入ることができました。
その時には僕もあやされ泣き止んでいました。
「お母様ここは?」
「ここはステーションって言って……あとは楽しみにしてて」
「は、はい」
焦らした。
それにしてもやっぱりここは駅なんだ。
今いるのはエントランスかな。天井が八メートルはありそうな高さだ。
エントランスをリーナお母さんが先行して進み抜けるとまた解放感のあるプラットホームに出た。
ホームは相対式と島式の混合ホームで全部で四路線ある。
「お母様、ここで一体何が行われるのですか?」
「行われるではなくて来るのよ」
「それは一体?」
「もうすぐ分かるわ」
と言ってから一時間後。ついにやって来た。
プシュー
目の前に現れた、蒸気を発したのは間違いなく。
「お母様……これは」
ユリネお姉ちゃんは驚いている。
「これは……」
「「「「………」」」」
ララさん達メイド執事の皆も言葉が出ないようだ。
その間、僕は列車にキャッキャッキャッキャッと興奮中。
「これは魔導列車。おそらく世界初の魔力駆動車よ」
どうも翔丸です。
やっと登場させられました。
それとすいません。
新しい作品を書き始めたので遅れました。
さあいよいよ乗車です。
王都は……頑張ります。
ふん(`^´)=3!
ここまで読んで良かったと思った方で評価☆☆☆☆☆、感想や誤字脱字報告お待ちしてます。
特に誤字報告は遠慮しないでくださると嬉しいです。
ブックマークもよろしくお願いいたします。




