王ちょへかえるりゆう
感想、誤字報告ありがとうございます(~▽~@)♪♪♪
そういえばやっと涼しくなってきましたね。
「それでは奥様お嬢様出発致します」
「お願いね」
ララさんが手綱をパンッと振ると馬車が動き出した。
リーナお母さんが王都へ帰るろうと思うと言ってから二日後、王都へ帰ることになった。
一日目はずっと領民の皆さんに挨拶を途中、僕のお腹が空いて泣いたり、赤ちゃんの所用で足を止めてしまいつつ回って行った。
改めて領の人達を見たとき、やっぱり明るくとても優しい人達だと思った。
回る度にリーナお母さんは感謝をされて続け、「今度はいつお戻りに」「領主様に宜しくとお伝えください」等々。名残惜しそうにしていた。
それだけ、僕の両親が慕われているのかより実感できた。
「僕が物心付いたときに来るときは報せてくださいませんか?」と言われたときは、すいません物心ついてるんです!と謝った。
なので、拙くも「ばい…あい」とアズリー領の人達に言える範囲で言っていった。
この時の僕は忘れていた……というより、あれ以来外へ散策しに行ったことがなかったから、赤ちゃんベル、つまり僕の破壊力が凄まじい事を。領主の妻とか娘とか忘れて領民の人達が「抱かせてください」、「もう一回言ってぇぇぇ!」と大興奮の嵐でした。
その頃「つぎはお姉ちゃんだったのに」と落ち込ませちゃったのも申し訳なかったけど、逆に領民の騒ぎに動じない精神が凄いとも思った。
僕は落ち込ませた分ユリネお姉ちゃんをよしよしと(手の長さで頬を)撫でて慰めた。
大変喜んでくれました。
二日目は屋敷の掃除でリーナお母さんとユリネお姉ちゃんは荷作りをした。その間僕は、邪魔になったらいけないからベビーベッドの上で魔力循環と体の運動をしていた。
そして、今馬車に乗って王都へと向かっているところです。
名残惜しいけど、王都がどんな所なのかワクワクしてます。
というかせっかく馬車に乗ってるんだ、まだまだ喋れない僕には退屈。外がみたい。
「あーあー」
僕はせがむように窓の方へリーナお母さんに気付いてもらおうと手を伸ばす。
「外が見たいのね。少し待ってあっ!」
待てませんと本能が言ってます。
リーナお母さんが抱いている腕を緩めた瞬間脱出して〝ウィンドカッター〟拡散風でただの風にして窓ガラスまで浮く。
「あらー………」
「ベル流石」
リーナお母さんは驚きで呆けた声を出し、ユリネお姉ちゃんは一度見てるからやはりというか、でも何故か褒めた。
「……風魔法ね。無詠唱って聞いてなかったら呆然してたわ。それにしてもどの魔法?どういう方法で風を?浮いていた原理は………」
何かリーナお母さんのスイッチが入ったみたいでゴニョゴニョと呟いている。
そんな事も気に止めず僕は景色を眺めていた。
爽やかなくらいの草原。
綺麗なライトグリーンと青空のコントラストは馬車越でも気持ちいい。
またスライドショーの様にゆっくり変わっていく景色が目を離させない。
正面の景色を見るために正面に移動すると、整地された道で違って見えた。何だか街道が境界線みたいに見える。
下に視線を少し落とすとララさんが馬車を引いている姿が見える。ララさんの醸し出す真剣な雰囲気で格好良く見える。
そして、また景色に視線を戻す。
「あうあうー」
「ベルも夢中だね」
「うーん無詠唱でどうやったらこれだけ自在な操作ができるのかしら〜」
それから一キロ程進んだ所にある別れ道を右に曲がって、更に一キロ行くと見覚えのあるものが地面に設置されてた。
「あう、あうあうあう!」
「ベル?どうしたの」
ユリネお姉ちゃんは席から離れリーナお母さんの隣に身を乗り出して正面の窓を覗くと、気付いたようで何だろうと目を凝らしてじっーと見始めた。ユリネお姉ちゃんは初めてみるみたいだ。
「お母様、あれは何ですか?」
「あれ?…………ああ、ふふ」
「あのお母様?」
「後で分かるわ」
「教えてください」
「どうしようかしら〜」
焦らすのでユリネお姉ちゃんが「むぅ」と頬を膨らませてリーナお母様を見る。
なるほど、リーナお母様が帰ろうと言ったのはあれが理由なんだ。
でも、驚いた。まさか異世界にもあるなんて。
次回、魔法ありの異世界にもあったものとは?
ヒントは通勤で使うアレです。
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