お母しゃんは王都に帰りたいのよ
ごめんなさい。かなり間が空きました。
この半月でリーナお母さんは誰の補助も支えも無しで普通に歩けるようになってきていた。
でも、歩けるだけ。体力も衰えてるだろうし、もう少し滞在するべきだと思う。
けど、「ユリネ、そろそろ王都に帰ろうと思うのだけど」と突然リーナお母さんが言った。
「ですがお母様……」
ユリネお姉ちゃんは心配そうな表情で言い淀む。
僕も心配だ。王都っていう事は領地より人が多いし、密集してるはずだし、もう少しいた方が良いと思う。
それにリハビリだけならここでも出来る。寧ろ広々とした領地内の方が良いはずなのに。
何か理由があると考えるべきだよね。
「心配してくれてありがとうユリネ。でも………」
自然とユリネお姉ちゃんは身構えてしまい少し抱く腕に力が入る。
「帰りたいのよー」
左手を左頬に添えてリーナお母さんはにっこりと微笑んで言った。
「ええー」
「あ、う!」
溜めて聞いた言葉が身構えていたよりもシンプルな理由でカックンユリネお姉ちゃんが脱力して抱き抱えられていた僕は変な揺れ方にビックリした。
「あ゛うあ゛う!」
「ごめんベル、だからたたかないで」
僕はぺしぺしとユリネお姉ちゃんを叩く。
いやです。落ちるかと思ったんだよ。
ヒュンと心臓辺りに来るあの感覚、本当に怖かったんだから。
ちゃんと反省してください。
「あう」
「もう離さない、一生」
一生は困るよ。
「ふぁ〜〜〜」
「ふふ、ベルは眠る時間みたいね」
眠い。
それにしてもリーナお母さんの理由、何処か納得いかない。
帰りたいから。別に単純な理由でも問題ないんだけど、何か引っ掛………か………る。
*
目を覚ますと陽が沈み夜になってた。
それでも明るいのは部屋の明かり。でも、リーナお母さんの部屋じゃなく、一階の食事の席が置かれている部屋。
そして、僕がそんな場所で起きたのは勿論お腹が空いたから。
「ああああああああ!」
泣いていると、ララさんに抱き上げられてリーナお母さんの所に連れていってもらった。
食事中の筈だから終わった後にお腹が空いてほしかったけど、赤ちゃんだから本能的に難しい。
胸が口に付いた瞬間、母乳を飲むため吸い付いた。既に何の抵抗感も感じません。慣れてしまいました。
「ん」
そして、リーナお母さんは艶かしい声を漏らすのにも慣れてしまっています。
将来男の子として大丈夫なのか不安になってきた。
まあ、それは将来の僕に任せよう。
僕が食事を終え、リーナお母さんが席に戻り食事を再開すると、ユリネお姉ちゃんが質問をした。
「そういえばお母様、お父様がずっとかえってきませんね」
「手紙ではかなり忙しいみたい」
ギーヴス父さんは魔物の件が領地であっても忙しいのか帰ってこなかった。それから半月ずっと会っていない。
心配だから帰るって言ったのかな。あれだけの親馬鹿で妻馬鹿だから、会えないのもあって相当心労が溜まってるかもしれない。
「帰ったらユリネが大丈夫な所見せてあげて」
「はい」
「あ、でも労いは要らないわよ」
「はい、いつも通りにします」
二人がギーヴス父さんをしんぱ……心配?する会話をこっそり魔力循環をしつつララさんと遊びながら僕は聞いていた。
でも、確かにいつも通りの温かい家庭を感じるという方が労いよりも安らぎを感じるかもしれない
「なら、私も変わらず罵倒すれば良いのかしら」
ララさんの膝に辿り着いて抱き上げられた瞬間、ちょっと恐ろしい発言を聞いてしまった。
心を傷付けない方向でお願いしますよララさん。
「あうあう〜」
「大丈夫ですよ、ベルさま。優しい罵倒ですから」
ララさんは僕を見上げてながら言いました。
優しい罵倒って何!?
どうも翔丸です!
何故かここで行き詰まりました。
次回はついに王都へ向かいます。
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