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転生は赤ちゃんからでも世界最強です   作者: 翔丸
赤ちゃん生活編
11/24

姉の友人でちゅ

 ユリネお姉ちゃんの部屋に入ると、ソファに少女が座っていた。

 美しかった。

 炎がメラメラ燃えるようなスカーレットとオレンジのメッシュ掛かったロングヘアーにスカーレットの瞳、凛々しい顔立ちに、何かとても引き込まれる姿に赤ちゃんながら僕は見取れてしまいました。


「ロゼ、お待たせ」

「大丈夫ですよユリネ…」


 ロゼと呼ばれたお姉ちゃんの友達は抱いている僕を見つけた。

 視線があった気がする。


「その子が弟くんですか?」

「そう、名前はベル。付けたのは私」


 ユリネお姉ちゃんはふふんと胸を張る。

 そうだったんだ。一ヶ月経って判明とは遅い……けど赤ちゃんからだと早いかな。

 気のせいかな。ロゼさんが僕をじっと見つめながら僕とお姉ちゃんの所にモデルのランウェイのように美しく歩いてくる。

 目の前に立つとロゼさんは少し屈んで僕と視線を合わせた。


「初めましてベルくん。私はユリネの〝友達〟の、ロゼ・エメルラ・フレイです。よろしくお願いします、ベルくん」


 何故友達を主張したの?ロゼさん。


「?…あい!」


 首を軽く傾げて分からない風に装って返事。とりあえずこんなところかな。

 いい感じに赤ちゃん出来てるはず。

 自己評価してると、ロゼさんが人差し指で僕の頬をぷにぷにとつつき始めた。


「可愛い、あとほっぺやわらかいです。あのユリネ、ベルくんをだかせて欲しいです」


 頬を紅潮させ、目をきらきら輝かせてお姉ちゃんに尋ねた。

 ユリネお姉ちゃんと同じ雰囲気を感じるんですけど。

 ポ〇モンでいうところのメロメロ攻撃みたいな感じ。


「ロゼならいつでも大丈夫、でも抱きかたに気を付けて」

「大丈夫です!母様にしっかり教えてもらいましたので」


 準備万端でした。

 ユリネお姉ちゃんは、僕をロゼさんにそっと渡した。

 確かに抱かれ心地が安定していて、揺すり方も心地いい。

 どんな教え方したらこんなに上手くなるんだろう。


「ロゼ上手い。ちょっとズルい」


 何か対抗心燃やしてる。

 仕方無い、お姉ちゃんの所に戻ろう。

 僕はユリネお姉ちゃんの方に手を伸ばして、戻りたい事を示す。


「あうあう、あい」

「ふ、ベルは私が良いみたい」


 ユリネお姉ちゃんが私、弟に愛されてます、みたいなどや顔している。

 ちょっと調子に乗らせ過ぎたかな。

 

「くっ……そのよう、ですね」


 ロゼさんは悔しい表情をしながら、名残惜しそうに腕をゆっくりユリネお姉ちゃんの方に伸ばし僕を渡した。


「あ!忘れていました。ユリネ、ベルくんたんじょうおめでとうございます」

「ありがとう、ロゼ」

「本当なら、さきに言うことでしたのに」

「大丈夫、気にしない。それより旅行、どうだった?」


 二人はソファに座って、話を始めた。

 僕は赤ちゃんだから会話に入れないし、実質女子会だ。


 簡単に説明すると、一ヶ月程前にロゼさんは家族一同で南の方にある【テルシア島】という島に旅行に行ってきたらしい。


 そこでは【ラグナ・コロッセル】という闘技場で開かれている大会が有名みたいで、ロゼさんの話はそれを見に行くためで見てきた途中の町や店、島の街や大会などの話を楽しそうに紅茶とお菓子を挟みながら楽しそうに話をした。


 そして、昨日大陸に帰ってきたらしくて、僕が生まれたという報せを帰宅中か島に滞在中に聞いていたのかは分からないけど、このまま、僕達がいるアズリー領へ来たみたい。

 それをロゼさんが行ってきた【テルシア島】という島で買ってきたお菓子を紅茶と共に食べながら話している。

 僕は分からないけど、美味しいらしい。

 というか、ここが領地だったのね。驚き。


「お気にいりの場所はある?」


 ユリネお姉ちゃんはロゼさんにおすすめの店や観光地を聞いたりしていた。


 僕は二人の会話を、ユリネお姉ちゃんとロゼさんは(ロゼさんは分からないけど外見)六歳とは思えない言葉遣いながら、時々見せる楽しそうな表情は子どもらしいと思いながら聞いていた。


「それでユリネはベルくんが産まれたあとの生活どう?」

「楽しい。毎朝ねてるベルを見に行くのがにっか。それで毎日けいこもべんきょうも頑張れる。終わったあとに、ベルをぎゅっと抱き締めるのは癒し、最高」


 毎朝、寝てる間に寝顔を見にこられていたなんて知らなかった。まあ、それで毎日の稽古をお姉ちゃんが頑張れるなら良いか。抱き締められるのも別に嫌じゃないし。

 でも、稽古と勉強って聞くとやっぱり貴族なんだなって思う。


「でも、最近悩みがある」

「聞かせてください」


 ポツリとロゼさんにユリネお姉ちゃんは言った。

 ロゼさんは真剣な表情に変わる。

 一体なんだろう?

 それにしても二人って、悩みを打ち明けられるくらいに仲が良いんだなぁ。


「実は、ベルにお姉ちゃんって言葉を吹き込んでるのに中々言ってくれない」


 その事かい!

 真剣に悩んだよ。いや、僕にとっても毎日「お姉ちゃんって呼んでぇ」ってやってくれてるのに、中々言葉に出来ないの悩み所だけど、甘々声は置いておいて。


「それは深刻ですね」


 なんでや!!

 悩み所だけど、そんな深刻問題ではないよ。まだ一ヶ月と二週間くらいだし。


「しかも、立ってあるく方に先をこされた」


 優先順位あるの、これ?


「悔しいですね」


 ロゼさん、そこは共感しなくてよろし!

どうも翔丸です。


今話、投稿日梅雨で凄い雨。

でも、窓越しから聴こえる雨音は心地よくて途中で寝落ちしました。


次回も女子会?です

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