僕のお友達のスリープバラック。
僕はね、、、?
いつも、睡魔に負けてしまうんだよ。
『今日は、家族みんなで旅行に行こう。』
僕のパパがそう言って、夜になったらみんなで星空を見ようねと。
約束しても、僕だけ起きていられなくってパパママと4つ上の
お兄ちゃんの3人だけでキレイな夜空を見てたんだって。
『湛も起きてたら、あの夜空を見れたのにな~』
『パパ! 湛の為に、写真いっぱい撮っておいたぞ~!』
『湛! 後でパパに、写真見せてもらいなさい!』
*
何故? 僕だけ起きていられないんだろう?
僕は、いつもそうなんだよ。
夜だけじゃない、昼間でもお日様がぽかぽかしていると。
ウトウトして、深い眠りに入ってしまうんだ。
一度寝てしまうと?
僕は、なかなか起きないらしく。
ゆすっても、叩いても、引っ張っても起きないらしい。
だからね、、、?
無理に、誰も僕を起こさないようになったんだよ。
【___僕だって、みんなと一緒にいろんなモノを見たいよ。】
▼
・・・そんなある時。
僕の目の前に、キミが現れたんだよ。
『やあ~会うのは初めてだね、湛!』
『___キミは?』
『君の眠りをコントロールするその名も!“スリープバラック”だよ。』
『___ひょっとして、僕に意地悪している奴か?』
『おいおい? 人聞きが悪いな~!』
『だってそうだろう! 肝心な時に、僕は起きてられないんだぞ!』
『___まあまあ、そう怒るな! 起きていたいんだろう?』
『___ううん。』
『ボクが、眠りをコントロールをすれば! 君が肝心な時には起きていら
れるんだよ! 凄くないか?』
『じゃあーはじめっからそうしてよ!』
『でもな! タダではしないよ。』
『やっぱり、悪い奴じゃん!!!』
『___でも夜更かしだって出来るんだぞ! いいだろう!』
『・・・・・・それって、いいね。』
『だろう! だったら、条件をつけるよ! 君は、守れるか?』
『うん!』
『___毎日じゃなくていい! チョコを夜、少しだけ食べてくれ!』
『___えぇ!?』
『週5回でどうだ?』
『___僕、虫歯になっちゃうじゃん!』
『夜中に、チョコを食べろと言ってる訳じゃない! どの時間でもいいんだ!
ちょっとだけ、チョコを食べてくれればいい!』
『ひょっとして? バラック、チョコが大好きなの?』
『おい? いきなり呼び捨てか? まあ~そうだよ!』
『でもさ~僕はあまりチョコが好きじゃないんだよ!』
『そう言わずに、チョコを食べてくれよ! 甘いのがダメならビターでも
いいんだぞ~!』
『___あぁ! そういう手があったか!?』
『やっぱり、君は、子供だな~!』
『まあね!』
『どうだ? 守れるか?』
『___まあ、週4回ならいいよ!』
『___あぁ! それでいい! 君との約束は必ず守るぞ!』
『いいね! “それで、決まりだ!”』
▽
眠りをコントロールする、スリープ・バラックとの約束は上手くいっている。
僕も、あまり好きじゃなかったチョコも少しずつ好きになって!
週4回からいつの間にか? 週5回になったしね!
それに、バラックのおかげで。
僕は、みんなといる時には眠らなくなったんだよ。
『ねえねえ、パパ・ママ! 今度、旅行に行こうよ! 僕も星空を見たいよ!』
『なんだ? 湛、リベンジか?』
『また、寝ちゃうんじゃないの?』
『次は大丈夫だよ!』
『パパ・ママ! ボクからもお願いだよ! 湛にもアノ・キレイな夜空を見せて
あげたいんだ!』
『そうだな! 来週の金曜日の夜から旅行に行くか?』
『湛、起きてられんのか?』
『もう大丈夫だよ!』
『あら? そうなの!』
『うん!』
こうしてさ~僕は家族四人揃って、アノ夜空を見れたんだよ。
【ありがとう、バラック。】
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