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移動
意識を回復させると、そこは宇宙のような場所だった。
なんか体がふわふわする。
すると、目の前にいくつもの扉が姿を表した。
そのうち最初の扉に入ろうとすると…
強い衝撃がはしり、弾かれた。
確かに、説明によると、
「この扉は、君がいると矛盾してしまう世界への扉だと、君を拒絶する。例えば、その世界で君が生きていたりすると、だ。だから、君は矛盾のない世界への扉を自分のてで見つけないといけない。」
といわれていた。しかし、回数を重ねるごとに頭をよぎったのは、この実験が失敗だった可能性だ。もしかすると僕は死なずに一生ここにいるのかもな。と思うと、自分がダサく思えた。
さて、果たしていくつの扉に拒絶されたのだろう。
百は軽く越えていただろうし、ことによると千に近いかもしれない。
そこで僕はやっと受け入れられた。
そんななか、僕は安堵と同時に自らに失望もしていた。
僕は両親を失って、自殺を考えたこともあった。しかしどの世界でも、僕は死んでいなかったのだな。と思うと、自分が非常な臆病者、親不孝者に思えたからだった。
小さくため息をついて、僕は再度意識を手放した。