7話 【作業厨】と守るべきモノ
「かかってこいや!」
俺はプリンを庇うようにして、体を丸めた。
スズメのクチバシが身体中をついばむ。痛い、血が滲んでいるのがわかる。それでも、プリンを守りたい! 俺は命をかけてプリンを……!
『称号:【決意】を獲得しました。』
『セカイの意志から認められました。』
『それにより、スキル:【鑑定】を獲得しました。』
『スキル:【結界魔法】がLv3になりました。』
『スキル:【物理耐性】Lv1を獲得しました。』
何が起きたんだ……? 突如として頭に響く声。
今さら転生らしくなってももう俺は……あれ、痛みが和らいでいる。
『一定以上のダメージを確認、スキル:【物理耐性】がLv3になりました。』
ますます、痛みがなくなる。
もはやこれは感覚の麻痺ではないだろうか。
『スキル:【麻痺耐性】Lv1を獲得しました。』
いや、違うから。
ってそれより、ずっとスズメからつっ突かれているのをどうにかしてくれ。
『一定以上のダメージを確認、スキル:【物理耐性】がLv5になりました。』
どうにかなってないし! っていうかこの状況で普通に突っ込めている俺自身に驚きだわ。
今の痛みの度合いは、軽く爪楊枝で体をつっ突いている程度だ。
痛みは薄れても血が止まったわけではないし、意識も少しずつ、う、すれて……きた、し……
「……い、リッ……だい……か?」
その声に安心して、俺の意識は途切れた。
◎
「……俺は今どこに?」
そんなことわかっている。見慣れた天井、見慣れた部屋。間違えない、俺の部屋だ。
「パパ、リックが。リックが目を覚ましたわ!」
「本当か! おいリック、心配したんだぞ!」
父さんが怒鳴る。俺はわかった。俺は、二人から愛されていたんだって。
産まれてからずっと迷惑ばかり掛けてしまっていた。
「ごめんなさい、父さん。母さん」
心から出た言葉だった。目からは自然と熱いものが零れ落ちる。
「父さんたちも、あんなにきつく言って悪かった」
そんなことない。悪いのは俺だ。
本当にごめんなさい、それと……。
「大好き!」
転生前は、こんなこと思わなかった。
だがここに来て、気がついた。いつ二度と会えなくなるかわからない、そんな世界にきて。
『称号:【守るべきモノ】を獲得しました。』
『スキル:【テイム】を経由し、個体:【プリン】はスキル:【念話】を獲得しました。』
『ぷるぷる ボク わるいスライムじゃないよ!』
え? ド◯クエですか?
そういや、確かド◯クエ2からだったよな。この台詞。
『ボクだよ、ボク! プリンだよ?』
……。
驚愕の事実! プリンが、念話をしたらボクっ子だった件。
『そういうのは気にしなくていいじゃない。これからもよろしくね、リック!』
「気にするわ!」
父さんと母さんが振り向く。
「何を気にするのか?」
「いや、何でも!」
一瞬、疑ったような表情を見せながらもすぐに普段の父さんに戻る。
「そうそう、お前が守っていたスライム。連れてきておいたぞ。傷だらけだったから、しばらく家で保護しよう」
「いいの?」
「もちろんさ。それにその子、お前にだいぶ懐いているみたいだしな」
『うんうん! ボク、リックのこと大好き!』
『俺もプリンのことだいす……』
そう言おうとしたとき、
「わーい、ぷにぷに!」
『いやぁ! リック助けてぇ!』
コウに引っ張られていた。
コウは最近、簡単な言葉なら話せるようになったのだ。弟の成長というのは、なんて微笑ましいんだろう。
『早く助けてよぉ! このままボク、練り飴になっちゃう!』
『……あ、ごめん! すぐ助ける』
俺はそう言って、弟を説得しようと試みた。
「コウ、スライムさん痛がってるよ。優しく触ってあげてね」
「うん、わきゃっちゃ!(うん、わかった!)」
なんて素直でいい子なのだろう。
あの穢れた安育草を使って産まれた子がこんなに純粋だなんて。
『ちょっとリック! ボク、今度は煎餅になっちゃうよぉ!』
◎
『さっきは酷い目にあったよ』
『……本当にごめん』
『次はないよ? ところで、すきるって何? さっきから、すきるを獲得ってうるさくて』
あっ! そうだった。
スキル確認とかそういうのって出来るのかな?
『ステータスを表示しますか。』
また、この声だ。
答えはもちろん、Yesだ。
ステータス
個体:エリック・グレーティア
種族:人間
称号:決意
守るべきモノ
体力:25
魔力:20000
攻撃:10
防御:10(+110)
魔耐:10(+10)
俊敏:10(+10)
スキル:【テイム】【鑑定】【火魔法】Lv1【水魔法】Lv1【風魔法】Lv1【土魔法】Lv9【雷魔法】Lv1【氷魔法】Lv1【結界魔法】Lv3【浄化魔法】Lv1【俊敏】Lv1【物理耐性】Lv5【麻痺耐性】Lv1
もし、よろしければブクマ、評価お願いします! 励みになります。