第三話
俺が転生してから2週間がたった。
あれから狩りをしてレベルとスキルの熟練度を上げる日々を送っていたのだが、そろそろ、この『光丘の樹海』を突破してもいいと思うのだ。正直、そこらの魔物じゃレベルが上がりづらくなってきたし、だいぶステータスも上がったからな!
……本音を言えば速くこんなクソッタレな魔物どもが跋扈してる森から出て——
「マジ萌え天使に会いたいんだよおぉぉぉぉぉ!」
そう、もう二週間もロリと出会ってもいないし、視界にも入っていない。まぁ、当然のことだ。こんなB+級の高危険度区域にいるわけがない。
……もし、いるとしたら全力で愛でて守護するぜぇ。もちろん、手は出さない。幼女に発情するやつは紳士ではない、ただの変態だ!
そんなふうに考えていると、先程の俺の魂の叫びを聞いた魔物どもが寄ってきたが、今までの成果を見せる良い機会だろう。現在の俺のステータスがコレだ。
◆
名前:オグラ アンコ
種族:人間
メイン職業:愉悦の使令Lv48(変更不可)
サブ職業:なし
STR:1857(S)
VIT:259(D)
STM:984(B+)
AGI:2274(S+)
MP:1152(A)
DEX:3406(SS+)
LUC:0(E)
天賦:【愉悦の料理Lv-】
能力:【料理術Lv7】、【料理の業Lv5】、【料理魔法Lv4】、【キッチンLv4】、【追跡Lv5】、【隠密Lv7】、【気配探知Lv3】【武術Lv3】、【武技Lv3】、【二刀流Lv2】、【魔力操作Lv4】、【解体LV2】【言語理解Lv-】、【アイテムボックスLv-】、【鑑定Lv-】
◆
料理系統スキルの熟練度を上げるついでに、いろいろな調理器具を使って短剣系統スキルや直剣系統スキルなどの武器系統スキルを取得していったら統合されて【武術】、【武技】スキルっていう万能スキルに変化したんだよな。
【武術】、【武技】ってのは全武器種の補正がかかったり、すべての武器の技(装備しているものに対応したもののみ)が使えるようになるっていう効果だな。だからこのスキル達だけ上げていれば大体の武器種が使えるようになるから、一つずつ丁寧に上げる必要がなくなる。しかし立ち回りを強化したいなら個別で特訓する必要はありそうだがな。
「【身体強化】!」
【魔力操作】スキルを応用してできる【身体強化】は魔力(MP)を消費し続けることでSTR、VIT、AGIを強化することができる。強化量は消費する魔力量に応じて変化する……といったものなのだが、このスキルの強化方法はなんと割合上昇なのだ! だから今後も使われることが確定している神スキルである!
そして【キッチン】スキルが成長したことで生成可能になった『キッチン印の中級中華包丁』を装備して構える。
「【点火】!火力調整で【強火】!」
『キッチン印の中級中華包丁』に【料理魔法】スキルで起こした火種を火力調整した業火で熱していく。こうすることで切れ味が増加し、尚且つ火属性付与ができて獲物の状態は多少悪くなるが倒す効率が上がる。
切れ味上昇効果と火属性付与は『キッチン印の中級中華包丁』の効果だが、これらを発動させるのに必要な条件が火で熱することなのだ。しかも帯びる熱が高ければ高いほど効果が高くなるのでできるだけ強い炎で熱したい! そんな願いを叶えるのがこの【料理魔法】スキルの【強火】なのだ。【点火《イグニッション
》】で起こした火を【強火】で200度から5000度まで調節可能なので最大出力で熱することで石でもアホみたいな切れ味と高温の火属性付与のお陰で融解しながら切り裂くことができる。
しかし、この【強火】にも弱点があり、まず小さい範囲でしか発生しない上に短射程、そして【点火】からの炎しか派生できないので敵ににぶつけようとすると【点火】の段階でバレたり、警戒されたりして距離をとられる。よってこの魔法は『キッチン印の中級中華包丁』の加熱用、または料理を行う際にしか使えないのだ。
「ふひひっ! ロリロリロリロリロリィ! フヒゥフハハハァ! 【輪切り】、【いちょう切り】、【細切り】ィ!」
おっと、いけない。長い間、ロリに会えてないせいで禁断症状が……。理性が仕事しなくなる前に速く森を出なければ……!
ロリと出会うことを犠牲に『光丘の樹海』で鍛えていたおかげで開幕から【料理の業】の三連打でミノタウロス三体を仕留めることができた。あれからレベルを上げたおかげで『光丘の樹海』の深層の魔物でもだいたい確殺できるくらいのSTRにはなってきているので、すぐに出られるだろう。残りの魔物も片付けないとな。
「【スラッシュ】、【クイックスラッシュ】、【クロススラッシュ】!」
【武技】の中に含まれている短剣装備時のみ使える【短剣技】をオークジェネラルとオークナイト二体に放ち命を刈り取った。なぜ包丁で【短剣技】が使えるのかというと包丁には【包丁】という武器種以外にも【短剣】の武器種も含まれているので、短剣しか使えないスラッシュ系統の斬撃を放つスキルが使えたというわけだ。
俺はそこに目をつけた。普通スキルにはクールタイムが存在するのだが複数の武器種が複合されている包丁等だと【料理の業】のクールタイム中は【短剣技】を使って攻め、【短剣技】のクールタイム中は【料理の業】で攻めるといったふうに絶え間なく攻撃することができる。
そしたら、この死んだ魔物をどうにかせねばならんのだが、実は転生五日目くらいから肉が十分に集まってもう集める必要がなくなってしまったことをきっかけに解体が面倒くさくなってさ……【アイテムボックス】スキル内では時間が止まるのをいいことに解体せずに魔物をぶち込んでいるんだよね……。
だって、めんどくさいんだもの! しかもここからは街まで速く着きたいので解体してる暇なんてない! すなわち……。
「解体なんかやってられるかボケェ! ——嗚呼、今すぐ会いたいよ……! 異世界のロリィタちゃぁん……!」
処理した魔物をアイテムボックスに投げ入れて、『ニチャア』とした笑みを浮かべ、街を目指すために鍛え上げたステータスで爆走し始めた。
「ふふ……あぁ、愉悦の神フーリ様よ、俺はこの世界で為すべき使命を果たします! 全てのロリを等しく救済《保護》するのです! フハハハ!!」
この世界に転生した……転生してしまったロリコンは何を為し、何を犠牲にするのであろうか。
それは作者《同類》にもわからない……。




