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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
建国奮闘編
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96話 祭りと準備の準備

翌日俺は研究所にいた。

ミーシャとサリーに説明を受ける為だ。


「それで?これから何を作るつもりなの?」


「ふふふ、リブ様日本にあってこちらの世界にない物って何だと思います?」


質問を質問で返されてしまった……

しかし、日本にあってこっちにない物なんて沢山あるが、どれの事だろう?


「うーん、多すぎてわからないな」


「リブ様……ミーシャはんの発想でっせ?ありきたりなもんやないんは想像できますやろ?」


サリーが呆れた顔でそう言っている。

ミーシャの発想か……


「うん、やっぱりわからん!!」


「そ・れ・は……」


なんか勿体ぶってるな……


「娯楽施設よ!!」


うん、アホなのかな?

いつ戦争が起こるかもしれないこの世界で『遊びにマジメ』になってどうする?


「えっと……ミーシャさん?何を考えてるの?」


「だって、休みの日に遊べる場所がないなんてつまらないじゃない?」


えっと……この人は口を尖らせて何を言っているんだ?


「ほらな?頭痛くなるやろ?」


「ああ……これは流石に予想出来なかったな……」


「そう?マーチさん達も同じ意見ですよ?」


ああ……マーチ達も絡んでるのか……


「それで?娯楽施設って何を作るつもりなの?」


「え〜と、カラオケでしょ?ボーリング場でしょ?ゲームセンターでしょ?パチンコでしょ?競馬場でしょ?サーキットでしょ?後はテーマパークかな?」


うん、ギャンブルも含まれてるのは気のせいかな?


「それを国で運営すれば、そっちでお金を落としてもらえば、国民の税金を減らせるから一石二鳥ですよ?」


それは確かにいいアイデアだな……

経済が回れば、税金など必要ないのだ。


「わかった。でも、そんな物を建てる敷地がないぞ?いつ戦場になるかもしれないから安全性も確保しないとだし」


「リブ様?ここは日本じゃないんですよ?経営は国でやるのですからひとつの敷地に全部詰め込めばいいんです」


「はっ?どういう事?」


「テーマパークの中に全部入れちゃえばいいんです!!」


何その発想?怖いんだけど?


「そのテーマパークって何を作る予定なの?」


「想像通りの、あの夢の国みたいなやつですよ?」


やっぱりか……

そこにギャンブル場まで詰め込むなんて……ミーシャにとっての夢の国って一体……

まぁ、一攫千金という考え方からすればある意味夢の国なのか……


「そんな事より、リブ様が言ってた祭りに使う物って何ですか?」


そんな事って……俺的にはかなり衝撃的な事を言われたんだけど……

まぁいいか


「祭りといったら山車だよ!!」


「ああ〜!!」


「まぁ確かに、それは必要ですな」


ミーシャとサリーも納得している。


「せやけど、山車って各街で出すもんやないんでっか?」


「ああ、だから各街の要望を聞いて俺達で作ってその街の人に引いてもらうんだよ」


「なるほど、じゃあ法被とか腹掛けとか足袋も作らないとですね。甚平と浴衣も作らないと」


ミーシャは着るものを作るみたいだ。


「ほな、山車はワイとリブ様で作りますからミーシャはんは着物関係で頼みますわ」


「それじゃあ手分けして要望を聞きに行こう。俺はセントラルシティとプロスパラスに行くからサリーは属州都市を頼む」


「了解です」


そして、俺とサリーは街に出ていく。

ミーシャも祭りに必要な着物を作るために研究所の自分の部屋に入っていく。


プロスパラスはセバスチャンが、セントラルシティはケインが仕切っているので俺は2人の所に向かう事にした。


「ケインいいかな?」


参謀本部でセバスチャンと祭りの打ち合わせをしているケインに声をかける。


「はい?なんでしょう?」


「祭りで山車を出す事にしたんだけど、各街で1台ずつ出す事にしたからセントラルシティとプロスパラスの山車をどんな感じにしたいか聞きに来た」


「おお〜山車ですか!!それはいいですね!!日本の夏祭りらしくなりそうですね」


「でしょ?夏祭りといえばやっぱり山車だよね?」


「申し訳ございません。『ダシ』とは何なのでしょうか?」


興奮する俺達の隣で、セバスチャンが困惑した顔をしている。

そうか、こっちの世界にはない物だから想像もできないのか……


サリーは大丈夫かな?


「山車とは車輪の付いた大きな屋台を引いたり、神輿のように担いだりする物の総称です。装飾が施された大きな物もあります。行列を作って踊りを踊ったりもしますね」


ケインがセバスチャンに説明している。


「ほう、そのような風習があるのでございますね?それで要望とは?」


「その装飾をどうしたいのか聞きたいんだ。各街の特徴なんかを入れれば愛着も湧くだろ?」


「では、プロスパラスは商業区ですので派手な物を要望致します。細かい装飾はリブ様にお任せ致しますので、どこよりも派手にしてくださいませ」


「セントラルシティは威厳のある物を希望します。やはりこの王都の中央区ですので」


派手な物と威厳のある物ね


「わかった。じゃあそれで作るよ。セントラルシティは幹部達が引くとしてプロスパラスは誰が引くんだ?」


「希望者を募ってみます。それと、リブ様にお願いがございます」


「何かな?」


「はい、首都をはじめ属州の住民も皆初めての祭りですので、どのようなものか理解できていないのです。ですので、一度説明をお願いしたく思います」


「あっ!!」


それはそうだ、七夕祭りとか急に言われてもこちらの世界にそんな風習はない。

それどころか祭りなどやった事がないのだから知らないのは当たり前だった。

俺は、自分達がだけで盛り上がってしまって住民を置き去りにしている事に初めて気がつく。


「それもそうだな……ケイン、すぐに準備してくれ」


「かしこまりました」


そう言うとケインとセバスチャンは参謀本部を出て、演説広場に住民を集めに行った。

俺は王城の3階にあるスピーチ台というバルコニーに向かい住民が集まるのを待つ。


いつの間にかマーチが隣にいるのだがどこにいたんだろう?


「リブ様、七夕祭りの説明は私がいたしますわ」


何故か説明する気なのだが、そうすると俺は何を話せばいいのだろう?


「お……おう、任せた」


「はい!!お任せを!!」


そんなに嬉しそうにされると何も言えない。

そんな話をしていると、ケインもバルコニーにやってきた。


「全員を集めてきました」


「ありがとう。じゃあ始めようか」


俺は、建国祭との違いを話す。

その後、マーチが七夕の説明を熱く語ると、住民達から歓喜の声が上がっている。


「という事で、今回は夏祭りという1大イベントになるのでみんなよろしく!!」


と、俺が締めくくり説明を終わる。

住民達は興奮しながら解散していく。


「セバスチャン、これでいいかな?」


「はい、マーチ様の熱弁に胸が熱くなりました」


「それは良かったですわ?これでみなさん素晴らしい祭りをしてくださいますわね?」


マーチは満足気だ。

しかし本当に酒と祭りと休日には必死だな……


まぁ普段の仕事も頑張ってくれているのでこんな時くらいいいだろう。

今回はケインも気合いを入れているので、特に日本人のメンバーはかなりの気合いだろう。


「それじゃあ、俺は山車を作ってくるから」


そう言うと、俺は研究所に戻るのだった。



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