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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
建国奮闘編
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94話 悪魔の囁き?

「パラスドールはこの街バランの代表であり、素晴らしい芸術家でした。絵画や彫刻を得意とし色々な作品を作りました。しかしある日、彼は突然現れた城の確認をする為に出向いて行きました。その時偶然、攻撃を受けて燃えている城の様子を目の当たりにしたパラスドールはなんとも言えない感動を覚えてしまい、他の城も燃やす事にしたのです。しかしただの平民である彼に城を攻撃する力はなく、絶望していました。しかし、数日後彼は突然力を手に入れたのです。どうやったのかは私には分かりかねますが、彼は意気揚々と街を出てどこからかやってくる城を攻撃して燃やし始めました。そして、彼は戻ってくることはありませんでした。代わりにこの街に来たのがギャルドでした。ギャルドはパラスドールに代表を譲られたと言って代表の紋章を持っていましたので私達は代表として扱ったのですが……その後は皆様の知っている通りでございます」


ロアンの説明を終わると俺達は考え込む。

いくつかわからない事がある。


まず、どうやって力を手に入れたのか?

その力とはどういうものなのか?

代表の紋章とは?

ギャルドとの接点は?


そして最大の問題は……


「えっと……何となく理解はしたけど、そのパラスドールは今どこにいるんだ?」


そう、肝心のパラスドールがどこで何をしているのかだ。

もし、まだこの国にいて城を燃やし続けているなら王都も安全とは言えない。


しかし、城を回っているカイザー達からはそんな情報は受けていないのだ。

となれば、もしかしたらパラスドールはこの国にいない可能性もある。


「申し訳ございません。彼が今どこにいるのかは私達にもわからないのです……」


ロアンは申し訳なさそうにそう答える。


「カイザーさん達が城を回っていますので、その辺りの情報が出てくるかと」


ケインも同じ考えに至ったようだ。

今はわからない事なので、気にしても仕方がない。


「じゃあ、バランを王都に移動させるけど他に問題はないよね?」


「はい、大丈夫です。よろしくお願い致します」


ロアンに確認を取ると、都市ワープを使って王都に移動する。

ドシンッという衝撃と共にバランは王都に統合された。


芸術都市という事は絵画や彫刻を作るんだろうな?

せっかくだから美術館でも建ててそこで展示でもしよう。


そんな事を考えながら、バランをシキリアの隣に配置する。


「これでいいな、ロアンに代表を頼みたいけど……」


「リブ様、それに関しましては辞退させてください。私ではまだ経験不足ですので」


バランの代表をロアンに辞退されてしまった……

さてどうしようかな?

とりあえず、セバスチャンにでも相談しよう。


そして、ケインと一緒に城に戻ろうとした時だった。


「すみません、貴方様がリブ様でいらっしゃいますでしょうか?」


小さな男の子?女の子?に声をかけられる。


「ああ、俺がリブ・クロートだ。君はもしかして謎の商人かな?」


「ふふふ、さすがは王様ですね。お察しの通り私がその商人です」


俺と商人の会話を聞いてケインが警戒している。

だが俺はそんなケインを右手で制すると


「それで?今話題の商人さんが自ら危険を顧みずわざわざ俺の前に現れた理由は何かな?」


「私達が悪だと思われているという情報を入手しましたので弁明に参りました」


「ふむ、君はギャルドに呪いをかけた悪魔ではないと?」


「それは誤解でございます。確かに私は悪魔族ですが、ギャルドに呪いなどかけてはおりませんし、ラルゴに関してもある人から受け取ったアイテムを渡しただけですので」


「ある人?パラスドールか?」


「そこまでお調べになられているとは……はい、そのパラスドールでございます」


ついにパラスドールとの接点が見つかった。


「ここではあれだから城で話を聞こう」


俺はこの悪魔を城に連れて行く事にした。


「リブ様、それは流石に危険ではないでしょうか?」


ケインは反対しているが、俺は何故かこの悪魔は大丈夫な気がした。


「私に敵意はございません」


悪魔は片膝を付くと頭を下げる。

どうやらこれが悪魔族の従順の仕草のようだ。


そして、城に戻ると玉座の間に行く。

そこに、ケインはもちろん大広間にいたマーチとミーシャ、そしてノエルとロイが同行する。


「さて、それで?君の名前と目的を聞こうか?」


「私に名前はございません。悪魔族は本来召喚主に名付けして頂く事で受肉しますので」


「ほう、では今は精神体という事か?」


「いえ、正確には乗り移っている状態でございます。この体の持ち主は私の召喚に失敗しそのまま絶命しましたので」


「ふーん、まぁいいや。それで?ここに来た目的は?」


「おっと……う、うん……えっとまず私は乗り移っている状態ですので魔力は使えません。ですので皆様が思っているギャルドを呪い殺す事など出来ません。目的ですが、私はあるお方に頼まれてここに来ました」


「あるお方?その言い方だとパラスドールでは無さそうだな?そうなるとそのあるお方が黒幕なのか?」


「それも違います。黒幕はパラスドールでございます。私とそのお方はパラスドールの計画の手助けを頼まれただけに過ぎません」


「なるほど、パラスドールが手に入れた力っていうのがそのお方って事か」


「そこまで……もう隠し立ては意味がないですね……そのお方というのは神獣様でございます。神獣様はリブ様が王になられたと聞いて、クロート家に恩返しがしたいとパラスドールと縁を切ったのでございます」


「恩返し?では何故その神獣はパラスドールに手を貸したんだ?」


「それには理由がございます。神獣様はクロート家の方を数100年探していました。そこにパラスドールがある計画を持ちかけました。その計画が神獣様の目的に合致したのでございます。それでしばらく力を貸す契約をしました。その計画は新しい王が生まれるかクロート家の方が見つかるまでとなっていました」


「その計画とは?」


「申し訳ございません。それは私の口からは申し上げる事ができませんので神獣様から直接お聞きして下さい」


「なぁ、さっきから言ってる神獣って何者なんだ?それにギャルドを殺した犯人はパラスドールなのか?」


「神獣様はハティという狼の神獣でございます。それとギャルドですが、彼は殺されたのではなく自殺したのでございます」


「自殺?どうやって?」


「彼は自らの心臓に禁忌を施していました。自分に危険が及べば自爆するという禁忌です。しかし、彼のそれはあまりにも貧弱で周りを巻き込むほどの威力はありませんでした。ですので、彼は自分だけが死ぬという可哀想な最後を迎えたのです」


いまいち納得できない部分もあるが悪魔が嘘を言っているわけでは無さそうだ。

ノエルも首を縦に振っている。


「わかった、所々納得できないが君が嘘を言っていないことは確認した。それで?君とそのハティという神獣はこれからどうするんだ?」


「神獣様はドリー様達のようにリブ様にお仕えしたいとの意向でございます。私はパラスドールを始末したら一度向こうに戻り悪魔族の王に報告に行こうと思います」


悪魔族の王?

何その怖そうな人?

そもそも人なのか?

というかパラスドールを始末する?


「パラスドールを殺すのか?」


「いえいえ、私にはその力はありませんので殺しはしませんよ?言い方が悪かったですね……彼を正気に戻してこちらに来るように仕向けるだけですのでご安心下さい」


「正気に戻せるのか?」


「それは彼次第ですが、神獣様の力を失った今、彼は普通の人間です。ですので大丈夫だと思います」


悪魔は意味深な笑みを浮かべると玉座の間から出て行く。


「さてどうなると思う?」


「それはわかりませんが、あの悪魔を信じるしか無さそうです」


「ええ、ノエルのスキルでも嘘はなかったみたいですし」


ケインとマーチはとりあえず信じて待つという方針のようだ。

それなら、俺もそれに合わせよう。


俺達はそう結論付けると大広間に降りて行くのだった。

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