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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
建国奮闘編
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93話 4個目の属州都市

そこは何もない暗い空間だった。

その空間で2人の話声が聞こえる。


「それで?ギャルドは?」


「新しい王に拘束されたので今頃は……」


「所詮は平民か……」


「龍谷の里のドラゴニュートまで付けたと言うのに……無駄になりましたね」


「しかし、ラヴァタートルの無効結界まで消されたのは誤算だったな」


「そうですね……まさかあれを消すほどの力があるとは……」


「しばらく様子を見るか……」


「あそこからは手を引く方が賢明かと?」


「そういえば、新しい王の名は?」


「確かリブ・クロートとか言う男ですね」


「クロート……そうか、クロート家か……流石にクロート家に手を出すわけにもいかないか……」


「クロート家とは?」


「召喚一族の長の家系だ。神獣にドラゴン、天使そして悪魔も召喚して味方に出来る唯一の存在だ」


「悪魔も……ですか……」


「ああ、悪魔も……だ。しかも確かあの悪魔も従っていたはずだ」


「あの悪魔?とは?」


「お前達の絶対王だよ」


「な……ま……まさか……それでは今回の件はあのお方に?」


「いや、まだ気づかれていないはずだ……しかし、時間の問題だろうな」


「申し訳ありませんが、今後私は協力出来そうにありません」


「仕方ないだろうな、俺もこれ以上は関わりたくないしな」


「しかし、彼は納得するでしょうか?」


「奴が納得しようがしまいが知った事ではないな、それより自分の命が大事だからな」


「それで?これからどうされますか?」


「王に会いにでも行ってみるか、幸いギャルドは嫌われ者だったから死んでも誰も悲しまないだろうし、王も気にもしないだろう」


「それでしたら、私が先に王都に行き偵察してきます。その後に共に参りましょう」


「ああ、頼む」


「それで?あのパラスドールはどうしますか?」


「あの時はあいつの計画に賛同したが、王が誕生した以上ここで終わりだ。しかもあのクロート家が復活したのだ。俺も神獣として傘下に入りたい」


「神獣といえば、噂では鳥と馬の神獣が王に力を貸しているとか」


「何!!ドリーとリコルが?それは急ぎ王に合わねばならないな」


「では早速王都に行って参ります」


そう言うと、黒い影はスッといなくなる。

そこに残った大きな影は上を見ると、感慨深そうに呟く。


「ついにあの時の恩返しが出来る機会が訪れたな……」


そう言うと大きな影もスッと消えていくのだった。


---------------------------------------------------------------------------


俺達はバランの街に来ていた。

ここを属州都市として統合させる為だ。


「さて、ラルゴさんとりあえず誰と話をすればいいのかな?」


「リブ様……私に敬称は不要です……そうですね、副代表のロアンがいると思いますので、彼と話をするのがよろしいかと」


「副代表?」


「はい、ギャルドは治世に疎く全てをロアンに任せていましたので」


「それで?そのロアンって人は信用出来るの?」


ギャルドがあんな感じだったので、副代表も怪しいかもしれない。

俺はそう思って聞いたのだが


「大丈夫です。ロアンは若いですがしっかりしていますので」


とラルゴから返ってきた。

ならば、そのロアンって人に会いに行こう。

そして、ラルゴの案内で小さな家の前まで来ると


「ロアン!!いるかい?」


とラルゴがドアを叩く。


「はい?誰ですか?」


ドアが開くと、そこには若い青年が立っていた。


「おや?ラルゴさんではないですか?ギャルド様のお使いは終わったのですか?」


「ギャルドは死んだよ……俺も騙されていたみたいだが……そんな事より重要な話だ」


ロアンはギャルドが死んだと聞かされ、一瞬固まったが大きく深呼吸すると俺とケイン方を見る。


「ラルゴさん、そちらの方々は?」


「ああ、この国の王様と参謀さんだ」


ラルゴが簡単に紹介すると


「ええ〜〜!!いやいやいやいや!!ラルゴさん!!そんな方々をなんて適当に!!」


と、ロアンはギャルドの死を聞かされた時より興奮していた。


「突然申し訳ありません。私リブ様の参謀をしております、ケインと申します。この度リブ様がこちらの街を王都の属州都市にしたいとの意向で伺わせて頂きました」


ケインが丁寧に挨拶をすると


「なんですって?バランを王都に?」


と、更に驚いて固まってしまった。


「そんな事より、王様を玄関先に立たせっぱなしはどうなんだ?」


「あ……申し訳ございません……狭いですが中にどうぞ」


ロアンはラルゴに促され俺達を中に入れてくれた。

中に入ると、女性が不思議そうな顔で俺達を見ている。


「こちらは新しい王様とその参謀様だ。粗相のないように頼むよ?」


ロアンがその女性に声をかけると慌てて炊事場に向かって行く。

部屋の中央にあるテーブルに案内されると、俺達は席に座る。


「いきなりで悪いね、俺がこの国の王になったリブ・クロートだ。早速だけど、この街を属州にしたいんだけどどうかな?」


「こちらからお願いしたいくらいでございます」


ロアンは頭を下げると、そう答える。

これで、バランもマットの属州都市になる事が決定したのだった。


「街を移動する前にいくつか確認したい事があります」


「はい?なんでしょうか?」


ケインがロアンに質問を始める。


「まず、ギャルドさんに接触していた人物についてですが」


「申し訳ございません。その人物に関しては私ではわからないのです……」


「そうですか、ではギャルドさんの前の代表パラスドールという方については?」


「パラスドールですか……彼は狂ってしまったのです……」


「というと?」


俺がそう言うとロアンが2年前の出来事を話始める。


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