60話 首都と都市
城に戻った俺達は、まずは風呂に入る。
風呂に入ると、いつもの反応をしているウェンツは無視しておこう。
フランやセシルも目を丸くしているが、キリがないのでそっちも放置で。
そんなこんなで、風呂から出るとセバスチャンが待っていた。
「リブ様、今回もおめでとう御座います。それで、レナードの役職なのですが」
「ああ、セバスチャンごめん。今日は色々あって疲れたから明日でもいいかな?」
「承知しました。ではチャーリーとレナードにもそのように伝えておきます」
明日は、4人の役職も考えないとだし、人数が増えると大変だな。
ケインとマーチの意見も聞きたいし、やる事は多そうだ。
そして、女性陣が出てくるとアイーナが宴会の準備を始める。
ん?今日も宴会なの?
「アイーナさん?もしかして?」
「はい、もちろん祝勝会と歓迎会です」
アイーナは笑顔で答える。
何かと理由を付けて宴会ばかりしている気がするが、まぁいいか……
「セバスチャン、せっかくだから、チャーリーとレナードも呼んであげて」
こうなったら、とことん楽しむだけなのだ。
ウェンツは並んでいる食事を見ながら大喜びしている。
セシル達も、驚いているがアイーナにワインを頼んでいる。
「さて、全員揃ったみたいだから祝勝会と歓迎会という事で今日も宴会だ」
「乾杯!!」
「「乾杯!!」」
各々、食事を楽しむ者、お酒を楽しむ者、会話を楽しむ者と様々だがみんな楽しそうに笑っている。
こうやって、どんどん家族が増えていって、笑顔が増えるのはいい事だ。
翌朝、俺が起きると、カイザーとネージュが狩りに行く所だった。
「もう出かけるの?」
「はい、新しい地形が出ましたので調査に行くところです。ギートさんはもう城門で待っていますので」
ギートも狩りなんだ。
俺がそう思っていると、ライズとミーシャが一緒に起きて来た。
「おはようございます」
「おはよう」
軽く挨拶を交わすと、ミーシャが何か言いたそうにしている。
「ん?どうしたの?」
「魔導兵器がイマイチだったのと、もう少し機動力が欲しいです」
ミーシャは昨日の魔導兵器の動きが気に入らないみたいだ。
「それなら今日からサリーの他にウェンツも開発メンバーに入れよう。彼も日本人であのゲームのファンみたいだから戦力になるんじゃないか?」
俺がそう提案すると、ミーシャは嬉しそうにしている。
サリー……頑張れ……
俺は心の中でそう呟くのだった。
「セバスチャン、そう言えばケインとマーチは?」
俺はセバスチャンに参謀の2人がどこにいるのか聞く。
「はい、参謀本部で打合せ中でございます。ケイン様より、リブ様はこちらでお待ち頂くように言付かっております」
なるほど、じゃあ朝ごはんでも食べながら待つとしよう。
アイーナ達が、3人の朝ごはんの準備をしてくれたので、食べながらケイン達を待っていると、ケイン達6人とセバスチャン、チャーリー、レナードが大広間に入ってきた。
「リブ様、おはようございます。朝食が終わりましたらお時間を頂けますでしょうか?」
「うん、俺もそのつもりだったから大丈夫だよ?」
俺はそう言うと、急いで朝食を済ませる。
そして、片付けが終わるとケイン達と話合いを始める。
「それで?話って役職の事でいいのかな?」
俺はケインとマーチを見る。
すると、ケインが話を始める。
「はい、まずはリブ様に役職の確認をして頂き、その中で決めたいと思います」
ケインにそう言われて俺は役職が書かれた本を開く。
新しい役職が増えているけど……
「どうするつもりなの?」
俺はケインに本を見せる。
「ふむ、やはりですね。フランさんにこの軍師という役職を与えて下さい。セシルさんにはギルド長を、ライズさんはナースを、ウェンツさんには商店の店長をお願いします」
ケインはサクサクと役職を決めて行く。
俺は言われた通りそのままの役職を与える。
4人の服装が変わる……が、ライズのナース服が可愛い……なんてセクハラになるので口が裂けても言えない。
4人の役職が決まると、セバスチャンとレナードの役職決めだ。
「さて、レナードはどうするの?」
俺はセバスチャンの方を見る。
「はい、街も大きくなりましたので、区画の名前を考えて頂き、それぞれの区画の長を任せようかと思います」
なるほど、マットだけではダメって事か?
区画の名前ね〜
単純に東地区とかだとなんか味気ないな。
どうしよう?
「首都と属州都市に分けるとか?」
「と、申しますと?」
ケインが首を傾げている。
「うん、陽炎城を含む全てをマットとして、最初からある街を首都にして城壁を作る。
それで、その他の地域を属州都市として隔離していけば、今後もし街が大きくなっても、その度に長をどうするとか考えなくて済むでしょ?」
「それは良き考えかと思います。今後も街には代表がいると思いますので、属州都市の長にしていけば、各都市毎に名産も変えれますし、マット内で貿易が可能になりますので、ここだけで完結できる都市になりますね」
まぁそこまでは考えてなかったけど……
セバスチャンが未来を想像しているので、その辺は任せよう。
「それで、首都の名前だけど……」
俺は固まる。そう……名前を付けるのは苦手なのだ……
みんなが期待した目で俺を見ている。
繁栄って英語でなんだっけ?
プラ……プリ……プロスペリティだ。
それで、繁栄してるだと……
「首都の名前はプロスパラスだ」
「プロスパラス……素晴らしい名前です。ではマットの首都はプロスパラス、長はチャーリーという事で」
「それで、属州都市の名前はいかが致しましょう?」
属州都市って事は古代ローマ帝国だな。
最初の属州都市ってなんだっけ?
あっ!!シキリアだ!!
「最初の属州都市の名前はシキリアにしよう」
俺がそう言うと、
「リブ様は博識でいらっしゃる」
フランが納得した顔をしている。
「コホン、じゃあ首都はプロスパラス、属州都市はシキリアでいこう。プロスパラスは首都だからチャーリーを政務官にしよう。シキリアは都市だからレナードは市長って事で」
俺は、チャーリーとレナードに役職を与える。
すると服装が変わる。
これって、俺が勝手に役職を与えているだけなのにスキルも増えるんだよな……
いまいちよくわからないけど、そうなのだからと割り切るしかない。
「それで、グランツの城にあった施設が統合されて大きくなっていますわ」
マーチが施設の説明をしてくれた。
確認する事が多くて大変だ……
俺は、覚えるだけで気が遠くなりそうだなと思うのだった。




