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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
群雄割拠編
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55話 戦争は戦力と戦略が重要なのです


陽炎城の大広間に、チャーリーがグランツの街から来たと言う男を連れてきていた。

セバスチャンから連絡を受けた俺は、魔導兵器の開発を中断して城に戻っていた。


「それで?この人は?」


「はい、この者はグランツの街の住民で、一般人でございます」


「うん、それは見ればわかるんだけど、その一般人が何故ここにいるの?」


「はい、どうやらこの者は、フランという参謀にマットを偵察して来るように、お金で雇われたそうなのです」


一般人を偵察に使うなんて、その参謀は頭いいな。

ケインも俺の隣で感心している。


しかし、偵察する為に雇われたのに、何故ここにいるんだろう?

というか、バラしちゃってるし。


「それは、私から説明します」


その時、チャコとマガストールが帰って来た。


「おかえり、思ってたより早かったね」


「ただいま戻りました、それで彼の件なのですが、向こうの街の代表さんからこれを預かってきました」


チャコ達はグランツの街を出ると、監視の目がある事を確認した。

なのでマットの街に入ると、まずは偽装用の家に帰った。

そこから、地下通路を通って酒場に行き、そこでレナードから受け取った紙の中身を確認したのだ。


「ご苦労様、それで彼の件だけど」


「はい、まずレナードさんはチャーリーさんの従兄弟という事です。ですよね?」


そう言うとチャーリーを見る。


「その通りでございます」


「レナードさんの話だと、私達がリブ様の配下である事は知っていました。その上でマットに統合して欲しいと打診がありました。その為なら協力は惜しまないとの事でした」


なるほど、そういうことか


「だから、向こうの住民はみんな俺達に協力してくれると」


「左様でございます。ですので彼は私に情報を教えてくれたのです」


「そうなると、これを利用したら面白い事になりそうだな」


俺は、チャコがくれた紙を見ながらグランツを倒す案が浮かんだ。

多少卑怯かもしれないが、戦争とはそういうものだ。


「リブ様、何か思いつきましたか?」


ケインが俺に確認してきた。


「うん、全員を集めてくれるかな?セバスチャン、彼に1階にある部屋を1つ貸してあげて欲しい。そして使者をガンマの部屋に幽閉しておいて」


「かしこまりました」


「あと、彼はお客さんだから、丁寧にもてなすように」


俺は、住民の彼に最高のもてなしをする様に伝えると、今後の作戦を考える。

思いつきだけでは上手くいかないかもしれないので、しっかり練らないと。


そして、しばらくするとケインが全員を大広間に集めてくれた。

当然、セバスチャンとチャーリーもだ。


「さて、みんな集まってもらったのは他でもない。グランツとの決戦が近そうだからだ」


俺は真剣な顔で、今後の予定を話する。


「まず、先程の彼を暗殺者のスキル持ちだったと向こうに伝える。そうすれば、グランツは一般人に紛れて暗殺者がいたと思うだろう。監視がいるあの街で暗殺者がいたとなれば、内部の犯行を疑うはずだ。この情報だと元々仲がいい訳では無さそうだから、その陽動だけでお互いに疑心暗鬼が生まれる。そして、恐らくだが代わりの使者をこちらに送って来るはずだ。グランツって奴はガンマはどうしても取り返したいみたいだからな」


わざわざ、使者に大金を持たせて保釈を要求してくるくらいだから、余程仲がいいのだろう。

部下や住民には冷たい男みたいなので、本当の仲間はガンマだけなのだろう。


「そこで、誰が来るか次第だが、もしフランという参謀が来たらセシルをこちらに取り込もう。しかし、他の使者が来たらそのまま突き返す」


俺がそこまで説明すると、


「なるほど、陽動作戦で内部を混乱させて内通者を作っておいて、奇襲を仕掛けるという事ですね」


ケインが意図を理解して、何やら考え始めた。


「そういう事。そこでセバスチャンにはまず上手く相手に伝えて欲しい、方法は任せる。

チャーリーには、レナードさんと連絡を取って奇襲時にシールドを展開して欲しい。但しタイミングは、俺達が街を抜けてからだ」


「彼らは、使者に通信をしております。それを利用させてもらいます」


「それでしたら、レナードに言って安全に街を抜けれるように手配しておきましょう」


セバスチャンとチャーリーは、方法を考えてくれた。


「それで?私達はどうすればいいのかしら?」


マーチが、自分達の役割を聞いてきた。


「まず、俺とケイン、ノエル、チャコ、マガストールで相手の城に入る。そのタイミングでカイザー、ネージュ、ロイが兵士を率いて攻撃を仕掛ける。チャコ、地下通路はどこに出る?」


「相手の城から50mくらいの所にあった森に繋げておきました」


「カイザーの騎兵隊は500の兵で一気に正面から、ロイの第一歩兵隊とネージュの第二歩兵隊は地下通路を使って森に配置しておいてくれ、決してバレないように気をつけて。

ギートの弓騎兵は弓隊はロイ、ネージュと弓騎馬隊はカイザーと一緒に行動してくれ。

サリーとミーシャは急ぎ魔導兵器を完成させて騎馬隊の後ろから、マーチは総大将として最後尾で陣取ってくれ。クーパーさんはマーチの補佐、マーチンさんはロイと共に行動をお願いします。総力戦になるが、必ず勝つぞ!!」


「「「はい!!」」」


全員の役割を決めて後は攻めるタイミングだけだ。


「少しよろしいでしょうか?」


考え事をしていたケインが発言する。


「もし可能でしたら、先にチャコさん達が潜伏出来ないでしょうか?私達が突入した時にいずれかの施設に火を付けて頂きたいのです。その方が安全に城に潜入できるかと」


「忍び足と隠れ身のスキルを使えば大丈夫だと思います」


「それと、せっかく内通者を作るのでしたら、裏切るタイミングも重要かと」


「いや、それは今回の作戦には入れない。内通できれば上手く利用するが、もし出来なかった時に崩壊しかねない」


内通者に関しては保険でしかないので、そこまで信用は出来ない。

それに、そもそも裏切るとは決まっていないのだ。


「それで、作戦開始はいつですの?」


「それは今からだ。ロイ、ネージュ、ギートはすぐに兵士に準備させて森に移動してくれ、セバスチャン、チャーリーもすぐに伝えて欲しい。チャコ、マガストールもロイ達と一緒に移動して向こうで待機、カイザーは準備が出来次第、城内で待機、サリー、ミーシャは大至急増産を開始してくれ、ケイン、ノエルは俺と一緒に向こうの新しい使者と話をした後、出発だ。相手が暗殺者の犯人探しをしている間に攻撃しないと奇襲にならないからね。全員無理はしない事、危険だと判断したらすぐ退却する様に」


俺がそう言うと全員が一斉に城から出ていく。

格上相手だからこそ、奇襲が必要なのだ。


しかし、奇襲はどこまで行っても奇襲でしかない。

最後は俺とグランツの勝負になりそうだが、そこはなんとかするしかないな。


そう思いながら、今から始まる戦争の準備をするのだった。

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