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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
群雄割拠編
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52話 大宴会と新ルール

風呂に入ると、マーチンが固まっているが気にしない。

何故なら今日は、湯船で酒を飲む記念日なのだ。


トックリとお猪口が乗っている桶を湯船に浮かべると、肩まで浸かって酒を飲む。


「これは幸せだ……」


「本当ですね……湯船で飲むお酒がこんなに美味しいとは」


「これは癖になりますね」


俺が幸せに浸っていると、ケインとカイザーが共感する。


「これは……クーパーさんも幸せでしょう」


「ヤバいですね……これから毎日これを味わえるのですね」


ロイとマーチンも、湯船に入って来ると一緒に飲み始める。


「ああ、この幸せが続くように、まずはグランツを倒さないと」


俺はグイッと、酒を飲み干すとこれからもこの生活を守りたいと思うのだった。

その言葉に、他のメンバーも真顔になる。


「絶対に勝ちましょう」


ケインが真剣に答える。


「そういえば、あの大きな木の箱はなんですか?」


マーチンがサウナを指差す。


「ああ……あれはサウナだよ……」


「へ?サウナ?シャワーやシャンプー、リンスにも驚いたのですが、本当にここはすごいですね」


マーチンは、ここに住みたいと言い始める。

しかしそれはクーパー次第だし、今は何か問題を抱えているみたいなので、俺から無理に勧誘する事はない。


いい感じに酒も回ってきたので、そろそろ風呂から出る。

大広間に戻ると、宴会の準備が整っていた。


女性陣が戻るまで、時間があるのでサリーに魔導兵器について聞く事にした。

とりあえず、ミーシャが作っているという兵器の概要からだ。


「それで?魔導兵器ってどんな感じなの?」


「まぁ、リブ様の思ってるまんまですわ。足が2本の人が乗るタイプのやつですわ」


俺がイメージしていた兵器と、ほぼ同じだった。


「その魔導兵器は今後どうする予定なの?」


「さぁ?ミーシャはんは、空飛ばしたいとか波動砲撃ちたいとか言ってはりましたわ」


空を飛ぶ?波動砲を撃つ?

ミーシャは一体何を考えてるんだ?


「リブ様の魔法が、もう自分達の常識を越えてるんやから、そのくらいええやろ?って言ってましたわ」


それを言われると、何も言えない……

自分の魔法が、波動砲どころじゃないんだから、もう何を言ってもミーシャには通用しないだろう。


「わかった、明日から一緒に開発するよ」


俺が全てを諦めたところで女性陣が風呂から戻ってきた。


「お待たせしました。湯船酒が思いの他美味しくてちょっと飲み過ぎてしまいましたわ?」


マーチが、既にほろ酔いになっていた。

どうせ、今からまだ飲むのに本当にお酒が好きだな……


俺はそう思ったのだが、下手な事を言うと危険なので、そっと笑顔で返しておいた。


「さて、じゃあみんな揃ったから、一時的ではありますがクーパーさんとマーチンさんがマットに参加するという事で短い間ですがよろしくお願いします」


「乾杯!!」


「「「乾杯!!」」」


俺が挨拶をすると、クーパーに挨拶させるのも忘れて乾杯をしてしまう。


「リブさん……出来れば乾杯の前に一言挨拶したかったな?」


クーパーは少し膨れている。

ケインも呆れた顔で俺を見ているが、何となく流れで乾杯しちゃったんだから仕方ない。


「まぁ、いつもの事ですわね。リブ様ってその辺がちょっと抜けてますから」


とマーチにも嫌味を言われてしまった。

それから、歓迎会と言う名の大宴会は朝方まで続くのだった。


翌日は、予想通り全員昼過ぎまで寝ていた。

1番早くに起きたノエルが昼頃で、ノエルの次に起きた俺は、状態異常無効のスキルで二日酔いにはなっていなかった。

しかし、他のメンバーは朝まで飲んでいたのだから起きれないだろう。


「今日は、休みだな」


みんなこっちの世界に来てから、ずっと働き詰めだったから、たまには休みでもいいだろうと思ったのだった。

それから1人また1人と起きて来た。


「何もしない1日は久しぶりですね、これからはカレンダーでも作って7日に一度は必ず休みにしましょう」


ケインが、そう提案した。

確かに、こっちの世界には時間や曜日という概念がなかった。


これからは、せめて曜日くらいは欲しいな。


「じゃあ今日を1日の日曜日としようか、明日カレンダーを作って1ヶ月、1年みたいな感じにすれば何となく日本と同じ感覚にならないかな?」


俺がそういうと、みんな賛成してくれた。


「時計って作れるのかな?あの太陽みたいのが真上に来たら12時って事にして、24時間で設定すればもっと生活しやすくなるし、時計があれば朝まで飲む事も無くなる気がするんだけど」


時間に関しては、全くわからないが太陽のようなものが真上に来た所で12時と設定すれば大体いいんじゃないかな?


「時計なら私が作れるかな?明日カレンダーと時計を作っておきますね」


生活用品はミーシャの専売特許だ。

それに関しては任せておけば大丈夫だろう。


「セバスチャン、そういう事だから街のみんなにも伝えて欲しい」


せっかくなのでマットは住民も含めて、同じにしようとセバスチャンに言ったのだが


「いえ、それに関しましては私からではなく、リブ様自ら住民にお伝えください。マットの新しいルールとして設定して頂ければ住民も納得しますので」


と、初めてセバスチャンに断られてしまった。

まぁ、最近は住民に対して、盟主らしい事を一切やってなかったからたまにはいいかと思ったのだった。


すると、ミーシャが城から出て行く。

これは、明日とか言ってたのに今作りに行ったな。


「全く……今日は休みだって言ったのに……」


大広間に寝転がり、天井を見ながらそう呟く。

しばらくすると、ミーシャが戻ってきた。


「はい、リブ様。カレンダーと時計を作ってきましたよ?早く街に行って話をしてきてください」


ミーシャは、嬉しそうに俺に渡して来る。


「休ませてくれないんだね?セバスチャン、チャーリーに言って街のみんなが集まれるようにしてくれる?」


その言葉を聞いたセバスチャンは、チャーリーに連絡を入れている。

今、城にいない人と連絡を取る為に、通信の本を城に残っている人の分を1つ城に置いて、城にいない人は自分の本を持って出かける事で連絡を取れるようにしてある。


しかし、通信の本を持たないセバスチャンはチャーリーとどうやって連絡をとっているんだろう?

かなり気になったので、セバスチャンに聞いてみる。


「セバスチャンってさ、チャーリーとどうやって連絡を取っているの?」


「はい、リブ様に正式に役職を頂いた折、私とチャーリーは念話というスキルを手に入れまして、それで連絡を取っております」


なるほど、スキルだったか。

もしかして、俺達が城に帰って来るのもその念話でチャーリーから教えてもらっているのか?


だからタイミングよく玄関にいる訳か。

セバスチャンが玄関にいる謎も解けたのだった。


「リブ様、準備が整いました。街に参りましょう」


俺は、ケインとマーチを連れてセバスチャンと一緒に街に向かう。

街に来るのは、随分久しぶりな気がする。


街の中央付近にいつの間にか、住民が全員集まれるような公園の様な物が出来ていた。

その公園の一角にステージのような物があった。


「リブ様、お待ちしておりました」


そのステージの袖でチャーリーが待っていた。


「チャーリー、いきなりごめんね」


「いえ、皆リブ様のお言葉が聞けると喜んでおります」


住民の前でスピーチするのは、家族宣言した時以来か……

すごい昔のような気がする……


「それで、本日はどのようなお言葉を頂けるのでしょうか?」


あれ?セバスチャン?チャーリーに説明してないの?

俺は疑問に思い、セバスチャンの方を見る。


「内容までは伝えておりません。それに関してはリブ様のお言葉でお願い致します」


あくまで、俺に言わせたいみたいだ。

それなら仕方ない。


「それは今から説明するよ」


俺はそう言うと、ケイン、マーチと共にステージに上がる。

住民達は、俺達の顔を見ると大騒ぎしている。


「みなさん、リブ様がお話をされますので、お静かにお願いします」


チャーリーが、住民達を静かにさせると


「コホン、みんな今日は、このマットに新しいルールを作る。まず、曜日という概念だ。

それを7日で1週間として、30日か31日で1ヶ月とする。これを12ヶ月で1年とする」


住民達は何を言われているのか全くわからない。

今までは、日が登れば朝で日が沈めば夜、それを何となく過ごしているだけで、曜日や日など関係ないのだ。


「ここにカレンダーという物を作った。1月から始まって、12月まである。今日を4月1日として、今後色々な記念日や祝日を作ろうと思う。そして、この赤くなっている日曜日と書かれた日は住民全員休みとして仕事は一切禁止とする。休みの日は、しっかり体を休めて、月曜日からまた1週間

頑張って仕事をして欲しい。以上!!」


俺は、説明を終えると住民達はまた大騒ぎだった。


ちなみに4月1日としたのは、年度初めという事でわかりやすかったからだ。

1月1日にしてしまうと、何となく正月っぽくなってしまって、お祝い感が欲しくなるからというのも理由のひとつなのだが。


この世界には季節がない。

だから、カレンダーを使って記念日や正月などのイベントをやりたいのだ。


俺は、ステージを降りるとチャーリーにカレンダーを渡す。

クリエイトで住民全員分をコピーしたのだ。


後は、チャーリーに任せて俺は城に戻って、初めての休日をのんびり過ごすのだった。


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