50話 カルチャーショック
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いつも『城から始まる異世界物語』を読んでくださり、ありがとうございます。
本編も50話を迎える事が出来ました。
評価を頂いた方々、いいねをして頂いた方々、ブックマークをしてくれている方々、そしてこの作品を読んでくださっている皆様に心より感謝申し上げます。
今後も頑張って書いて参りますので、この作品を可愛がって頂けると幸いです。
リブ達を見送ったクーパーは、マーチンとコウリュを呼ぶ。
他の2人は狩りに行ったきり戻って来ていなかった。
「近々、リブさんが城を攻めるみたいなの。その戦いに私とマーチンが参加させてもらえる事になったから、コウリュは他の2人と留守番お願いね」
「え?戦争に参加するんですか?」
「城の事はメイドのライラに任せればいいから、留守番は大丈夫だけど、何かあったらすぐに戻って来て下さいね?」
マーチンは、突然の事で驚いている。
コウリュも驚いたのだが、クーパーはいつもの事なので諦めていた。
「それで?いつから行くんですか?」
「ん?今からよ?すぐ出るからマーチンも早く支度してね」
「え〜〜!!今から?せめて2人が帰ってきて、説明してからにして下さいよ!!」
クーパーの発言に、さすがのコウリュも反論する。
しかし、一度決めたら即行動のクーパーを止める事は出来なかった。
「コウリュさん……諦めてください……」
マーチンが、今にも泣き出しそうなコウリュを慰める。
マーチンに慰められたコウリュは少し落ち着いて、
「はいはい、わかりましたよ。2人には私から説明しておくので、気をつけて行ってきてくださいね」
もう、今更クーパーの行動を責めても仕方ないと、完全に諦めるのだった。
「ふふ、コウリュごめんね」
クーパーは、悪びれる事もなくコウリュにそう言うと、着替えをバッグにしまっている。
それを見たマーチンも、急いで旅の支度を始めるのだった。
支度が終わった2人は、楽しそうに城を出て行く。
他人の城の中を見る機会など、そうそうある事ではない。
「ねえねえ、リブさんのお城ってどうなってるのかな?仲間も多そうだしすごい事になってたらどうしよう?」
「すごい事って何?」
「例えば温泉があったりさ、メイドさんが沢山いたり、ご飯がめっちゃ美味しかったり?」
「流石に、それは夢物語でしょ?日本じゃないんだから」
そう、クーパーもマーチンも日本からこの世界に来たのだ。
コウリュと他の2人も日本にいたらしい。
その縁で、コウリュ達を城に置いているのだ。
コウリュ達の本当の盟主は、韓国にいたらしい。
クーパーとマーチンが、そんな話をしながらマットの前まで来ると、城門の前に1人の老紳士が立っていた。
「クーパー様でございますでしょうか?私、リブ様の執事をさせて頂いております、セバスチャンと申します。城へ案内しますので、どうぞこちらへ」
セバスチャンと名乗った老紳士は、丁寧に挨拶をしてくれた。
「はい、クーパーと申します。こちらは、配下のマーチンです。短い間ですが、お世話になります」
クーパーも挨拶を返すと、セバスチャンの後ろをついて行く。
「セバスチャンさん、この街はすごい大きいですね?お店とかも沢山あるんですか?」
「セバスチャンで構いません。はい、ミーシャ様が開発なされた洋服や日用品、それとリブ様が食べたいと仰り、開発なされた食事が食べれる食堂など、最近では数多くのお店が出来ております」
その言葉にクーパーは目を丸くする。
ミーシャさんって、確か最初に来たエルフさんよね?
それにリブさんが食べたいって言った食べ物って何?
そう考えながら隣をを見ると、マーチンも驚き過ぎて固まっている。
「ねえ……もしかして、夢物語じゃないかもよ?」
「信じられない……」
街の様子を、キョロキョロ見ていると
「クーパー様もマーチン様も大事なお客様ですので、無料で提供させて頂きます。とはいえ、お城にはここ以上の物がございますので、ご要望頂ければすぐにご用意させて頂きますが」
セバスチャンは何事もないようにすごい事を言っている。
え?城はここ以上?どうなっているの?
クーパーは、もう期待と恐怖が混ざったような感情をどこに向けたらいいのかわからない。
マーチンに至っては、思考が追いついてきていない。
2人はそんな状態で、セバスチャンに連れられて城に入ると沢山のメイドさんが頭を下げて待っていた。
「クーパー様、マーチン様ようこそいらっしゃいました。私、リブ様のメイド長をしておりますアイーナと申します。何かご用がございましたら、いつでもお声掛けください」
アイーナと名乗る女性は、スリッパを並べると奥の大広間に案内する。
ん?スリッパ?なんなのここ?
もう、クーパーも思考がついてこない。
「ケイン様、クーパー様がいらっしゃいました」
アイーナは本を開くと、ケインと通信を始める。
「わかりました。すぐ行きます」
ケインの声が聞こえると、クーパー達は大きなテーブルの前に案内される。
「間もなくケイン様がいらっしゃいますので、こちらでおくつろぎ下さい」
アイーナに促され、テーブルの前に座ると2人の前に、すぐにお茶とお茶菓子が出される。
「ねえ、マーチン……私もう何がなんだか……これは夢?」
「いえ、現実です。リブ様のお城が異常なんです……もしかしたら温泉も普通にあるのでは?と思い始めてます」
2人は、見る物全てに驚き過ぎて、感情が崩壊していた。
そして、放心状態になっていると
「お待たせしました。先日はありがとうございました」
2人の前に、ケインが現れた。
「リブ様より受け入れ準備をとの事でしたので、お部屋を用意しました。まずは、お荷物を部屋に置いて頂き、その後でお城の中を案内をしますので」
ケインはそう言うと、2人を2階に連れて行くと、部屋の扉を開ける。
そこには、ベットと布団、タンスに姿見まである。
「えっと、ケインさん?ここって客間なの?」
「いえ?2階の小部屋は全部の部屋がこのようになっておりますが?」
ケインは不思議そうに首を傾げているが、こちらからしたら普通ではない。
これが、全部屋?一体どうなっているの?
そして、混乱する2人は割り当てられた2部屋に別々に入り、荷物を置くとベットに座って気持ちが落ち着くまで、しばらく呆然とするのだった。
「よし!!落ち着いた!!もう何が出てきても大丈夫!!」
クーパーはそう言うと、部屋から出る。
ほぼ同時にマーチンも部屋から出てきた。
「それでは、まいりましょう」
そう言うケインについて行くと
「こちらがトイレになります。右が男性用で左が女性用です。その隣がお風呂で石風呂と木のお風呂が週替わりで男女が入れ替わります。こちらがキッチンです。中に入る事は無いかもしれませんが、もし、メイド達がいない場合は勝手に使って頂いて構いません。とりあえず城の中はこんな所ですが何か質問はありますか?」
2人ともケインの説明の全てに質問したい気分だった。
「えっと……ここではこれが普通なのですか?」
必死に絞り出した質問がそれだった。
「ええ、そうですね……リブ様とミーシャさんが好き勝手に開発していますから……最近ではサリーさんも作り始めてますし……生活水準の向上がテーマだそうです。おかげで日本にいた時のような生活ができて助かってますが」
ケインは最初はちょっと困った感じだったのだが、最後には笑って答えてくれた。
ん?日本にいた時のような?
「もしかして、ケインさんも日本から?」
「はい?そうですが?ここにいるメンバーは全員日本からこちらに来た人達ですね」
クーパーはマーチンと目を合わせる。
まさか、自分達以外に日本から来た人間がいたのだ。
その人達が、こんなすごい環境で生活している。
この時クーパーは、マットに入りたいと思うのだった。




