48話 共闘申請と遺跡
俺達は遺跡探索に向かっていた。
クーパーの城が見える場所まで来ると、マーチとノエルが挨拶とお礼に寄りたいと言い出した。
「そうだね。無事だった事も報告したいし、クーパーさんいるかな?」
そして、城門の前まで来ると、中に1人の女性が花の手入れをしているのが見えた。
「あっ、あの人は」
俺はその女性に声をかける。
「コウリュさん、先日はありがとうございました」
コウリュは、俺達を見ると
「あら?リブさん、お城は大丈夫でしたか?」
「お陰様でなんとか無事でした。その件でうちの参謀と外交官がお礼を言いたいと言うのですが、クーパーさんはいますか?」
コウリュはマーチとノエルをチラッと見ると、
「クーパーさんはお城にいます。よければ案内しましょうか?」
そう言って、俺達を城に案内してくれた。
「クーパーさん、リブさんが戻りましたよ〜」
コウリュは、玄関から大きな声でクーパーを呼ぶ。
「え?リブさん?大丈夫だったのですか?」
大広間から、クーパーが慌てて出てくる。
「ええ、無事守る事が出来ました」
俺は、心配そうなクーパーの顔を見ると、安心して下さいと言う。
「それは良かったです。それで、そちらのお2人は?」
俺の後ろにいるマーチとノエルを見ながら、クーパーが尋ねてくる。
「私はリブ様の参謀でマーチと申します。この度はご心配をおかけして申し訳ございませんでした」
「これは、ご丁寧にありがとうございます。それにしても、リブさんは参謀が2人もいるんですね?」
「軍事と外交の参謀がいるから、すごく助かってる」
「私はリブ様の外交官をしているノエルと言います。よろしくお願いします」
「あら?参謀とは別に外交官もいるんですね?」
「はい、実務は私がやってます」
クーパーは羨ましそうに俺を見ると、
「一体何人の配下がいるのかしら?」
「配下じゃなくて仲間だね。今は家族かな?」
クーパーの質問に、俺はそう答えるのだった。
「家族……いいですね」
クーパーも、自分達もそんな関係にしたいなと思うのだった。
その後、防衛戦の話や今後攻める城の話をしていると
「ねえ、私とマーチンもその戦いに参加させてもらえないかな?」
クーパーがそう提案してきた。
「え?それは別にいいけど……なんで?」
俺は、マーチ達の方に目線を向けると、不思議そうな顔をしながらも頷いている。
「それはね、私達はまだ戦争ってやつをやった事がないの。この街も偶然近くにあって話合いで統合しただけだし、今後の参考にしたいの」
クーパーが理由を語る。
「まぁ、そういう事なら歓迎しますよ。俺達は今から遺跡に向かうから、ケインに連絡して受け入れ体制を整えておきます」
「では、こちらの準備が出来次第マットにお邪魔させてもらいます」
俺は早速、ケインに通信をして、受け入れる準備をしてもらう。
「クーパーさん、大丈夫みたいなので、ケインを尋ねてください」
「ありがとうございます。それではまたリブさんのお城で」
そう言うと、俺達はクーパーの城を後にする。
城を出て、しばらく歩くと遺跡が見えてきた。
そして、遺跡の前まで行くと石作りの入口があった。
「よし、行こう」
そう言うと、3人で中に入って行く。
遺跡の内部は意外と綺麗で、奥に続く通路がある。
どこからか光が差していて、幻想的な雰囲気だった。
「綺麗ですね」
ノエルが周りを見回しながら、うっとりしている。
幻想的な通路を奥まで行くと、そこには木で出来た大きな扉があった。
その扉を開けると、壁がなく、狭い通路が奥に伸びている。
通路の下は底が見えないほど深く、風が上がってきていた。
「これ渡る?堕ちたらヤバそうだけど……」
俺は高所恐怖症という訳ではないが、それでもこれは怖かった。
しかし、通路の先には部屋らしきものも見えている。
「せっかく来たんですから、行きましょう」
ノエルは行く気満々だ。
「そうですわね」
マーチも渡ろうと言っている。
こういうところは、この姉妹は度胸がある。
「わかった、行こう」
俺は、そう言うと恐る恐る前に進むのだった。
下からは風が吹き上げていて、一歩間違えたら落ちそうだ。
「さっさと渡ってしまおう」
少し早歩きで狭い通路を渡ると、そこには部屋が広がっていた。
部屋の奥には、木箱が置いてある。
「宝箱じゃないんだ……棺じゃないよね?」
そんな事を考えていると、2人も渡りきって部屋に入って来る。
そして、木箱の前まで来ると、ノエルがその蓋を開ける。
木箱の中には、巻物と数枚の金貨、そして見慣れない石版が入っていた。
「この石版ってなんだろう?」
俺は、石版を手に取ると鑑定スキルを使ってみる。
鑑定結果は、ドラゴンの石版となっていた。
「なんか、この石版を集めたらドラゴンが召喚出来るみたいだよ?」
俺が、鑑定結果を伝えるとマーチとノエルが驚きながら
「ドラゴンですか?それは是非集めないとですね」
と、ノエルがノリノリだった。
「という事は、レアや魔法の遺跡には強いドラゴンの石版があるのかしら?」
マーチが冷静に分析していた。
「ここはノーマルの遺跡だからね。でもとりあえずノーマルで集まる石版を集めたいね」
俺達は、ドラゴンを召喚する事を想像しながら遺跡を後にするのだった。




