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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
異世界生活編
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4話 新しい施設と魔法

ケインと同盟を結んだ事で陽炎城に変化があった。


ケインがいた西洋風の城がこの陽炎城と合体したのだ。

合体と言ってもメインは陽炎城で、その城の隣に平屋の御殿ような建物が建ったのである。


中は20畳くらいの会議室のような部屋と、今はケイン用の執務室として使っている10畳くらいの部屋、後は6畳くらいの部屋が数個あるだけの建物だった。


他に変化が無いかと見て回る事にしたのだが、最初からある木で出来た小屋に入ってみたところ、複数の本とカバンが2つカウンターの上に置かれていた。


そのカバンを俺のスキルで鑑定してみると、魔法のバッグと書いてあり、中に無限に物を収納できるアイテムらしかった。


なので、その複数本をバッグにしまいケイン用の執務室に運んで、棚にまとめて置くことにしたのだ。

って、まだ棚は作って無いんだけどね……


今は床の上に積んである状態だ。


そして俺達は、今まさにその本を手分けして読むという作業の最中だった。

本の内容はこの世界に関する事が書かれていた。


「やっぱりモンスターがいるみたいだね」


手に取った本を見ながらケインに投げかける。


「そのようですね。盗賊などもいるようです」


盗賊がいるという事は、この世界に元々住んでいる人間がいるのだろうか?


「という事は普通に生活している人もいるのかな?」


俺はふと疑問に思っただけなのだがケインは興味深々だった。


「我々以外の、こちらに住んでいる者がいるのか調べてみたいですね」


調べると言ってもどこをどう調べるのか……

そもそも現状は城から出る事もできないのに………


俺的には、鍛治の材料がどこにあるのかが先なのだ。

なぜなら、風呂とトイレは早く欲しいのだ。


執務室の棚や机、そして椅子も作らないといけないので、やる事は山積みなのだ。


その為には、まず城から出ても安全な装備品が欲しい。

そして、鍛治をする為には魔法の使い方も知りたいのだ。


「リブ様!!ありました!!」


ケインが興奮してるけど、一体何があったんだろう?


「えっと……何があったの?」


ケインは深呼吸して、ふっと息を吐き出すと


「魔法の使い方です」


俺が欲しい情報を見つけてくれたみたいだ。


「それで?どうやって使うの?」


ケインは本を見つめていると思ったら、今度はそっと目を閉じると、何やらブツブツ呟く。

すると、次の瞬間辺りが光り出す。


「今のは?」


俺が驚きケインに尋ねると


「暗闇を照らす『ライト』という光魔法です」


懐中電灯のような魔法かな?


「これで夜でも安心?」


どこかのCMのようなノリでケインに聞くと


「いえ、どちらかというと洞窟や遺跡などで使う魔法みたいですね」


と真面目な答えが返って来た。


ん?


洞窟はわかるけど遺跡?

遺跡があるの?


それは、是非行ってみたい!!


俺も光魔法は使えるから『ライト』を覚えて遺跡調査に……


「しかし……遺跡の場所は地図が無いとわからないみたいです」


俺の考えを知ってか知らずか、ケインは遺跡調査はまだ難しいと言っている。


うーん……残念……まぁ焦らずゆっくり行こう。


それより今は魔法の使い方だ。


「それで、どうやって魔法を使うの?」


俺がケインにそう尋ねると


「簡単です。現在使用可能な魔法はこの技能の書に書かれています。そこに書かれてる魔法から使用したい物を選んで習得してしまえば、後は詠唱するだけで発動します」


え?技能の書?さっき俺が魔法を出そうとした時はそんなの書いてなかったけど?


どういう事だろう?


「使用可能じゃなかったのか……そもそも見落としたのか……」


俺が疑問を口にすると、ケインから驚くべき言葉が返ってきた。


「現在使用可能な魔法は、こちらの技能の書に書かれています」


え?新しい技能の書って事?

という事は、自分専用の新しい技能の書が小屋に出てたって事?


たしかにケインと会うまで、あの小屋には入っていなかった。

これからはちゃんと確認しよう。


「じゃあ、ちょっと、この技能の書を持って鍛治場で練習して来るよ」


俺はケインに鍛治場に行くと告げ、魔法の練習をしに行こうとした時だった。


「リブ様、鍛治場より訓練所の方が練習にはいいと思います」


訓練所?聞き慣れない場所の名前が出て来たのである。


「訓練所なんてこの城にあったっけ?」


俺は訓練所がどこにあるのかもわからないので聞いてみた。


「訓練所はこの施設の地下にあります」


平家建ての施設だと思っていた御殿のような建物は、地下にも部屋があったのだ。


「ここって地下があるんだ……知らなかった……」


ケインは本を片手に俺に向かって微笑むと


「私も先ほど知りました。こちらの本にこの施設の地図があったものですから」


と1冊の本を差し出した。

俺はその本を受け取ると中を見る。


「この施設って参謀本部って名前だったんだね」


そこには参謀本部の施設内の地図と各部屋の名称が書かれていた。


「そのようです。同盟メンバーが増えて役職を与える事で施設が増えるみたいですね。

後は、リブ様の建設スキルでも施設を作れるみたいです」


なんという事でしょう。

仲間が増える度に新しい施設が建つなんて!!


って……え?まだ同盟のメンバーって増えるの?

近くに城はなさそうだけど? 


とりあえず俺は魔法が先だと、地下の訓練所に向かうのだった。

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