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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
群雄割拠編
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46話 サリーの困惑

陽炎城の外、参謀本部の隣にある施設の中で2人の人物が作業をしている。


「それで?どんな兵器を作る予定なん?」


サリーは、兵器工場で両手を頭の後ろに組みながら、何かを作っている女性に尋ねる。


「この世界には無さそうな、日本のゲームで見た兵器が出来ないかなーって」


サリーに聞かれた女性は、そう答えると、

色々なパーツを作りながら、サリーの方を向く。


「日本のゲームって?まさか、魔導兵器とかやないよね?」


「ん?そのまさかよ?空を飛んだり、波動砲とか撃ちたいわね」 


この世界の攻城兵器とは、岩を飛ばしたり、城壁の扉を壊したりする物が一般的で空を飛んだり、ましてや波動砲を撃つなどあり得ないのだ。

それなのに、ミーシャという女性はこの世界に、日本でも空想でしかない兵器を作り出そうとしている。


「マジか!!波動砲って……ミーシャはん……何考えてますの?」


「え?この世界ってさ、思いついたら何でも出来ちゃうから」


「いやいやいやいや!!思いついたから言うて、作っていい訳やないで?」


「え?そうなの?」


「そらそうやろ?そんな事しとったら、こっちの世界が崩壊してまうで?」


「崩壊すればいいじゃない?」


「はっ??」


「どうせ変なスキルとか魔法とかで私達の常識が崩壊しているんだから、今更いいでしょ?」


ミーシャの言うことは正論だった。

サリーは平和な日本で生活していたせいで、それが自分の常識になっていた事に気がつく。


「せやな……確かに、リブ様の魔法も大概やしな」


「でしょ?だったらそれが兵器に搭載されていたって、なんの問題もないと思うけど?」


「せやけど、どうやって兵器から波動砲なんて撃たせるん?」


「それは、今考え中。魔法石にリブ様の爆裂魔法みたいなのをエンチャント出来ないかしら?」


「ワイは、まだエンチャントってやった事ないねんけど」


「まぁそれは後にして、まずは形からだな。人が乗れるようにしたいけど、動力がないのよね。私じゃエンジンとかの構造も知らないし、知識が全然足りない」


ミーシャは発想力はあるのだが、知識が足りない。

今までは、その知識を開発スキルで補っていたのだが、生活用品と兵器では勝手が違った。


「ねえ?サリーの役職スキルってどんな感じなの?」


「ん?知らん。使った事もなければ、見た事もないで?」


サリーは、リブから兵器工場の開発担当の役職を貰ったのだが、ステータスを見てもいなければ、使った事もなかった。


「え?何それ?」


「いや……あん時、戦争前でみんな忙しかったし……ワイの出番なかったし……」


「それじゃ、今見てみよ?」


「せやな」


そう言うと、サリーは本を取り出す。

そこには、いくつかのスキルが書かれていた。


「えっと、攻城兵器開発、魔法兵器開発、銃器開発、移動機関開発やて」


「ねえ、それってさ、上手く組み合わせれば魔導兵器が作れるんじゃない?」


サリーはミーシャの言葉に、本当に作れそうと思ってしまった。

それから、2人で設計図という名のラフ画を描くと、必要な部品をリストアップする。


そのリストアップした部品を、部位毎に仕分けして、ラフ画に照らし合わせていく。

ある程度部品が出来たところで、組立作業に入る。


魔導兵器の全体像は、丸い胴体下部に2本の足が付いており、その胴体の上に人が乗る形で、兵器が歩く感じになっている。

これは、ミーシャが日本にいた時にハマっていたゲームに出てくる魔導兵器を、そのまま形にしたものだった。

そのゲームはサリーもやっていたので、2人のイメージが一致したのだ。


「せやけど、これだと波動砲はどこから撃つん?そもそも、機関銃も付けれんけど」


「そっちは、また別の兵器に付ける予定」


「はっ?ほなこの兵器は何に使うん?」


「それは、私のロマン」


ミーシャがそう言うと、サリーは深いため息を吐くのだった。

そう、今作っている魔導兵器はミーシャの趣味で、実用性は皆無だったのだ。


「ほな、これは飾りでっか?」


「ううん、そのうち胴体のところに機関銃をつけて、近接用の兵器にしようと思ってる」


近接用の兵器にしては機動性が悪いと感じるのだが、今のサリーにはミーシャに意見する勇気はなかった。


「ミーシャはんって……めっちゃワガママでんな……」


「あら?ありがとう」


サリーは嫌味のつもりで言ったのだが、ミーシャに喜ばれてしまった。


「そんなら、実用性のある兵器はいつ作るんでっか?」


ミーシャの趣味のプラモデルを組立ながら、サリーが尋ねると


「それは、リブ様と相談してからかな?まずは、これを完成させて自慢したいの」


と、目的を見失った言葉が返ってきた。


「ほんまに……」


そう言いながらも、結局サリーも楽しそうに作業を手伝っている。

そして、ある程度完成した所で、休憩をしていると


「サリーさん、すみません。巻物を鑑定して欲しいのですが」


と、カイザー達が入って来たのだった。

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