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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
群雄割拠編
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45話 ギートの苦悩

ギートは、訓練所の自分の部屋で、机の上に座って悩んでいた。

弓隊の射程距離が短く、前回の防衛戦で思うような戦果を上げれなかったからだ。


射程距離が短いという事は、前線の乱戦にしか攻撃出来ない。

しかし、そうすると味方にも攻撃してしまう可能性があるので、結果として何も出来なかったのだ。


「どうにかして、射程距離を伸ばさないと……前線が衝突する前に、攻撃出来るようにならないと、弓隊は今後も活動する事が出来ないよ……」


だが、射程距離を伸ばすと言っても、どうすればいいのか全くわからない。

ギートの場合は、リブに役職をもらった時のスキルで射程距離上昇がある。


しかし、一般兵にはそんなスキルは無い。

今のところ、装備を強化するか、筋力を鍛えて弓を引く力を付けるかしか方法がないのだ。


現在、弓隊は3000人の兵士がいる。

これは、元々グラン城にいた兵士達で、新規の兵士はまだいない。

リブが、兵舎を建てると言っていたのだが、陽炎城が攻撃を受けた事で、建てるタイミングを失ってしまったからだ。


ちなみに、現在マットには騎兵が10000人、歩兵が1000人いる。

何故か騎兵が多いのだが、これはグラン城の城主が作った部隊編成なので仕方がない。


しかし、昨夜の雑談中にリブが弓隊の人数を増やすと言っていたのだ。

それが、今ギートが頭を悩ませている原因でもあった。


人数がいても、活躍出来ない兵士では、いないのと同じなのだ。


「装備を作るって言っても、サリーさんは今新しい兵器の開発で忙しいし……リブ様は遺跡に行っちゃってるし……どうしよう?」


完全に手詰まりだった。


「訓練の様子を見に来たのですが、何か悩み事ですか?」


すると、そこにケインが入って来た。


「ケインさん、実は弓隊の射程距離が短くて……今のままだと30mくらいしか飛ばないんです。でもそれだと前線部隊が戦っている所に、ランダムに打ち込む事しか出来なくて……」


「なるほどですね……では、こうしましょう。ギートさんは、兵士達の精度を上げる訓練をやって下さい。特に流鏑馬を重点的にお願いします。私の方で、サリーさんに重籐弓が作れないか聞いてみます。重籐弓が出来たら、それを使ってまた精度を上げる訓練をする。そうすれば、戦場でも戦えると思います」


ケインがそう提案してきた。


重籐弓とは、木材と竹を組み合わせ、それを「にべ」というニカワ質のもので接着し、

補強のために藤を巻きつけて作られた大弓のことである。 

有効射程は100mを越え、最大飛距離は400mもある。


それを後方から打つ部隊と、騎乗して弓を打つ流鏑馬部隊に分けようというのだ。


「しかし、今の弓隊に騎乗しながら弓を打てる人はいないですよ?」


「それでしたら、騎馬隊から5000人ほど移動させましょう。戦争では、騎馬隊は人数がいても邪魔になるだけですから。それに、昨夜リブ様も弓隊の人数を増やすとおっしゃってましたし、丁度いいのでは?」


ケインの助力で、ギートの問題が解決した。

これで、次回の戦いでは主戦力として活躍出来る。


後は、ミーシャとサリーが作っている攻城兵器と連携出来れば遠距離砲としては申し分ない。


「ケインさん、ありがとうございました。なんか、光が見えてきました」


「それは、お役に立てたようで良かったです」


ギートとケインは笑いながら、部屋を出て行くのだった。


訓練所に戻ったギートは兵士達を集めると、的当てを競わせる。


「今から、的当て訓練を行います。優秀な者は弓隊の小隊長を任せたいと思っている。小隊長になれば、リブ様にお願いして給金を上げてもらう。それに、リブ様より正式に小隊長の役職がもらえるかもしれない!!なので、各自真剣に訓練に励むように!!」


兵士達はざわめき出すが、今までとは違い、我こそはと目の色を変えて真剣に訓練を始める。

給金が上がるという事は、生活が楽になるという事だ。


マットの兵士達はリブから給金という形でお金をもらって生活をしている。

しかし、この世界のお金の価値がわからないリブは、セバスチャンと相談して金額を決めていた。


そして、その金額は兵士達にとっては、十分過ぎる金額だった。


なので、兵士達が必死になって訓練している理由は他にあった。

それは、リブから小隊長の役職がもらえるかもしれないという事だった。


もしこの街で、一般人の自分が役職をもらえれば、これ以上ない名誉であり、みんなに自慢できるレベルの光栄なのだ。


「すごい気迫だけど、そもそも小隊長なんて役職があるのかな?まぁいっか。リブ様に言って適当に作ってもらおうっと」


ギートは、自分で言い出したものの、そんな役職はないだろうと思っていた。

しかし、リブが適当に小隊長だと任命してくれるだけでいいのだ。


長く一緒にいて、リブの性格を的確に把握しているギートだから言えた事なのだ。

しかし、この発言で兵士達の訓練に対する士気が上がった事は間違いない。


そう思いながら、訓練の様子を見ていると


「ギートさん、少しよろしいでしょうか?」


とカイザーとネージュが帰って来たのだった。

仕事の都合で、次回の投稿が遅くなります。


ご了承ください。

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