39話 ドリーと決着!!
遡る事、数時間前、サリーを仲間にしてみんながツボっていて、会議どころじゃなかった。
俺達は、落ち着くのを待つ為に、2回目の休憩をいれていた。
休憩の間、特にやる事も無くなった俺は
とりあえず、仲間が増えたからと、城を出て木の小屋に向かうのだった。
相変わらず、木の小屋は変化していなかった。
中に入ると、カウンターに装備品と本、そしてパズルのピースが沢山あった。
あれ?これでパズルが完成しそう?
俺は、ウキウキしながら大広間に戻るのだった。
「パズルが完成しそうなんだけど、どこで召喚させよう?」
大広間に戻るなり、みんなに召喚する場所を確認すると、
「ついに、神獣かドラゴンが召喚できるんですか?」
と何故かミーシャがノリノリだった。
ミーシャさん……あなたアコライトで研究員ですよね?
狩りにハマり過ぎでは?
まぁ、ミーシャは生活用品をガンガン開発してくれているので、自分の仕事はちゃんとやってるからいいのか……
「それでしたら、訓練所ではどうですか?」
ケインが提案してくれた。
確かに、あそこなら広いし、仮にデカい神獣が召喚されても大丈夫そうだな。
「じゃあ、訓練所に行って来るね」
俺はそう言うと、訓練所に向かうのだった。
何故か、後ろからケインがついて来ている。
「ケインも、意外と好奇心旺盛だね」
俺がそう言うと、ケインが嬉しそうに笑った。
「では、リブ様。早速お願いします」
ケインはもう待ちきれないようだ。
俺は1つパズルを完成させると、召喚のスキルを使う。
すると、地面に大きな魔法陣が描かれ、ゴゴゴゴッと下から何かが上がって来る。
その神獣は完全に姿を現すと、ゆっくり立ち上がる。
「俺を召喚したのはお前か?」
鎧を着た大きな鳥が、俺に話かけてきた。
「ああ、俺がお前を召喚したリブ・クロートだ」
普通に会話をすると威圧に負ける気がしたので、強気に上から目線で話かける。
「ほう……俺の威圧に屈しないか。リブ・クロートと言ったか……なるほど、クロート家の人間か」
ん?
この神獣、クロートの由来を知ってる?
「なぁ、クロート家ってどういう事?勝手につけられたんだけど」
俺は、神獣に聞いてみる。
「なんだ?お前、自分が何者なのか知らないのか?」
「知らないというより、記憶がないという方が正確だな」
「ふむ……では俺の事もわからないのか?」
「ああ、知らない」
「はっはっは!!俺の事を知らないのにその豪気!!さすがはクロート!!気に入った!!」
鳥の神獣は大爆笑しながら、俺を気に入ってくれたらしい。
「俺は、ハリケーンバードのドリーだ。これからは、クロートに力を貸してやろう」
「なぁ、みんなは俺の事リブって呼ぶんだが、お前は何故クロートなんだ?」
「ふむ、いいだろう……記憶のないお前に教えてやろう。
俺達、神獣とドラゴンはいくつかの種族に分かれている。
ハリケーンバードも俺1人ではない。
だが、この世界の王家が全員、召喚を出来る訳ではない。
召喚が出来る王家はクロート家、シルバー家、シュバルツ家、アルジョンテ家の4家だけなのだ。
その4家と共にあの邪神龍と戦ったのだが、手柄を欲しがった他の王家に邪魔をされてしまい、我々はこの世界から消されてしまったのだ。
俺は、その戦いでクロート家と共に戦ったのだ。
その後の事は俺にはわからないが、今こうしてクロートに呼び出されたという事は、因縁だろう」
要するに、クロートって家名な訳か。
それに、ドリーも自分が消された後の事はわからないらしい。
「王と従者達は、時空の彼方に飛ばされたみたいだぞ?俺は別世界に転生していた所を、聖なるドラゴンに連れ戻されたって話だ」
セバスチャンから聞いた話をドリーに教える。
「聖なるドラゴン?ああ、 テュポーンか、まぁ、確かにそんな事が出来るのは奴だけだろう」
「でも、そのドラゴンも生命力を使い切ってしまったみたいだけどね」
「生命力ではない、神力だ。まぁ、奴も時間が経てば回復して復活するだろうさ」
聖なるドラゴンは復活するんだ……などと思っていると。
「ところでクロートよ、お前の隣の男は何者だ?」
ドリーにそう言われてふと隣を見ると、俺とドリーの会話をケインが興味深そうに聞いていた。
「私はケインと申します。リブ様の参謀をさせて頂いております」
ケインがドリーに深々とお辞儀をする。
「ほう……クロート家の参謀か」
ドリーは何やら考え事をしている。
「ところで力を貸してくれるって言ってたが、どうやって力を貸してくれるんだ?」
俺は考え事をしているドリーに聞く。
「おお!!そうだな、俺を戦闘時に召喚してくれれば一緒に戦ってやる。ただし、一度戦闘をすると神力の回復に時間がかかるから毎回は出て来れないぞ?どうしようもない時に呼び出すがいい。後、この指輪を付ける者であればクロートじゃなくても呼び出す事が出来る」
そう言うと、指輪が俺の指にはまる。
「では、また会おうぞ、クロートよ」
そう言うとドリーは消えてしまった。
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そして今、俺の目の前にアークがいる。
「なんとかなるかもしれない」
俺がそう呟くと、
「では、時間を稼ぎますわ。みんな、あいつにリブ様の邪魔をさせないように」
と、マーチが答える。
「「「了解です」」」
そう言うと、一斉にアークに攻撃を始める。
全員の総攻撃を受けた、アークは流石にそれに対応するだけで精一杯だ。
俺は指輪を取り出すと
『召喚!!』
と魔法を唱える。
次の瞬間、草原に大きな魔法陣が描かれる。
そこから、鳥の神獣『ドリー』がゴゴゴゴっと姿を現す。
「クロートよ、もう俺の出番なのか?」
「ああ、あいつには魔法も攻撃も効かないんだ。なんとかなるか?」
「ふむ、耐性持ちか……任せろ」
俺とドリーは、軽く会話を交わすと
「ではクロートよ、俺の攻撃に雷魔法を合わせろ」
「わかった」
そう、軽く打ち合わせをする。
「みんな、退避!!」
俺の声に反応する様に、攻撃をしていた全員がアークから距離をとる。
「なんだ!!そのデカい鳥は!!そんな物でこの我を倒せると思ったか!!」
アークがこちらに気づくが、お構いなしにドリーは大剣を振り上げる。
その振り上げた大剣に向かって
『ライトニングサンダー!!』
俺が極大の雷を落とす。
すると、大剣はその雷を吸収し金色に光り輝く。
『天罰の神雷剣!!』
ドリーはその大剣を、アーク目掛けて振り下ろす。
「そんなもの、受け止めてくれるわ!!」
アークはそう言うと、大剣を両手で挟み込むように受け止める。
しかし、ドリーの剣の勢いは止まる事なく、ドーン!!とそのままアークを地面に叩きつける。
「ぐはっ!!」
地面に叩きつけられたアークは、口から血を吐くとそのまま倒れ込み気絶してしまった。
「終わったな」
その瞬間、俺達の勝利が確定した。
そして、この戦いを影から見ている影があった事を、この時の俺達は知る由もなかったのだった。




