38話 腐っても鯛でした
俺達は、傷つき倒れている兵士達を横目に城門の前まで来る。
「き……貴様!!何をした!!」
アークが、城門の上から驚きの声をあげる。
「何って、普通に魔法で軍隊を壊滅させただけだよ?」
俺は、ありのままを答える。
「まぁ、普通やおまへんけどな……」
サリーが俺に小声で呟く。
「それで?アーク、まだやるかい?」
俺が降参しないか?と提案すると
「舐めるな若造!!俺はこの国の王になるアーク・オードリー様だ!!」
大声でそう叫びながら、城壁の上から飛び降りる。
そして、ドシンッと大きな音を立てて着地すると、俺の方を睨む。
「あれって、骨とか折れないのかな?」
俺が、隣にいるマーチにそう言うと
「脳筋の筋肉バカだから、大丈夫なんじゃないですか?」
と、毒を吐いている。
「お前ら全員、ぶっ殺してやる」
アークはそう言うと、
全身の筋肉を硬直させるかの様に力を溜める。
「俺は、巨人の格闘家だ。そして、全属性魔法の耐性を持っている。お前の魔法など効かんぞ!!」
と、聞いてもいないのに丁寧に説明してくれた。
「ケイン、カイザーあれ止めれそう?」
俺は、タンクの2人に確認する。
「お任せください」
「前回の様な失態は犯しません」
2人ともやる気だった。
「ここからが本番だな。行くぞ!!」
俺の号令と共に、アークとの戦闘が始まる。
「ウォー!!」
と、アークが雄叫びと共に突っ込んで来る。
『ヘビーボディ!!』
ドシンッと、ケインが大盾でその攻撃を受け止めると、
『マグナムアタック!!』
横から、カイザーが攻撃を仕掛ける。
しかし、アークはその攻撃ではピクリともせず、
『パワーアックス!!』
両手を頭の上に組むと、そのままケインに振り下ろす。
ケインも、大盾を上に向けて防御しようとするが、力負けしてしまい膝から崩れ落ちる。
『回転剣!!』
『かかと落とし!!』
『ヒール!!』
ロイとネージュがそこに攻撃を仕掛け、ノエルがすかさずケインを回復する。
しかし、その攻撃もアークには通じなかった。
『震烈脚!!』
アークは、そのままロイとネージュに回し蹴りをするとその風圧だけで、2人は弾き飛ばされる。
『隠れ身!!』
『ダブルアタック!!』
マガストールが、隠れてアークの背後に回ると、チャコがそれを援護する様に攻撃を仕掛ける。
アークが、チャコの攻撃を右腕で受け止めると、マガストールが背後からアークをガシッと掴む。
そして、そのままジャンプすると、
『パワーボム!!』
アークの体を逆さまにして、頭から地面に叩きつける。
アークは、ズドンッと地面に叩きつけられて砂煙が上がる。
「やったのか?」
俺達がそれを見守っていると、だんだん砂煙が消えて行く。
そして、完全に砂煙が晴れると
「これは少しは効いたな」
と、そこには頭を振りながら立ち上がるアークがいた。
「マジかよ……」
「化け物ですわね」
俺とマーチは、絶対に倒したと思っていたのでかなり驚いた。
「はっはっは!!魔法耐性だけだと思ったか?攻撃耐性もあるに決まっているだろう?」
予想はしていたが、俺と一緒で各種耐性は持っているみたいだ。
まぁ俺の場合、盟主に覚醒した時に耐性から無効に変わったんだけど……
しかし、
うーん、どうしよう?
「リブ様、このままではジリ貧ですわ。何か手を打ちませんと」
マーチもこの状況を打破する方法を考えていた。
あれ?もしかしたら……
俺は、ある事を思い出す。
それは、ここに来る前の会議中の、2回目の休憩中の事だった……




