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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
異世界生活編
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35話 新たな火種

陽炎城に戻ると、全員無言のまま風呂場に向かう。


その重い空気を察したのか、玄関で出迎えたセバスチャンとアイーナも無言で頭を下げるだけだった。


風呂に入ると、カイザーは頭から勢いよくシャワーをかけて上を向いたまま、

マガストールとロイも頭からシャワーを当てて、バシャバシャと勢いよく顔を洗っていた。


「今回の経験は、彼らにとってとても重要な事だったと思います」


湯船に入った俺の隣で、ケインがそう言った。


「今まで順調だったからね、今回はみんな相当悔しかったと思うよ?」


俺も、それに答える。


「はい、しかしこれで今後は慢心する事もなくなるでしょう」


ケインはそう言うと、また無言になってしまった。


風呂から出ると、無言のまま食事を摂ると、みんな自分の部屋に入って行った。


翌朝、大広間に行くとマーチとミーシャが笑いながら話をしていた。


「おはよう。ミーシャ、もう大丈夫?」


「おはようございます。ええ、いつまでも落ち込んでられないですから」


俺が挨拶をすると、ミーシャも笑顔で返してくれた。


「それにしても、セーフティウォールはみんなが動けるか、近くにいる時しか使えないですわね?」


マーチが、ミーシャに話の続きを始める。


「ええ、あんな弱点があったなんて、これからは気をつけないと」


どうやら、マーチとミーシャは昨日の反省をしているようだった。

昨日の今日でもう反省会が出来るとは……女性って怖いな……


目の前に朝食が並べられるのを見ながら、俺はそう思うのだった。


「おはようございます」


その時、入り口からケインが挨拶する声が聞こえた。


「おはよう、岩山が無くなったから今日から狩りはどこでやろう?」


俺は、ケインに挨拶しながら、今後の狩り場を聞く。


「そうですね……狩りも大事なのですが、そろそろ城攻めに関して考える時が来たかと思います」


ケインが、座りながら答える。

確かに……王になるには、他の城を攻め落とさなければならない。

今の俺たちには、その知識が全くなかったのだ。


「そうだな、手始めにあそこでも攻めてみる?」


俺は、前回攻撃して来たあの城を攻める相談をする。


「そうですね、あの城がある以上、またいつ攻めてくるかわからないですからね。脅威は取り除いておくのもいいかと」


ケインが珍しく話に乗って来た。


「じゃあ、今日は攻城戦の打合せでもしようか」


「リブ様!!」


おぅ!!びっくりしたな〜もう!!

突然、背後からカイザーに声をかけられて、飛び上がりそうになった。


「おはようカイザー、ちゃんと寝れた?」


「全く寝れませんでした……寝ずに考えて、自分なりに結論を出しました。

私は、少しでも強くなるために特訓がしたいです。しかし、訓練所では練習になりません……何かいい方法はないでしょうか?」


カイザーは真面目だな〜

そう思った時に、ある事を思い出す。


「ねえ?そういえばカイザーってさ、モンスターテイムってスキル持ってなかったっけ?

それで何かテイムして来て、軍事施設で訓練してみたら?」


俺が、カイザーにそう提案すると


「それはいい考えですね!!早速行ってきます!!」


カイザーはそう言い残すと、急いで城から出て行った。


「岩山が無くなった今、彼は一体どこに行ったんだろう?」


俺が、疑問を口にすると、


「確かにそうですね?カイザーさんは面白い方ですね」


とケインが笑いながらそう言った。

そのやりとりに、マーチとミーシャは「確かに」と大爆笑していた。


「それで、リブ様?攻城戦の打合せはどうするのですか?」


ミーシャが、笑い過ぎたせいで流れた涙を拭きながら、俺に聞いて来た。


「参謀本部の2階でやろう。あそこなら本も沢山あるし」


そう言って、場所を移動しようとした時だった。


「リブ様、先程グラン城の使者を名乗る方から手紙をお預かりしました」


セバスチャンが、俺の前に1通の手紙を差し出してきた。


セバスチャンから受け取った手紙には、自分の仲間を返せと書いてあった。

差出人はチャコ達の城主だった人か。


「4人を返せってさ」


俺は、手紙の内容をケイン達に伝える。


「戻る気はないですよ?」


「私も嫌です」


いつの間にか大広間の入り口に、チャコとネージュが立っていた。


「リブ様、それでしたらそのグレン城と言うのを燃やしてしまえばいいのですわ」


マーチが、チャコ達がやられた事をやり返せばいいと言っている。


「そうですね、攻城戦の練習にもなりますし、私も兵舎というのが気になります」


ケインも、賛成している。


「じゃあ、全員集まったら相談しよう」


ロイ、ギート、マガストールがまだ起きて来ていないし、カイザーは行方不明中なので全員でしっかり決めてから攻城戦の打合せだ。


とりあえず、チャコ達にグラン城の情報を聞きたい。

と思っていたのだが、


「今、マガストールが地下の通路を使って偵察に行ってますから、その後でもいいですか?」


と、チャコに言われた。

マガストールが偵察中?仕事が早過ぎない?


たった今、手紙の内容を伝えたばかりだよ?


「先程、見た事のある人物を見かけたので、もしかしたらと思って」


さすがは隠密、という事か


「そういえば、ロイとギートはまだ寝てるのかな?ノエルもまだみたいだし」


まだ、3人を見ていないから聞いたのだが


「あの3人なら、朝早くから訓練所にこもってますよ?」


ミーシャが教えてくれた。

みんな、昨日の敗戦がよっぽど悔しかったみたいだ。


「お待たせしました」


そんな話をしていると、マガストールが戻ってきた。


「セバスチャン、悪いんだけど訓練所にいる3人を呼んで来てくれないかな?」


「かしこまりました」


俺は、セバスチャンに3人を連れて来るように頼む。


「では、私は参謀本部に行って必要な本を取ってきます」


「私も一緒に行きますわ」


ケインとマーチが、本を取りに参謀本部に行くと言って2人で出て行った。


「さて、みんなが集まるまでちょっと待とうか」


俺が、そう言うと


「そういえば、カイザーはどこに行ったのかな?」


ミーシャが、笑いを堪えながら聞いて来た。


「カイザーなら、グラン城の近くにできた森に入って行くのを見ました」


マガストールが答える。


「森か、ケンタウロスでもテイムするつもりなのかな?」


俺は何気なく言っただけなのに、ミーシャはまたしても爆笑し始めた。


「ミーシャ、明日の朝には腹筋がシックスパックになってそうだな」


俺がそう言うと、チャコとネージュも大爆笑している。


「それは……勘弁……」


ミーシャは笑いながら、必死に抵抗していた。

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