31話 ある意味1番チートなのは?
大広間に戻ると、メイド達が忙しそうに働いていた。
「リブ様、申し訳ございません。今しばらく時間がかかりますので、お先にお風呂にお入り頂けますでしょうか?」
アイーナが申し訳なさそうに言う。
「ああ、いいよ。慌てなくていいからゆっくり支度して。美味しいものが食べたいし」
俺達は、先に風呂に行く事にした。
「お風呂?ここにはお風呂があるの?」
チャコが、不思議そうに聞いてくる。
「ええ、リブ様が作ったお風呂がありますわ?それにトイレもありますよ?後、昨日ミーシャさんがシャワーやジャグジーも作ってくれましたし。快適ですわよ?」
マーチが、チャコとネージュに説明しているのだが……
シャワーにジャグジー?
ミーシャさん……あなたこの3日で、一体何をどれだけ開発したんですか?
すごいドヤ顔で、こっちを見ているミーシャに聞くのが怖くなった。
「すごいです!!」
ネージュが感動していた。
そして、風呂場に入ると脱衣所には大きな鏡と流し台、そこにドライヤーが3個置いてある。
ここは、どこの銭湯か温泉ですか?と聞きたくなるほど充実していた。
「そのうち、コーヒー牛乳とか買える自販機とか出来そう」
そして、風呂場には見慣れない木の部屋がある。
「まさかとは思うけど……あれってサウナ?」
「恐らくは……」
流石のケインも呆気に取られていた。
ま……まぁ、快適に生活できる事はいい事だ。
今後、ミーシャが何を作り出すのか非常に怖いが……今更言っても仕方ないので程々にと言っておこう。
風呂から出ると、大広間に食事の支度が出来ていた。
そういえば、この世界ってお酒はないのかな?
「ねえ?この世界にお酒ってないのかな?」
酒場が出来たって事は、酒もあるって事だよね?
そう思い、何気にセバスチャンに聞いてみる。
「もちろんございます。リブ様はお酒を嗜むのですか?」
おっ、やっぱり酒があった。
「うん、できれば飲みたいな」
俺がそう言うと、セバスチャンは近くにいたメイドに声をかける。
そして、メイドは急いで城から出て行った。
「ケインは飲まないの?」
と、隣にいるケインに聞くと
「少しであれば、頂きたいですね」
と、すごい飲みたそうな顔で言われた。
うん、ケインも飲みたいんだね。
そんな話をしていると、いつもの見慣れた白い顔の女性陣が戻って来る。
「リブ様?お酒がどうとか聞こえましたが?」
マーチが、パックのせいでまともに開かない口で、ハッキリと酒を要求して来た。
「今、メイドさんが買いに行ってくれてるから待ってて」
「でも、このお城はすごいですね!!執事さんやメイドさんもいる上、お風呂にトイレ、食事にお酒ですか?」
今まで、無言だったカイザーが驚いている。
「すみません、今の今まで向こうのお城と違い過ぎて、カルチャーショックを受けていました」
なるほど、それで無言だったわけだ……
ん?と言う事はもしかして、マガストールも?
「私もこちらに来てから、見るもの全てに驚きすぎて声が出ませんでした」
ああ〜やっぱり……
「部屋もあるから……」
そこまで言って俺は気がつく
そう、布団とベットがない
「ちょっと鍛冶場に行って来る!!」
俺は、そう言い残すと走って城を出るのだった。
鍛冶場に着くと、大急ぎで4人分の布団とベットを製造する。
が、クリエイトのスキルは凄かった。
今まで作った事のあるアイテムは、まるでコピーするかの様に同時に4個作れてしまったのだ。
城に戻ると、そのまま2階の部屋に行き、ベットと布団を並べる。
そして、俺が大広間に戻ると、ちょうどお酒が並べられている所だった。
これはビール?茶色で泡がある液体の入ったガラスのジョッキが並べ……ん?ジョッキ?
なんでジョッキがあるの?
そう思っていると、ミーシャがにやけている。
「ミーシャさん?」
俺は名前を呼んだだけなのに、ミーシャが偉そうに胸を張る。
「もういいよ……ある意味、ミーシャが1番チートだよ……」
俺はもう、全てを諦めた。
その様子を見ながら、みんなが笑っている。
「じゃあ、新しい仲間達に乾杯しよう!!」
俺がジョッキを高く上げると、全員がジョッキを掲げる
「「「乾杯!!」」」
発声と共に、ジョッキの中身を一気に喉に流し込む。
この世界に来て、初めての酒はほろ苦い中にコクがある、正しくビールのような味だった。
その夜は、歓迎会という事でセバスチャンやメイド達にもお酒を振る舞い、大宴会になったのだった。




