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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
異世界生活編
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26話 住民とスピーチ

セバスチャンから話を聞いた事で、やっとこの世界での目的がはっきりした。

まずは、この国の王になる事が最初の仕事らしい。


とはいえ、戦争とかどうやってやるのかわからない。


俺は、大広間に1人で残っていても仕方ないので、新しく統合した街を見て回る事にした。

内門をくぐり街に出ると、街の中は活気に溢れていた。


「すごい賑やかだな、店とかあるのかな?」


とりあえず、お金は魔法のバッグに入っているので、何か買い物をしようとフラフラ歩く事にした。

すると、賑やかだった街の中が急に静かになる。


全員が道路の脇に跪いて、下を向いている。

え?俺が歩くだけでこれじゃ、買い物出来ないじゃん……


「えっと……みんな顔を上げてくれないかな?俺にそんなに敬意とかいらないから……普通に生活して欲しいんだけど?後、これからも、もっと気楽に接してくれないかな?これじゃ気軽に買い物が出来ない……」


俺が街に出る度にこの状態になられたら、気軽に出歩けない……


すると、跪く住民の一角から、女性と男の人が立ち上がる。


「みんな、城主様がそうおっしゃているんだから普通にしようじゃないか?」


女性がそう言うと、周りで跪いている住民達は恐る恐る顔を上げて、俺の方を見る。


「そうそう、全く気にしなくていいよ?俺もみんなとフレンドリーに話とかしたいし、配下とはいえ、住人はみんなもうマットの家族だから!!」


俺はそう言うと、自分で言ったセリフに顔から火が出そうになりながら、それを誤魔化すように微笑む。


と、住民達が一斉に立ち上がり大喜びし始めた。

すると、どこからともなく歓声が起こり、最終的には『リブ様』コールが起こる。


うん……めっちゃ恥ずかしい……

誰か止めてくれないかな?などと思って先程の女性を探したのだが、もうそこに彼女達の姿はなかった。


すると


「さすがはリブ様、もう住人の心を掴みましたか」


と、俺の後ろから声がした。

その声に振り返ると、そこにはケインとセバスチャンが立っていた。


「とりあえず、このリブ様コールを止めてくれないかな?めっちゃ恥ずかしい」


俺がそうお願いすると、


「リブ様が、お困りです!!みなさん、嬉しいのはわかりますが、その辺りで!!」


セバスチャンが俺の前に出ると、みんなを宥めてくれた。


「セバスチャンありがとう」


騒ぎが終息すると、俺はセバスチャンにお礼を言う。


「いえいえ、私も一緒に騒ぎたい所を堪えながらですので」


と、セバスチャンは真面目な顔で怖い事を言っていた。


「リブ様、せっかく街まで来られたのですから、住人達に挨拶をお願い出来ないでしょうか?」


ん?挨拶?今したよね?まだするの?

俺がそう思っていると、


「リブ様より、挨拶を賜りたいと思います。手の空いている者は広場に集まるように!!」


またしても、セバスチャンが大声で怖い事を言い出した。

そもそも広場ってどこ?


混乱して固まっている俺を横目に、セバスチャンとケインが歩き出す。

俺も仕方なく2人の後ろをついて行くのだった。


すると街の中央の噴水がある広場に着いた。


そこにはスピーチ台が置いてあり、その前に大勢の住人が集まっていた。

セバスチャンがその台に登ると、


「それでは、これより新たに我々の主となられたリブ・クロート様よりお言葉を頂きます!!皆、静観して聞くように!!」


集まっている住人達にそう告げると、ザワザワしていた住人達が一斉に静かになった。


「では、リブ様お願いします」


俺の隣で黙っていたケインが、俺を台の上に行くように言うと、


「リブ様、苦手なのは承知していますが、ここは盟主としての威厳が必要ですので、少しだけで構いませんので城主らしい言い方でお話をしてください」


ケインが俺の耳元で、小声でそう囁く。


え?俺、そういうのめっちゃ苦手なんですけど?

そもそも、城主らしい話し方って何?


まぁ、適当に話をしてさっさと買い物をしよう。

俺は、そう思いながらスピーチ台に登る。


「コホン……えっと、俺が陽炎城の城主で、この同盟都市マットの盟主のリブ・クロートだ!!

ここにいるみんなは、はじめましてになる訳で、急に来た俺がいきなり盟主だ!!とか言われても困るかもしれない。

でも、これからこの都市の発展と繁栄には、みんなの力が絶対必要だ!!

だから、今後は是非とも俺達に協力して欲しい!!

さっきも言ったけど、俺はこの都市の住人は全員、等しく家族だと思っている!!

俺が付けたこの都市のマットという名前は『最も魅力的な領土』という意味だ!!

だから、みんなの力でこの都市を、この世界で1番魅力的な場所にしたい!!

よろしく頼む!!」


俺が頑張ってスピーチを終えると、一瞬の静寂の後、

『ワ〜〜〜!!!!』という歓声が地鳴りのように街中に響き渡る。


俺はその歓声の中、顔が火照るのを感じながら無言でスピーチ台を降りるのだった。


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