23話 転移は城を変える
俺が変化して驚いている間に、メイドさんがお茶をいれてくれた。
俺は、落ち着く為に椅子に座ると、そのお茶を飲む。
あ〜お茶が美味しい。
決して、現実逃避じゃないよ?
「リブ様、スキルはどうなったのでしょうか?」
ケインが、椅子に座り直すと何事もなかったかの様に聞いてきた。
「えっと……」
俺はそういと、ステータスが書かれた本を開く。
とりあえず、メインのスキルに変更はなかった。
ただ、盟主スキルが追加されていた。
盟主スキル : 君主覇気、礼節向上、人心掌握、統治、魅力向上、王の加護
と書かれていた。
そして、隣のページに見慣れない魔法陣が浮かんでいた。
「これなんだろう?」
俺はその魔法陣に手をかざしてみる。
すると、また体が光出す。
見た目は……変わってないみたいだな。
隣に置かれたままの姿見を座ったまま確認したが、変化はなかった。
しかし、ステータスの本に変化があった。
メインスキルが名前が変わっていたり、新しいスキルが追加されていたのだ。
名前変化スキル : ドラゴン・神獣召喚、クリエイト、同盟都市建設、全属性魔法使用、近接攻撃無効、遠距離攻撃無効、魔法攻撃無効、状態異常無効、精神攻撃無効
追加スキル : 魔法複合、精霊魔法使用
魔法複合 : ライトニングサンダー、サンダーストーム、ウォーターバスター、ウォーターストーム、ファイヤーストーム、クリムゾンロック、
精霊魔法 : エクスブロード、アースクエイク、エアブラスト、トールハンマー
称号はモナークになっていた。
なんとなくチートっぽいのはわかるけど……
その内わかる時が来るだろう。
「リブ様も盟主になられましたので、続きまして、この世界のご説明を……」
「あっそれは、ちょっと待って」
セバスチャンが説明を始めようとしたのだが、それを俺が遮る。
「リブ様どうされました?」
ケインが不思議そうに聞いてくる。
「いや、その話は城に残っているみんなにも聞いて欲しいかな?って、それにマーチ達も向こうで待ってるだろうし」
「確かにそうですね」
俺の考えに、ケインも納得してくれた。
「まずは城を移動させてから、もう一度話を聞きたいけどいいかな?」
俺がそう、セバスチャンに確認すると
「ご主人様の御心のままに」
と、なんか堅苦しい返事が返ってきた。
「じゃあ、街の外に出て移動しちゃおうか」
俺が席を立とうとすると、
「ご主人様、この街は陽炎城に統合されますので、このまま転移の書をお使いください」
と、セバスチャンが意味不明な事を言っている。
このまま転移の書を使ったら、統合どころか城に押しつぶされて街が潰れるんじゃないの?
この街にいる人達も潰れちゃうよ?
「ご心配には及びません」
セバスチャンは自信満々にそう言うのだった。
どうなっても知らないよ?
俺は転移の書を開くと、魔法陣に手をかざす。
次の瞬間、眩しい光が辺りを包むと、ドシンという音と共に地震の様な振動が起こる。
「成功にございます」
セバスチャンが、微動だにしないでお辞儀をしている。
「とりあえず、ここから出て見てきてもいいかな?」
俺は屋敷から出て、どうなったのか見に行く事にした。
ケイン達も気になるのか、一緒に出て来た。
「うぉ!!何これ?」
屋敷の外に出て、思わず叫んでしまった。
そこには、遠く離れていたはずの見慣れた陽炎城があった。
街は統合されていて、各家も綺麗に配置されている。
というか、陽炎城の城下町が大きくなっているのだ。
今までの外側の城壁と内門の間に更に城壁ができていて、そこに街がある。
畑はそのまま外側の城壁のすぐ内側にそのまま残っていた。
街から城に行くには内門を通って、各施設が並んでいる場所を通らないと行けないようになっている。
内門の中の施設は、俺が配置した状態のまま、変わっていなかった。
「なんかすごいな」
「これは、予想以上でした」
「リブ様、まずはお姉ちゃん達の様子を見て来ないと」
驚いて呆けてしまっている俺とケインに、ノエルがそう促す。
「そうだった!!一度城に戻ろう」
「それでしたら、セバスチャンさんも城に来てもらってそこで説明を聞きましょう」
俺とケインはそういうと、セバス達を連れて城に戻るのだった。




