21話 その伝言は謎解きですか?
翌日はギートと一緒に岩山に行き、収集と狩りをする。
その日は特に変わった事もなく1日を終え、ケイン達が帰って来る日になった。
「ただいま戻りました」
朝食の準備をしてる時にロイが戻って来た。
「おかえり、ってあれ?ロイ1人?」
大広間に入って来たのはロイだけで、ケインとノエルの姿が見えない。
「はい、ケインさんとノエルさんは向こうの街で待ってます」
ん?待ってる?誰を?
「伝言を伝える為に、私だけ戻ってきました。私は移動速度上昇のスキルがありますので」
なるほど、ロイのスキルで1人だけなら早く戻って来れると言うことか。
「まぁとりあえず朝食にしよう、卵と肉があるぞ?」
昨日、岩山で狩りをしている時に、鳥のモンスターを倒したら卵がドロップしたのだ。
「卵と肉ですか!!」
ロイも興奮している。
この世界に来て初めての卵料理は、もちろん目玉焼きだ。
「美味しいな……」
「日本の卵と変わらないわね」
「もっと調味料も開発しなきゃ!!」
「ハムエッグじゃなくて、肉エッグですね」
「幸せです……」
各々に感想は違うが、思っている事は同じだろう。
全員、ほぼ無言で朝食を食べ終わるとロイの話を聞く。
「さて、街の方はどうだった?」
「はい、こちらの世界の住人が沢山いました。ケインさんとノエルさんが代表の方と話合いをしまして、こちらの配下に入りたいとの事でした」
ん?
配下に入る?
貿易をするとかそう言う話じゃなくて?
「えっと……配下って俺達の?」
「その通りですが?」
ロイは不思議そうに俺を見る。
ってなんで不思議そうなの?
その発言は『当たり前じゃないからな!!』
と、どこかで聞いた事があるセリフが出そうになる。
「ロイさんよろしいですか?」
マーチが間に入ってくる。
「配下になるとは、街の住民全てがリブ様に従うと言うことかしら?」
マーチもいまいち状況が把握出来ていないらしい。
「はい!!それで今ケインさん達が向こうで待っていますので、リブ様を連れて来て欲しいとの事でした」
えっと……
街の住民全てを配下にするってどれだけの人がいるの?
そんな人数を養うだけの甲斐性は俺にはないけど?
「それで?ケインは俺だけを連れて来いって言ってたの?」
「はい、他のみなさんは城の安全な場所にいて欲しいとの事でした」
俺以外は城の安全な場所にいてくれって?
やはり、いまいち意味がわからない。
「ふふふ、リブ様、私はわかりましたわ」
マーチはケインの意図を理解したようだ。
なんか俺、馬鹿にされてない?
「ほ……ほう、では聞きましょうマーチさん。ケインは一体何をしようと?」
未だに理解出来ていない俺に説明してください。
「転移……ですわね?」
マーチは、ロイに合っているか確認する。
「はい!!ケインさんから街の近くに城を転移させて欲しいと言われました」
ケイン……あなたは伝言係の人選を間違えましたね……
「ロイ……今度から要点はわかり易く手短に説明してくれ……」
移動速度だけ考えればロイが適任なのだが、説明が下手だった。
「わかりました!!」
まぁ……今後の課題という事にしておこう。
「えっと……ロイの話を要約すると……話合いの結果、街の住民が全員俺の配下になるから、俺が街まで行って城を転移させて欲しいって事でいいのかな?」
「そう言う事です」
「そうですわね」
ロイとマーチが頷いている。
「じゃあ、街まで行ってくるから、マーチ達は城の安全な場所で待機しておいて」
俺はそう言い残すと、ロイと一緒に街まで向かうのだった。




