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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
異世界生活編
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1話 城から始まる異世界生活

天守閣に着いた俺は、とりあえず周りをぐるりと囲むベランダの様な場所から外の様子を伺う。

もしかしたら実家のある集落か山の下にある町が見えるかもしれない。


しかし、その期待に満ちた眼差しは脆くも崩れ去るのであった


見渡す限り広がる草原、

反対側には静かな海。


うん!! とっても綺麗!!


…………………


じゃなくて!!!!


どう考えてもここ異世界か何かだよね……


実家の近くに海なんてないし、

そもそも草原って……


山道を歩いて来たはずなのだから、

一面に草原が広がっているはずがないのである。


というか、異世界転生とかゲーム内に入っちゃう系って、何かしらのきっかけがあって神様やらスキルやらが状況とか何をしたらいいのか、とか教えてくれるんじゃないの?


本が2冊あるだけで設定の事しか書いていない。


って!!


すごく雑じゃない?


そういえば、言語認識スキルを手に入れた時に声がした気がする。

スキルが教えてくれる系のやつか?


それなら!!


と、思いたったが吉日とばかりに

天守閣の小さな台の上に置いてある1冊の本を手に取る。


本を開くと【城の名前】と書かれているが、書き込む所はない。

代わりに、先ほどの魔法陣が描かれたページがある。


頭の中で念じる系?


迷っていても仕方がないので、城の名前を適当に考えてみる。


「うーん、城か〜」


名⚪︎屋城とか姫⚪︎城とかありそうな名前を思い浮かべてみたが、

そもそも、この土地の地名がわからないので却下する。


日本風の城だから…… 伊達城? 大和城?

自分の名前から取ろうと思ったがやはりピンとこない。


「どうしよう?」


そういえば、自分の名前も種族も決めるって書いてあったな。


ならば、先に名前と種族を考えておいてそれに合った城の名前にすればいいのでは?


「名前と種族か〜」


そこでふと、【技能の書】を読んでいない事を思い出す。

この世界にどんな種族があるのかわからないのだ。


「見てみるか」


そう呟くと【技能の書】の種族のページを開いてみる。


そこには、ファンタジーな世界でよく見かける種族の名前がずらりと並んでいた。


【人間】、【獣人】、【エルフ】、【龍人】、【巨人】、【鬼人】


主にはこの6種族で、職業で枝分かれしているみたいだ。


って……これ何かのゲーム?

見れば見るほどわからない。


とりあえず【人間】がいいな。


そして種族を選ぶと、頭の中で強く念じるように人間と思ってみる。

すると、魔法陣が光り続いて職業が書かれているページが開く。


あれ?言語認識スキルを習得した時に教えてくれた声が聞こえない……


全部決めないとダメなのかな?


職業のページには


【剣士】、【騎士】、【回復士】、【魔術師】、【隠密】、【生産職】、【狩人】、【格闘家】


と書かれていた。


「全部魅力的だけど、これにしよう」


この世界がなんなのかわからないけど、自分なりにやってみたいという職業を選択した。

性別はもちろん男だ。

すると自動的に名前を決めるページが開く。


「だよな……」


俺はゲームをやる時でも、主人公の名前を考えるのが苦手だ。

職業に合った名前にしたいと思うものの、いい名前が浮かばない。


本名が固いから親しみがある名前がいいな〜


自分の名前が、いかにも日本男児みたいな名前なので

できればもっと、ファンタジー系の名前にしたかった。


「そういえば、インド神話の技能の神にリブっていう名工の神様がいたな〜」


なんて考えていると、本が光り出しあの声が聞こえてきた。


『あなたの名前はリブです。』


ん?


なんか、勝手に名前を決められてしまった。


ってなんで?

もしかして頭の中で考えたから?


お願いします……誰か……どんな小さな事でもいいので……教えてください……


パニックを通り越して、神頼みしたくなる。

すると突然、本の魔法陣が光り出す。


これはもう諦めるしかないやつか………


そして全ての登録が完了したらしい。

ステータスらしい文字が本に浮かび上がった。


名前 : リブ・クロート

種族 : 人間

職業 : 生産職

性別 : 男

基本スキル

武器製造、防具製造、アイテム製造、エンチャント、建設、召喚、鑑定

斧・ハンマー系武器装備、炎系魔法使用、風系魔法使用、水系魔法使用、

土系魔法使用、光系魔法使用、闇系魔法使用、全属性耐性


これが俺のステータスらしい

なんとなく、スキルがチートっぽいけど……


建設まではギリギリいいとしよう。生産職だからね


召喚って何?


エンチャントや鍛治に必要な、全属性魔法使用や全属性耐性は納得するよ?


でも召喚って何?召喚して何を作るの?


後は、HPとかMPみたいなステータスがないのはどういう事?

謎しかないステータスを見ながら、城の名前を考えるのであった。


そして、ふと外の景色を見ていると、草原が太陽の光でキラキラ輝き、

風に揺られて、まるで燃えているかのようだった。


「まるで陽炎みたいだな」


そう呟くと、またしても本が光り出した。


『城の名前は陽炎城です』


どうやら、俺の城の名前は【陽炎城】に決まったらしい……


名前をリブ・クロートとか、本に勝手に決められた経緯から察するに

やはり頭の中で考えたから?


ん?そういえばクロートって何?

リブだけじゃなかったの?

なんて思っていたら、今度は城が揺れ始めた。


「うわっ!!地震?」


ゴゴゴゴッと揺れたかと思うと、今度はドンッと何かが落ちる音。


立っていられなくなって、畳の間に叩きつけられた俺は

揺れが収まったのを確認すると、周りを見渡す。


天守閣は特に変わった様子はない。


ベランダに急いでかけより外を見回すが

草原が広がっているだけで、海も波は穏やかで静かだ。


「今のはなんだったんだろう?」


気になった俺は、天守閣から1階に降りて行く。

そういえば、この城の中がどうなっているのか知らない。

城主だと言われたけど、自分の居城の中を知らないのも困ると思い、見て回る事にした。


もう、全てを諦めて謎の世界で生きる事にしたのだ。


ただ、俺以外の人にはまだ会っていないので、何があっても自給自足できるように生産職を選んだという訳だ。


お金の概念もわからないし、食べ物もどうしたらいいのかわからない。

そもそも、この世界で何をしたらいいのかもわからないのだからどうしようもない。

とりあえず、ここで考えていても仕方ないので、城内を歩く。


1階は最初に閉じ込められた玄関が今は開いている。

玄関の正面には、20畳ほどの畳の大広間がある。その右側に台所?キッチン?みたいなスペースがあるが、カマドも鍋も何もない。


大広間の奥には更に広い大広間があった。

倍くらいの大きさなので40畳くらいかな?


その右側に、先ほどのキッチンスペースのようなものが細長く繋がっていた。

左側には、6畳〜8畳ほどの小部屋がいくつか並んでいる。


40畳の大広間の奧には、風呂?トイレ?みたいなスペースが広がっているが

今は何もない。


玄関に戻り、20畳の大広間の左側には鍛治が出来るスペースが広がっていた。


俺はそこで、ふと違和感に気がつく。

最初に天守閣まで登る時には、こんなスペースはなかったはずだ。

玄関から鍛治スペースが見えるので、鍛治場があれば気がつくはずなのだ。


「もしかしてさっきの地震って、このスペースが出来た時の?」


これは俺の憶測だが、種族や職業に合わせて城が変わるのではないだろうか?

ふと、そう思ってしまった。


そのまま階段を登って、2階に上がる。


2階には、おそらく倉庫であろうスペースがいくつか並んでいる。

壁には、三角や丸の穴がいくつか空いていて、人が1人座れるスペースがある。


「これは、狭間かな?」


日本の城には、防衛のために矢や鉄砲を撃つ狭間と呼ばれる穴がいくつかある。


多分それだろうけど、誰が攻めてくるんだろう?

それともただのデザイン?


2階の奥まで行くと、隠し階段?らしきものがあった。


そこを降りると風呂スペースの隣に出た訳だ。


そして、3階は天守閣


ここは、20畳ほどの広さで1段高くなっている所に、肘掛けと小さな台と座布団が置いてある。


殿様の座る所?そう思いながら周りを見ると、

全方位掃き出し窓のように開けていて、障子のようなものが付いている。


その外側には、ベランダがぐるりと囲んでいた。


そのベランダから、入って来た城門の方を見ると広い城下町風な広場に、最初に立ち寄った小屋だけが、ポツンと建っている。


しかし、よく見ればかなり広い城下町だった。


建設のスキルもあるし、何か作ろうかな?

なんて、広場を見ながら考えているとまた地震のような揺れが襲った。


そして、先ほどとは比べ物にならない振動がドシンッと鳴ったかと思うと

城壁の外側に大きな砂煙が見えた。

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