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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
異世界生活編
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17話 森の支配者

ガサっと音がしたと思ったら、モンスターが突っ込んでくる。


「挑発!!ヘビーボディ!!」


ケインがスキルを発動するのと同時に、ガキンっと鋭い音が鳴り響いた。


「シールドアタック!!」


短剣が大盾に当たった瞬間、ケインがそのまま押し返す。

が、馬の下半身をしたそのモンスターはグッと踏ん張り、そのままケインを飛び越える。


「回転切り!!」


それを見たロイが空中に飛び、回転しながら攻撃する。

その攻撃を、ギギギギっと音を立てて2本の短剣で受け止めると腕を伸ばして後ろに飛び、そのまま地面に着地した。


「サンダー!!」


着地した場所に、ドーンと音を立てて落雷が落ちる。


「やった……のか?」


俺は、マーチが放った落雷を見ながらそう呟く。

が、次の瞬間


「うわー!!」


叫び声と共にギートの体が宙に舞う。


「「ヒール!!!!」」


ミーシャとノエルが、ほぼ同時に回復魔法を発動させた。


「流石に甘くないか!!パラライズ!!」


俺は、すぐさま魔法を発動させた。

しかし、寸前の所で躱されてしまった。


「セーフティーゾーン!!」


一旦落ち着かせるために、ミーシャがバリアを張る。


「こいつは、思ってた以上にきついな……」


「速さが全然違いますね……私では追いつけないです……」


「耐久力も高いし、防御も上手いですね」


「魔法も避けられてしまいますわね」


「ギートさん大丈夫ですか?」


「なんとか生きてます……」


今、目の前にいる上半身は人間で、下半身は馬のモンスターを見ながらみんなで話をする。


「さすがはこの森の支配者ってことか……」


そう、今攻撃してきたモンスターとは、『ケンタウルス』だった。


「逃げれそうもないし、倒さなければならないって事だな……」


セーフティゾーンの有効時間は3分、その短い時間で対策を練らなければならなかった。


「バリアが切れたら、すぐに私がターゲットを取りますが、先ほど同様避けられてしまうと思います」


「じゃあ、もしジャンプしたら、次はロイさんじゃなくて僕が攻撃します」


「そうだな、空中で攻撃を受け止められたらロイは着地するまで隙ができちゃうからね」


「それなら私は、着地する場所に魔法を落としますわ」


「では、私はその魔法を避けた先で攻撃を仕掛けます」


「「回復はおまかせを」」


各自、連携の役割を確認して再度戦闘体制を取る。


俺は、ロイが躱されたタイミングで攻撃する予定だ。


「よし!!頑張ろう!!」


「「「はい!!!!」」」


方針が決まったタイミングでバリアが消える。


「挑発!!ヘビーボディ!!」


それを待っていたかの様に、ケンタウルスが突進してきて、ケインの大盾とぶつかる。


「シールドアタック!!」


先程と同じ様にケインが盾で押し返す。

そこをギートが狙ったのだが……


ケンタウルスは、今回はジャンプせずにケインの押す勢いを利用して後ろに飛び退く。


「くっ!!」


空中に狙いを定めていたギートは、すぐ標的を地上に向けるが、そのまま打てばケインに当たってしまう。


ケンタウルスはニヤッと笑うと、またしてもギートめがけて突進してきた。


「ファイヤウォール!!」


俺は、すかさずギートの前に炎の壁を出現させる。

それに気がついたケンタウルスは、その壁を飛び越えてしまった。


「ダブルアロー!!」


が、空中ならとギートの矢がケンタウルスの胴体をかすめた。


「直撃しなかった……」


まぁ、急遽狙いを変えたのだから仕方がない。

しかし、矢が掠っただけのケンタウルスの勢いは止まらず、ギートの目の前までくる。


「マグナムアタック!!」


ケンタウルスの横っ腹にケインの大盾がヒットした。

さすがのケンタウルスも、突然の横からの攻撃に4本の足を折り曲げ倒れ込む。


「アーススパイク!!」


倒れ込んだケンタウルスの下から、尖った岩が突き出した。

必死に避けようと体を捻り、直撃は避けたものの、胴体を掠める。


「ギャワッ!!」


攻撃を受けたケンタウルスは、一瞬悶絶した顔をするがすぐさま立ち上がり、数歩下がると俺達と距離を空ける。

次の瞬間、ケンタウルスの体が光だし傷口が消えていく。


「こいつ、ヒールが使えるのかよ……」


やっとの思いでダメージを与えたのに、また振り出しに戻ってしまった。


「ノエル、セーフティゾーンを」


マーチの声にノエルが反応する。


「セーフティゾーン!!」


セーフティゾーンの使用にはクールタイムがあるらしく、次は1時間後じゃないと使用できないとの事だった。

ミーシャはもう使ってしまっているので、今はノエルしか使えないのだ。


「ヒールを使うという事は、一撃で仕留めなければなりませんね」


「これでもうセーフティゾーンは使えないから、次の戦闘が最後のチャンスですわね」


「連携と連続詠唱を組み合わせないときついと思うけど……マーチやれそう?」


「初めてですが、やるしかなさそうですわね」


俺と参謀の2人で対策を考えている間、他の4人は休憩している。


「あの……もしよければ、僕が囮になります」


ギートが突然そう言い出した。


「なぜ?危険すぎるでしょ?」


俺はなぜギートがそんな事を言い出したのか不思議に思っていると


「ケンタウルスはなぜか僕を狙っている気がするんです。理由はわからないけど」


そう言われてみれば2回ともギートを狙っていた気がする。


「でも、タンク役でもないギートが囮になるのは危険じゃない?」


ケインならともかく、ギートではケンタウルスの攻撃は受け止められないのである。


「いや……もしかしたら、遠距離からの物理攻撃が嫌なのかもしれません」


ケインはあくまでも憶測ですが、と前置きを置いてそう答えた。


「リブ様、是非やらせてください。僕は皆さんを信じていますから」


ギートが全員の顔を見回すと、元気に笑ってそう言った。


「よし、ギート任せた!!でも、無理はしちゃダメだよ?」


「はい!!皆さんよろしくお願いします!!」


対策という対策は思いつかず、ギートが囮になるくらいしか打ち合わせできなかった。


「じゃあ、最後の戦いだ!!」


俺の掛け声と同時に、セーフティゾーンのバリアが消えていく。


今度はギートが前衛に出て、集中する。

そこにケンタウルスが突進してきた。


ギートはそれを紙一重で躱すと、弓を引く。

ケンタウルスも急停止して矢を躱すと、方向転換してギートに向きなおり、再度突進してきた。


そこに、ケインが割って入り攻撃を受け止める。

そのタイミングで、横からロイが剣を振り下ろした。


ケンタウルスはその攻撃をスッと後ろに避けると、ジャンプしてケインを飛び越える。


「ん?」


その一連の動きをみて、俺はある事に気がついた。


「なぁ、マーチ」


俺は、隣で魔法を撃つタイミングを見計らっているマーチに声をかけた。


「はい?なんでしょう?」


今忙しいんですけど?みたいな声でマーチが答える。


「もしかして、ケンタウルスってさ……」


マーチに俺の考えを伝えると、マーチだけでなく後ろで聞いていたミーシャとノエルも、その考えに賛同してくれた。


「やってみる価値はありそうだね」


3人の賛同を受けて軽く打ち合わせをすると、頑張って耐えてくれている前衛の3人に声をかける。


「ケイン!!次の攻撃を受け止めたら左にズレてくれ!!

ロイは左側から攻撃を仕掛けたらすぐバックステップ!!

ギートはケインが受け止めたらなるべく距離を取って!!」


3人は不思議そうにこちらをチラッと見るが、俺の顔を見て納得したように微笑んだ。


「よろしくお願いします」


ケインがそう言うと、ケンタウルスの攻撃を受け止める。


「ロイさん今です!!」


ケインの声にロイが反応する。


「高速剣!!」


ロイの声にギートが反応して、ケインから距離を取る。

ケインは、ケンタウルスが後ろに下がるタイミングで左側にズレる。

ロイも、攻撃が躱された瞬間にバックステップをする。


「ライトアロー!!」


「ファイヤウォール!!」


「ホーリーライト!!」


「ブレッシング!!」


「パラライズ!!」


俺がまず、ライトアローでケンタウルスを後ろに下がらせると、

そこにすぐさまマーチがファイヤウォールで後ろを塞ぐ。


足が止まったタイミングで、ミーシャがホーリーライトでダメージを与えると、ノエルがギートにブレッシングをかける。


ケンタウルスの足が完全に止まった所で、俺がパラライズを使い体の自由を奪った。


「ギート!!今だ!!」


俺の声に、集中力向上のスキルを使って準備していたギートが答える。


「チャージアロー!!!!」


ギートの弓から光る矢が放たれて、痙攣して止まっているケンタウルスの胸を貫通する。

胸を貫かれたケンタウルスは、泡となって消えていくのだった。


「勝った!!」


「なんとか倒せましたね」


ケンタウルスが消えると同時に、周りにあった木々が消えていき、森だった場所は草原に戻った。


「さて、今日は疲れたし…城に戻ろうか」


俺達はドロップ品を拾い、城に向かって歩き出すのだった。

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