15話 初めての戦闘
訓練所から出ると、昼頃かな?くらいの位置に日があった。
あれは太陽でいいのかな?
夜になるって事は自転と公転してるところにいるのかな?
未だにこの世界の事は何1つわかっていないかった。
「お昼ご飯にしましょう」
ミーシャ達はキッチンに向かって行く。
俺は全員の技能の書を預かり、食事の支度が終わるまでに確認する事にした。
追加されたスキルだけ確認しよう。
リブ : 称号 マーチャント、追加スキル: オーバーキル、ディスカウント、商店開店
ケイン : 称号 ヘビーファイター、追加スキル: 挑発、マグナムアタック、ヘビーボディ、盾アタック
ミーシャ、ノエル : 称号 アコライト、追加スキル: ホーリーライト、ワープ、ブレッシング、エンジェルブレス、セイフティーゾーン
マーチ : 称号 マジシャン、追加スキル: ファイヤ、ファイヤウォール、ファイヤピラー、メテオ、ウォーター、コールドボルト、ウィンドカッター、ウィンドブレス、ウィンドエリア、トルネード、サンド、アーススパイク、アースシェイク、ロックレイン、サンダー、サンダーストーム
ギート : 称号 アーチャー、追加スキル: ダブルアロー、アローシャワー、チャージアタック、集中力アップ、
ロイ : 称号 ソードファイター、追加スキル: 剣操術、高速剣、回転切り
そしてエンチャントで付加した武器には
ランス: アースクウェイク
ブレイド: ファイヤー
が追加されていた。
全員の称号とスキルを確認したところで昼食を取る。
「さて、みんな称号も上がってスキルも増えたから、午後は森でパーティー戦の練習なんだけど」
とそこまで言ってマーチを見る。
結局、ケンタウルス以下で雑魚以上のモンスターっていたのかな?
「ケンタウルスの下にゾンビとコボルトがいるみたいですわ。後、ボスが森の支配者で、倒すと森自体が消えるようですわね」
俺の視線に気がついたマーチが説明してくれた。
ボスが森の支配者?
「と言う事は支配しているボスが地形を形成して、その下に何種類か中ボスがいる感じなのかな?」
「マーチさんの話を総合するとそうなりますね」
俺の考えに、ケインがすぐさま反応してくれた。
「じゃあ、ゾンビは俺1人で倒せるから意味がないから、コボルトを探してパーティー戦の練習をしよう」
俺がそう提案すると、みんなはどのパーティーが先に戦うのか話始める。
「ちなみに、ギートさんは狩りの最中にゾンビやコボルトに会った事はありますか?」
ケインはこの中で、1番森の中で活動しているだろうギートに質問する。
「僕は、コボルトには会った事はないですね。ゾンビなら何回か倒しましたけど」
さすがのギートも、コボルトは見かけていないらしい。
ギートはゾンビが中ボスだと知らなかったようで、死霊雑魚だと思っていたらしい。
以前一緒に狩りに行った時も、死霊系がいるって言っていた。
「とりあえず、コボルトを探しに行こう」
俺は、まぁなんとかなるさ精神で大広間を後にした。
森の中に入った俺達は、コボルトを探す。
「ギート、コボルト見つけられそう?」
探索スキルとワシの眼を駆使して、ギートがコボルトを探してくれている。
「ゾンビならいますが、コボルトはいないですね」
俺とギートでコボルトを探している間に、他のメンバーは雑魚を狩りながら戦闘訓練をしている。
「コボルトってレアなのかな?」
ゾンビは数がいるのに対して、コボルトが少なすぎるのである。
「もしかしたらですが、森の中の領域をゾンビとコボルトで分けているのではないでしょうか?」
死霊系の雑魚を光魔法で倒しながら、ケインがそう言う。
「確かに、この辺りには死霊系の雑魚が多いですわね」
マーチも魔法で攻撃しながら、ケインの意見に賛同している。
「じゃあ向こう側に行ってみるか」
俺達は一度森から出て、草原をぐるっと迂回して反対側から入り直す事にした。
そして、再度森に入ると今度は動物系の雑魚が多い。
「こっちは動物系が多いね。やっぱりこちら側にコボルトがいるのかもしれないね」
そんな話をしながら、雑魚を狩りつつコボルトを探していると
「いました。コボルトです」
ギートがコボルトを見つけたようだ。
「では、作戦通り私がターゲットを取りますので、ロイさんは前衛でリブ様とギートさんは後衛で攻撃をお願いします」
そういうと、ケインがコボルトに向かって行く。
コボルトは2本足で立ち、犬の様な風貌で、右手に石斧の様な武器と左手に木でできた盾を持っている。
「ロイ、俺達も気をつけるけど、後ろからの攻撃にあたらないようにね」
「了解しました。リブ様達もコボルトが前衛から外れた場合は回避をお願いします」
ロイがケインの後ろを歩いて行く。
「今回は私が回復をしますね」
ノエルが、後衛にいる俺達の更に後ろから回復の準備を始める。
「じゃあ頑張ろう!!」
そして、俺達の初めてのパーティー戦が開始されたのだった。
ケインに気がついたコボルトが、石斧の様な武器を振り上げ攻撃を仕掛けてくる。
その攻撃を大盾で受け止めると、ズシンという音と共に衝撃が走る。
踏ん張って耐えているケインの後ろから飛び出したロイが、剣を振り下ろす。
コボルトはロイの攻撃を素早く躱すと、ケインの後ろに回り込む動きを見せた。
ケインがその動きに反応して、再度攻撃を受け止める。
そこに、ギートの矢がコボルトの頭を掠める。
コボルトはケインから一度離れて、その矢を避ける。
「ファイヤ!!」
俺は、その一瞬の隙にコボルトめがけてファイヤを放つ。
しかし、コボルトはギリギリの所で横に飛び躱す。
コボルトが着地するタイミングで、ロイが剣を振り下ろす。
「もらった」
しかし、その剣は盾で防がれてしまった。
そこに、再度ギートの矢が飛んでくる。
「今度こそ」
その矢は、ロイの攻撃を防いでいるため動けないコボルトの足に命中する。
「ギャー」
コボルトが悲鳴の様な雄叫びをあげる。
そして、石斧をロイめがけて振り下ろす。
しかしそこに、ケインが割って入って受け止める。
攻撃を受け止められたコボルトは、一度距離を空けてこちらの様子を伺っている。
「ふー、中々しぶといね」
一気に決めたかったのだが、コボルトは強かった。
「ヒール!!」
俺の後ろから、ノエルの声が聞こえた。
誰か怪我をしたのか?と思いケインを見ると、大盾を地面につけてうずくまっていた。
「ケイン!!大丈夫か?」
「コボルトの攻撃が思っていたより重いので、衝撃で腕が少し……しかし今のヒールで回復しましたので大丈夫です。ノエルさんありがとうございます」
しかし、このままではジリ貧だ……
「ケイン、ロイ!!複数詠唱を試すから、コボルトを左手側に避けさせる様にしてくれないか?ギートも誘導する様に矢を頼む」
「「「了解しました」」」
俺は3人にそう指示を出すと、前衛に2人に攻撃があたらないような位置に移動する。
コボルトはギートが矢で牽制すると、石斧を振り上げてケインに突進して来た。
ケインがそれを受け止めると、ロイが右手側から剣を振り下ろす。
コボルトが体を捻ってその攻撃を盾で受け止めると、ギートの矢が飛んでくる。
しかし今度は、バックステップでその矢を躱すと、矢はロイとコボルトの間を通過する。
「ファイヤウォール!!」
予定通り左手側にコボルトが移動したので、その位置に炎の壁を作り逃げ道を封鎖すると、ケインとロイがコボルトから離れて距離を取る。
「ソウルストライク!!」
炎の壁で、一瞬動きを止めたコボルトに向かって間髪入れずに闇の塊が直撃する。
次の瞬間、コボルトは泡になって消えていった。
「疲れた〜〜」
「中々しんどいですね……」
「きついです……」
「動きも早かったですね」
そう言うと、俺達は上を向いてその場に座り込んだ。
そして、そこにあるドロップ品をマーチが回収する。
今回のドロップ品は、巻物が1個と毛皮だった。
「毛皮は、コートとかに出来そうですわね」
ミーシャがお気軽に毛皮のコートを作りたいとか言っているが、今は聞かなかった事にしよう。
「しかし、コボルトでこれだとケンタウルスは苦戦しそうだな」
「ケインさんも、何回受け止める事ができるか、わからないですしね」
「今回は、コボルトがどの程度かわからなかったので、連携の邪魔にならないように、スキルを使わずに戦ったのですが、次回はスキルを使用してみます」
ケインは今回、連携の邪魔になると思い、スキルは使っていなかったのだ。
「そういえば、スキルを使うの忘れてました」
「あっ!!僕も」
ロイとギートはド天然だった。
「スキルを使った場合、今回とはまた違った動きになるかもしれないな」
今回は誘導して俺の魔法で仕留めたが、みんながスキルを使えばコボルトも避け方が変わってくるかもしれないのだ。
「さて、次はミーシャとマーチが参加かな?俺とノエルが休憩だな」
俺はそう言ってマーチの顔を見ると、緊張しているのがわかった。
「マーチ、気楽にいこうよ」
俺が声をかけると
「初めての実践ですし……もし、味方に魔法が当たってしまったらと考えると……緊張します」
と、更に顔をこわばらせる。
「その時は、私が回復しますので安心して攻撃してくれていいですよ」
ミーシャが、フォローしてくれている。
「コボルトが近づいて来ます!!」
そんな話をしていると、いきなりギートが叫んだ。
「よし!!じゃあ頑張って行こう!!」
そして2戦目が始まるのだった。




