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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
大陸騒乱編
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147話 ドリームパーク開園間近

翌朝、俺達は獣人の街を統合する為に都市ワープを使う。

ドーン!!という音と共にイグニアス王国に戻って来る。


「ねえリブ様?帰りは結局あの山を通らなかったのですけど?」


カラがなんか不満そうだ。


「そういえばそうだな?でもワイバーンを回避できたのだからそれでいいんじゃないか?」


「せっかくあの青い石を……」


カラが何かブツブツ言っているがここはスルーしておこう。


「ガーランド、獣人の特技ってなんだ?」


俺は街の位置を決める為にガーランドに聞く。


「はい、種族によって違います。兔人族達は農業を熊人族は力仕事を、虎人族は戦闘をその他、鍛治や商人など色々でございます」


多種族共存の街なのか。

じゃあ王城に近い場所に移動して、そこに第2のセントラルシティとして活躍しよう。


「街の名前は……『ブリュンヒルド』なんてどうだろう?」


「素晴らしいです!!では獣人の街は今後『ブリュンヒルド』と!!」


ガーランド達も喜んでくれているようだ。


「リブ様、おかえりなさいませ。そちらが獣人のみなさんですか?」


城からケイン達が集まって来る。


「ああ、ケイン。これからよろしく頼む」


「クロート様?こちらは?」


ガーランドがケインを見る。


「申し遅れました。リブ様の参謀をしておりますケインと申します。この国では相国兼軍師をしております」


「これは失礼しました。クロート様の右腕ですね?という事は……」


ガーランドがソンカクの方を見る。


「ええ、その通りよ?貴方の知ってる彼よ?」


「なるほど……お戻りになられたクロート様にも彼が隣にいるのなら安心だ」


ガーランド達も過去のケインを知っているのか……

まぁ当然か……


「リブ様、帰って来て早々で申し訳ないのですが、少々お話が」


「わかったすぐ行く。じゃあガーランド達の事はソンカクに任せる」


「了解しました」


ソンカクはガーランド達を連れて街に向かって行く。


「では私達も……」


「アイーナ?貴方はこちらですよ?」


ケインの後ろからセバスチャンがアイーナを睨みつける。


「セ……セバスチャン様……」


「全く……メイド長ともあろう者が……そんな事では下に示しがつかないですよ?」


「も……申し訳ありません……」


「罰として城内の清掃及びセントラルシティの掃除です!!塵ひとつ残さないように!!」


「は……はい……」


セバスチャンが厳しくアイーナを躾けている。

アイーナの事はセバスチャンに任せよう。


「さて、私達はこれで……」


「カラさん?あなた達もこちらですよ?」


セバスチャンがカラを睨みつける。

その隣でハンゾーとガルフォードが紅玉と霞を睨んでいる。


「は……はい……」


カラ達3人も連れて行かれる。


「全くどいつもこいつも仕方のない」


「ルシファスさんもこちらですよ?」


マーチがルシファスも連れて行く。


「な!!何故じゃ!!」


「何故じゃ!!じゃありません!!いくら聖龍とはいえこの国に籍を置くのであれば従って頂きます!!」


ルシファスも渋々ついて行く。


「では参りましょう」


「ああ」


俺はケインに連れられて参謀本部に入ると、会議室に通される。

そこには既にクーパー達が座っていた。

そして俺を見ると立ち上がろうとするので、俺はそれを制すと席につく。


「さて、それで?話とは?」


「それは私から」


マーチンが立ち上がると何やら書類を渡す。

そのタイミングでマーチも会議室に入ってきた。


「マットドリームパークですが、来週にはオープン出来ます。ですのでリブ様に最終確認をお願いしたいのです。これはその資料になります。まずはセントラルシティの宿屋、飲食店、土産物屋ですが、こちらはネージュさんとウェンツさんから」


マーチンがネージュに説明を求める。


「はい、まずは宿屋ですが、私のホテルは完全予約制で1000名が宿泊可能です。そしてチャコさん達の酒場兼宿屋には500名分の部屋を確保しました。そして新規として2000名が宿泊可能のホテルを2棟建設しました。こちらはテーマパークにちなんだ公式ホテルになります。その他に各属州都市内に宿泊施設を建設致しました。合計10000名は宿泊可能です」


「ほう……それはかなりの経済効果が期待出来そうだな?それで?従業員の数と手当てはどうなんだ?」


「はい、私のホテルが1泊金貨5枚、新規ホテルが金貨3枚、チャコさんの宿屋が銀貨5枚、属州都市内の宿泊施設が平均で銀貨3枚ですので、宿泊だけの経済効果で年間金貨500万枚を期待しています。従業員数は5000名ほど確保してありますし、手当ても十分かと」


今更ながらこの世界の通貨は金貨、銀貨、銅貨だ。

銅貨1枚が約100円だ。

銅貨10枚で銀貨1枚、銀貨10枚で金貨1枚となる。

なので金貨は1枚約1万円になる。

国民の1ヶ月の給料が平均銀貨8枚だ。


なので金貨500万枚という事は約500億円か……


「それは凄いな……それだけあれば税金もかなり減らせるのでは?」


「はい、宿泊しない方もいらっしゃいますので、土産物屋や飲食店の売上も合わせますと、全体の経済効果は年間金貨10億枚ほどになるかと」


マーチンが資料を見ながら説明してくれる。


約10兆円か……

国の財政という意味ではかなりのものになるな……


「それだけあれば税金を無くしたとしてもまだ国民に還元できるようになるな?」


俺はケインとマーチを見る。


「はい、今まで後回しにして来た社会保障や教育の分野にもお金が使えるようになります」


ケインが目を輝かせている。


「まぁそっち方面は俺は疎いからケインとマーチに任せるよ」


「はい、お任せください!!」


「それで?各アトラクションはどうなっているの?」


「はい、リブ様の構想通りエリアを分けて乗り物等を作成してあります。そして森林エリアにはカイザーさんにお願いしてアトラクション用に新たにテイムして頂いたモンスターを配置してあります。

そして問題の18禁エリアですが……」


「あそこは未定だったはずじゃ?」


「それが……そうなのですが……」


マーチンが困った顔でミーシャの方をチラッと見る。


「ふふふ、あそこには18禁以外の施設を作りましたわ?」


マーチが嬉しそうに報告する。


「18禁以外の施設って?」


「は……はい……カラオケ店、ボーリング場、簡易的なゲームセンターそして……」


「ん?どうした?」


「は……はい……競馬場と魔導兵器レース場を……」


「はっ?何それ?」


「だって日本でも競馬場もレース場も国営の場所は別に年齢制限はないでしょ?」


ミーシャが自慢げに胸を張る。


「確かにそうだが……もしかして騎兵隊の馬を走らせるのか?」


「ええそうですよ?他に馬なんていないでしょ?それにこれは騎兵隊の訓練にもなるのですよ?」


「騎兵隊の訓練?」


「はい、全力で走る馬を乗りこなす訓練です!!だから一石二鳥でしょ?」


「まさか魔導兵器レースもか?」


「ええ、もちろん!!」


ミーシャの発想には敵わないな……


「まぁ……それならいいけど……あまり依存症にならないように配慮してくれよ?」


「そこは我々が監視致しますので」


クーパーに何か考えがあるようだ。

国が運営してる場所でギャンブル依存性の人を作るとか洒落にならないからな……


「じゃあその辺は任せるよ。それでアトラクションの安全性は大丈夫なの?」


「そちらの方は開園前と閉園後に毎日必ず点検するようにする事と、5時間に一度確認するようにワイズさんを中心にマニュアルを作成しています」


「そうか、じゃあそっちはワイズに任せよう。怪我人が出ないように頼む。後はイベントとグッズ関係か?」


「イベントはゲーリックさんから」


「はい、まずはパレードですね。昼と夜で2回企画してます。それと夜のパレード後は花火を打ち上げる予定です。その他、各アトラクション毎にもイベントを企画してありますので資料でご確認して下さい」


ゲーリックに言われて俺は資料に目を落とす。

ダンスショーに宝探し、それと……


「なぁ、この討伐イベントって?」


「はい、森林エリアでモンスターを討伐するイベントです」


「モンスターってカイザーがテイムした仲間だろ?討伐して大丈夫なのか?」


「擬似討伐で本当に討伐する訳ではありませんので大丈夫です」


なるほど、体験イベントって事か。


「それなら大丈夫か」


「はい、武器もおもちゃですので大丈夫です」


「後はグッズ関係か」


「それはサリーさんから」


「ほな説明させてもらいます。キャラクターグッズはぬいぐるみから日用品、文房具まで各種取り揃えてます。菓子関係もアイーナはんやマーチはんの指導の元作ってあります。キャラクターデザインはウェンツはんが担当してます。販売はセントラルシティに大型ショップと各グッズ毎の専門店を建設して各エリアにも専用グッズの販売ショップも建設済みです。ネージュはんのショップや各ホテルにも販売ショップを併設してあります」


「やけに気合いが入ってるな?」


「そりゃこのグッズがパークでの1番の稼ぎ頭やから気合い入れんと」


「稼ぎ頭?」


「そうでっせ?ホテルは値段と人数が決まってますやろ?せやから、減る事はあっても増える事はないやんか?食事は人数の制限はないけど数が出まへんやんか?そしたら人数も数も制限のないグッズが1番儲けが出るっちゅう寸法や」


「なるほどな、でも売れなかったら大損害になるのもグッズだからな。不良債権にだけはならないように調整してくれよ?」


「それもそうでんな……売れ行きを見ながら数の調整が必要っちゅう事やな……」


サリーは何やら考えこんでしまった。


「さて、最後に食事だが」


「それは私から報告しますわ?」


マーチがゆっくり立ち上がる。


「まずはエリア毎に和食、洋食、中華と分けております。セントラルシティにはレストランやファーストフード店を配置してあります。また、各エリアにはそのエリアに合わせたポップコーンやホットドック、ドーナツやワッフルなど食べ歩き出来る物も用意しました。飲み物もお茶からジュースまで各種取り揃えております。また、店舗毎にホールや調理場の責任者を配置して徹底した管理をするようにしてあります。後、毎月新作料理やイベントなどプレゼンしてもらい意識の向上も図る予定です。私からは以上です」


「ふむ、食べ歩きするという事は持ちやすくする工夫とゴミの問題には気をつけないとな。後、食中毒には細心の注意を頼む。集団食中毒なんてシャレにならないからな」


「はい、ゴミは清掃員を常にパーク内を巡回させるようにしてあります。食中毒に関しては食材の管理を徹底しておきます」


「うん、任せる。これで全てかな?」


「はい、本日の会議の議題は以上になります。ではみなさん、オープンに向けて従業員やパフォーマー清掃員に至るまで教育を徹底して安全で安心したパークになるよう努めて参りましょう」


マーチンが会議を締めると、俺達はパークに向かうのだった。

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