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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
異世界生活編
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13話 会議と変化

大広間に戻った俺達は『ケンタウルス』の討伐について会議を再開する。


「さて、懸念材料だった剣士の獲得は思わぬ形で実現出来たわけだけど、問題がひとつある」


俺は席に着くなりそう言った。

ロイの仲間入りで湧いていたメンバー達は突然の発言に困惑している。


「リブ様、ロイさんの加入によりパーティーで戦う準備はできたと思いますが、何が問題なのでしょう?」


ケインも俺の発言を疑問に感じている。


「そうです。これであのヤバそうなボスも倒せますよ」


ギートもやる気満々で息巻いている。


「リブ様、戦闘経験不足……ですわね?」


マーチが俺の意図を汲み取ったのか、自分の考えが合っているのか俺に確認の意味で聞いて来た。


「ああ……マーチの言う通り、戦闘経験が足りないと感じている」


俺がマーチの意見を肯定すると、ケインも事の重大さに気づく。


「確かに、私はまだモンスターと戦った事がありませんし、個人で戦う場合は気ままに攻撃すれば良いですが、パーティー戦となると連携が重要になって来ますね」


そうなのだ、いくら同盟メンバーになったとはいえ、昨日、今日会ったばかりの即席パーティーでは連携が取れず負ける可能性がある。


「個々の能力だけで力任せに戦っても、お互いの動きがわからなければパーティー戦では致命的だ。せっかく能力の高いメンバーでパーティー戦をやるんだから、全員が100%で戦えなければ意味がないと思う」


俺の言葉に全員が頷く。


「では明日からはパーティー戦の訓練ですね」


ケインがそう言うと考え込んでいたノエルが顔を上げる。


「リブ様、私もそのパーティーに参加させてもらえませんか?」


突然のノエルからの嘆願に少し驚いたが、俺は参加を承認する。


「では私からも提案させて頂いてもよろしいですか?」


それを聞いていたマーチが何かを思いついたようだ。


「私やミーシャさんも参加しておきたいと思います。今後の事を考えると全く戦闘しない、なんて事は不可能だと思うの。その時に足枷にならないように今のうちに訓練しておきたいわ」


その言葉にミーシャも大きく頷く。


「そうね、ロイさんはお城も攻撃されたのだから、この陽炎城も100%安全とは言えないものね。その時に何も出来ないのはさすがに辛いですね」


確かにその通りだ。


今後、もしかしたら攻城戦や防衛戦があるかもしれないのに、誰かに任せてしまって戦力にならない、ではただのお荷物になってしまう。


「よし!!じゃあ明日から全員の戦力アップをしよう」


そう言ってこの会議を締めくくるのだった。


翌日、ロイを仲間にした事で出来た塔の中を参謀の2人と確認する。


本を調べると監視塔と書かれていた。

螺旋状の階段の頂上は陽炎城の城門の外側はもちろん、城下町も全体が見渡せるようになっていた。


「でもこれって天守閣の方が見晴らしが良くない?」


監視塔より天守閣の方が遠くまで見渡せるのだ。


「そうですね、しかし城の真下はこちらからではなければ見えないので死角をなくす意味では活用できるかと」


ケインが塔の使い道を考えている。


「でも中は何もないのですね?」


マーチがそう言うと


「いえ、休憩所と待機場が併設されていますね」


ケインが本を見ながら答えた。


「なるほど、24時間体制で監視できるというわけか」


人数が増えれば監視員を増やして安全な城にしたい。


「それで?ロイの城はどうなったの?」


「参謀本部の地下にあった訓練所が、地下から外に出ていて更に大きくなっていました」


再度、ケインが答えてくれた


「ふむ、じゃあそこでパーティー戦の訓練ができそうかな?」


俺は、昨夜決定したパーティー戦の訓練をそこでやろうと思ったのだが、


「いえ、訓練所では相手の動きがないので、個人戦の訓練には最適ですがパーティー戦となると少し厳しそうです」


そうか、敵もかわしたり攻撃したりしてくるのだから、動かない的では練習にならないか。


「じゃあ、適当な雑魚で訓練しますか」


「うーん、でも雑魚だと1人で倒してしまいませんか?」


マーチに弱すぎても練習にならないと言われてしまった。


「そろそろみんな起きてくる頃だろうから、朝飯を食べながら相談しよう」


確認作業を終わらせて、3人で大広間に戻る。

大広間に戻ると、ミーシャとノエルが食事の支度を、ギートとロイが茶碗を並べたりしていた。


「おはよう」


「「「おはようございます」」」


「朝早くから確認作業お疲れ様でした」


「塔の方はどうでした?」


「私の仕事場になるのでしょうか?」


「僕は訓練所を見てきました。すごく大きくなってましたよ」


俺が挨拶すると、4人から挨拶と共に質問や報告が返ってきた。


「うん、とりあえずご飯でも食べながら話をしよう」


それぞれ、作業をしながら言われても落ち着いて会話が出来ない。

食事の準備も整い、朝から賑やかなメンバーと楽しく朝食を食べ、片付けを終わらせると再度大広間のテーブルに集合する。


「さて、昨日決めたパーティー戦の訓練だけど、参謀の2人と話をした結果、新しい訓練所では練習にならなくて、雑魚モンスターだと1人で倒しちゃうから意味がないって結論になったんだ」


俺が、今朝の会話をみんなに共有する。


「私は、魔法を覚えるために、一度訓練所で練習したいけれど」


「雑魚は、僕のスキルと弓の攻撃で遠距離から一撃だから、タンク役も近接攻撃もいらないですね」


「私は回復役だから、誰かが攻撃されないとやる事がないですね」


「それは私も同じですね」


「私は、ほとんどお城から出る機会がなかったですから、戦闘経験は少ないですね。なので是非とも外で戦ってみたいと思います」


「私もケインさんと同じで、3日間引きこもりでしたから……戦闘どころかモンスターも見た事がないです」


「うーん、雑魚より強くてケンタウルスより弱いモンスターっていないのかな?」


おや?

いつもより、みんな積極的に意見を出してくれる。


「あっ!!そういえばケインって、育成スキル持ってなかったっけ?」


「そう言われてみれば、そのようなスキルがありましたね」


「あら、それはどんな効果のあるスキルなのかしら?」


「少し調べてみます」


「ついでに雑魚以上、ボス以下のモンスターと生息地もよろしく」


「リブ様!!そちらは私が調べます。後、ケインさんに押し付け過ぎですわよ?」


「ごめんなさい……つい、甘えちゃって……」


だってマーチ怖いんだもん!!ケインは優しいからさ〜〜

などと口が裂けても言えません……


が、俺の考えは顔に出ていたのかミーシャとノエルが笑っている。

ギートは目を逸らして、我関せずを貫く。


ロイとケインも苦笑しながら俺を見ていた。


「私も、そんな事じゃ別に怒らないわよ?同じ参謀なのだから、私にも頼って欲しいものね」


マーチには小言を言われてしまった。

以後気をつけます……


「じゃ……じゃあ、ケインとマーチが調べてくれている間に、他のメンバーで作戦を考えよう」


俺はこれ以上マーチに睨まれるのも怖いので…………。


コホン、い……いえ、違います……。

参謀の2人が頑張ってくれているので、盟主らしい仕事をしよう。


「うふふ、それでリブ様?例えばどのような作戦を?」


うん、ノエルさん、さすがはマーチの妹だけありますね……

俺のノープラン提案をよくぞ見破った!!褒めてつかわそう!!


などと考えていると、本の向こうからマーチが睨んでいる気がする。

うん、気がするだけだ、きっと気のせいだ。


「え……えっと……そうだな〜〜。例えば後方支援の方法とか?」


「あら?それはどんな方法があるのかしら?」


ミーシャさんそんな楽しそうな笑顔で追い討ちをかけないで……


ん?


なんか女性陣の俺に対する扱いが少し変わった気がするけど……

気のせいかな?


「ええ、気のせいよ?」


うん、俺、今何も言ってないよね?

心を読まれた?


「リブ様?そんな事ないですよ?」


これは確定だな!!


あっ!!読心術か!!!!


「うふふ」


これは、間違いないな。

厄介な姉妹に、面倒なスキルを与えてしまった……


「それはどういう事かしら?」


すみません………もうしません………許してください………


「ふふふ」


「うふふ」


がっくりと項垂れる俺を見てギートとロイが不思議そうな顔をしている。


「ギート、ロイ、今後気をつけるんだぞ?うちのお姉さん達は怖いぞ……」


マーチとノエルは読心術のスキルを完全に自分の物にした感じだった。


ミーシャは女性の感とその場の雰囲気かな……

姉妹もヤバいが、本当に怖いのはミーシャだなと思う俺だった。


「ふふふふ」


そんな俺を見ながらミーシャが微笑んでいた。


「さてさて、リブ様をいじめるのも楽しいけど、今は真剣に考えましょう?」


ミーシャさん俺をいじめないで……

更に不思議そうな顔をしているギート達を横目にミーシャが仕切る。


「後方支援と言っても俺やマーチは魔法攻撃でギートは遠距離攻撃だから、攻撃が交錯しないようにする事が大事だな」


「私やノエルさんはどうしたらいいのかしら?」


「バフかデバフの魔法があれば嬉しいけど」


「では、まずは私とミーシャさん、お姉ちゃんは訓練所で魔法の習得からですね」


「私もスキルの確認をしたいので訓練所からですね」


結果として、俺とギート以外は訓練所で自分のスキルを確認するところからはじまりそうだ。

すると、自分のスキルを調べていたケインが……ケインが……ケイン?


ん? ちょっと待って?

おーい!!ケインさんや、あなたなら自分のスキルの確認なんて最初からやってありましたよね?


そうなのだ、この世界に来てから、ケインはずっと参謀本部で調べ物しかしていない。

なのに、自分のスキルを調べていない、なんてあり得ないのである。


ケイン……この状況を作り出したな?


「う……うん……ケインさ〜、まさかとは思うけど、わざとやったの?」


「計略のスキルを試そうと思いまして」


ケインがにやけた顔でサラッと怖い事を言う。

やっぱりか……ハメられた………


「しかしながら……さすがはリブ様ですね。私の計略に気がつくとは」


それは褒められているの?


「でもなんで?」


そう、ケインがわざわざ計略のスキルでこんなカオスな……いやフレンドリーな状況を作り出す理由がないのだ。


「パーティーとして戦うためには、息を合わせる事が重要かと思いまして、そのためにメンバーの仲を深めようかと」


ケインが笑いながら理由を答える。


マーチとノエルがいきなり読心術のスキルを使いこなすなんて、ケインの入れ知恵しか考えられないし……

ミーシャが場の雰囲気で……なんておかしいと思ったよ……

いつもよりみんな積極的だし……


あれ?なんだろう?

若干違和感があるな


みんな年齢も同じくらいで、この世界にくる前までは立派な大人だったはずだ。


たまたまこの世界に連れてこられて、偶然、俺を中心として活動しているだけだ。

上下関係に関しても、誰も意義を唱えないし、何故かこんな俺に様とか付けてるし……


そもそも、最初からこの状況が当たり前だったはず。

まぁ、考えてもわからないから、余計な詮索はやめておこう。


とにかく、この先みんなで仲良くやっていけるのならこの変化はいい事だな。

俺はそう思ったのだった。


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