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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
建国奮闘編
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120話 軍事会議

後夜祭の最後に10発だけ花火を上げた。

色々あって今回用意出来たのがこれだけだったのだ。

これで完全に祭りが終了した。


翌日、俺と幹部達は大広間に集まっていた。

昨日ケイン達と打合せした内容を伝えるためだ。


「今日は何の会議ですか?」


マーチが不思議そうにしている。


「それはもちろんマットドリームパークの話し合いですよね?」


ミーシャがテーブルに乗るんじゃないかという勢いで前に乗り出す。


「それもあるんだけど、そっちの内容は前回の会議である程度決まっているから、後はクーパー達に任せようと思う。イメージは共通だろうから大丈夫だろ?職人はバランから集めようと思う」


「え?それじゃあ今日は?」


興奮気味だったミーシャが冷静に椅子に座りながら聞いてくる。


「今日集まってもらったのは、みんなの戦力アップをしてもらおうと思って」


「戦力アップですか?」


「そうだ。前回の王城攻防戦ではかなり接戦だったと聞いている。兵士達も将軍1人に勝てないのでは今後の戦闘で勝てなくなってしまう。だからみんなは個の戦力を兵士達は戦術の訓練をしてもらう」


「確かに……魔導兵器も通用しなかったですし、私個人では前に出る事も出来なかったですからね……」


ミーシャが真剣な顔で俺を見てくる。


「そうですわね、私も今のままでは役に立たないですからね」


他の幹部達も同じようだ。


「みんな心当たりがありそうだな、それでは計画を伝える。まずケイン、マーチ、ミーシャ、カイザー、ロイ、ギート、チャコにリーダーになってもらい、残りのメンバーとパーティーを組んで狩りに行ってもらう。メンバー構成と狩りに行く順番は各リーダーで話し合って決めて欲しい」


「順番とは?」


マーチが不思議そうに聞いてくる。


「全員が同時に狩りに行ってしまったら兵士の訓練や内政が滞るだろ?だから狩りに行くのは1パーティーだけにする。その順番を決めて欲しいんだ」


「なるほどです。しかし、リブ様は狩りに行かないのですか?」


「俺の場合、みんなの称号が上がれば俺の称号が上がるはずだ。だから狩りに行かずに兵士達の訓練に参加しようと思う」


「リブ様が見ているなら兵士達も気合いが入りますね」


ギートが嬉しそうだ。


「ああ、最近勝ち戦ばかりで兵士達も調子に乗っていますからね」


カイザーとロイもギートと同じみたいだ。


「そう言うわけで各々しっかり称号を上げてもっと強くなって欲しい。『個を育てて輪を作り、輪を育ててチームにする』これが俺の考え方だ」


「いい考えです。強いチームに出来るよう全力で取り組ませて頂きます」


「ケイン後は任せた」


「はい、お任せください」


そう言うとケイン達はメンバー編成の話し合いに入った。


「さて、サリーには新しい仕事を頼みたい」


俺は、ミーシャの隣で暇そうにしているサリーに声をかける。


「なんでっしゃろ?」


「機動戦士を作ってくれ」


「は?機動戦士?」


「ああ、魔導兵器とは別にモビルスーツというかモビルアーマーというかそんなのを作って欲しい」


「は?そんな無茶苦茶な!!魔導兵器でさえまだ完全やないのにいきなりそんなもん出来まへんで?それにそんなもん作るっちゅうたら、かなりのお金と時間がかかりますけど?」


「だろうな、でも今後大型のモンスターやドラゴンと対戦する時に絶対必要だと思う」


「せやけど今の設備やとそないな大型ロボットみたいなんを作る場所も知識も何もないでっせ?」


「その辺はウェンツと協力して頑張ってくれ、もちろん俺も協力するつもりだ」


「まぁリブ様が一緒にっちゅうんなら何とかしますけど……ほんまにそんなもん作れるんでっか?」


「わからん!!そもそも作った事ないし」


「でしょうな……わいもアニメでしか見た事ないでっせ?そもそも動力や駆動関係の知識も何もないんやで?」


「そこは……ノリと勢いで!!」


「んなアホな!!」


「まぁ失敗しても問題ないし、専用の研究所を別に作ろうと思うから狩りのない時はそこで研究しながら頑張ってくれ」


「無茶振りにも程がありまっせ?まぁ……どうせ断れんのやろうけど……」


サリーは頭をかきながら、半分諦めた顔で渋々納得した。


「新しい事に挑戦するのって楽しいだろ?」


「いや……ミーシャはんとリブ様の無茶な提案は頭が禿げそうですわ……」


「マーチの禿げの呪いか?」


「私が何か?」


話し合い中のマーチが、俺とサリーをジロっと睨む。


「いや何でもないよ?」


「ええ、何もありまへん」


俺とサリーはその目に一瞬氷つく。


「それならいいのですけど?」


マーチはそう言うと話し合いに戻る。


「リブ様が変な事言うからでっせ?」


サリーが小声で俺を責めてくる。


「お前が禿げるとか言うからだろ?」


俺も責任をサリーに押し付ける。


「まぁやれるだけやってみますが、保証は出来まへんで?」


「ああ、それに関しては仕方ないと思っているから大丈夫だ」


「せやけど、ドリーはん達やフェルノはん達がいるのにそんなもんほんまに欲しいんでっか?」


「ああ、俺は全く覚えていないが、前回の邪龍戦争ではシルバー家が何らかの罠を使って神獣達を封印したんだ……今回もそうなる可能性は排除できない。だから、もしそういう状況に陥った場合の保険って感じだな」


「確かにそないな事言ってましたな?」


「神獣達も絶対じゃないからな……前回の失敗をそのままにしておくのは愚策だろ?」


「わかりました。全力で頑張ってみますわ」


「頼んだぞ、デザインはウェンツと相談してくれ」


後は軍隊の陣形を作って兵士達に訓練させれば今回の軍事計画は終了となる。

まぁ、あくまでも計画なのだが……

結果はすぐには出ないし思っていたより効果がないかもしれない。

それでも個々の戦力は確実に上がるので、より強固になるのは間違いないのだ。


「リブ様、もうひとつよろしいでしょうか?」


「ん?ケインどうしたの」


「はい、フランと話し合ったのですが、新たに部隊を作ろうと思っております」


「新しい部隊?」


「はい、今現在マットの部隊は歩兵、騎兵、弓、魔導兵器の4部隊で構成されています」


「ああ、そうだな」


「これに魔法部隊、隠密部隊を加えたいと思っております」


「それってどっちも人数が足りなくない?というかこっちの世界で魔法を使える一般人を見た事ないけど?」


「それなのですがマガストールさんの報告で魔法を使える部族を見つけたそうなのです」


まぁ俺達も使えるんだから、使える人がいてもおかしくないけど……

というか魔法が存在している世界なのに、今まで使える人がいなかった方がおかしいのか?


「それでその部族はどこに?今回の謁見には来てなかったみたいだけど?」


「その部族はこの国にはおりません。と言いますか、正確には今回イグニアス王国に編入した際、境界沿いの外側のかなり人里離れた場所にひっそりと暮らしていたようです」


ん?境界の外側の人里離れた場所?

というか……


「マガストールはそんな所で何をしていたの?」


「私がお願いして新しい境界の確認をしてもらっていた時に見つけたみたいです」


ああ……ケインさんもう新しい領地の視察をしてたんだ……

祭りに浮かれてた俺とは違うんだね……


「それってやっぱり虐げられた少数部族だったり?」


「報告では少数ではないですが虐げられた部族なのは間違いなさそうです」


邪龍戦争の後で虐げられた部族がどのくらいいるのだろう?

俺には記憶はないが、負けた責任はあるかもしれない。

出来るだけ救ってあげたいが、まずは虐げられた理由を聞かなければならない。


「それで?隠密部隊は?」


「先日の半蔵という方が仲間になってくれるのであればチャコさんを筆頭に裏工作の部隊を作ろうかと」


そっちは何となく予想通りだったな。

まぁそれも隠密衆とかいう人達が配下になるのが前提なのだが。


「それは両方とも仲間になってくれたら考えよう」


「わかりました。ではその時に再度お話させて下さい」


今はない戦力の事よりある戦力のパワーアップが最優先なのだ。

こうして軍事会議は終わるのだった。



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