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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
建国奮闘編
120/160

117話 祭り本番

累計30000PV突破!!


いつも読んでくださりありがとうございます。

これからも作品を可愛がってもらえるよう頑張ります。

研究所に着くとミーシャ達が待っていた。


「おっ!!男性陣もいい感じに仕上がってますね!!」


そう言われて周りを見ると女性達も祭り仕様に変わっていた。


「さぁリブ様!!上に乗って下さい!!出発しますよ!!」


「え?俺は上に乗るの?」


「もちろんです!!この国ではリブ様が神なのですから」


何それ?めっちゃ恥ずかしい……

なんで俺が神なんだ?


「いや……出来ればみんなと一緒がいいんだけど……」


「だってリブ様は祭りの練習に参加した事ないじゃないですか?踊れないし楽器の演奏も出来ない、更に屋根の上で指示する練習もしていないとなればここに座って神っぽい事していてくれた方がいいんです」


まぁそれはそうだけど……

せっかく気合い入れて髪型変えたのに……


「ああ!!じゃあ山車を引く方は?」


「リブ様に引かせる訳にはいきません」


今度はケインに怒られてしまった。

はいはい……わかりましたよ……

山車の上で座ってればいいんでしょ?

俺は山車に乗ると特設された椅子に座る。


「さぁ!!みんな行くよ〜!!」


「「「おお〜!!」」」


ミーシャの掛け声で山車が動き出す。

山車を引くのは男性陣だ。

屋根の上にはケインがいる。


フランとセシルがケインのサポートに入っている。

女性陣は山車の前で踊っている。

楽器隊は、ロイを筆頭にウェンツとクリオが小太鼓、ギートとユリーカが笛、マガストールが大太鼓だ。

みんなしっかり練習したみたいで中々上手い。


流石にこの中には入れないな。

俺はここに座っている事しか出来なそうだ。


しかし……

晒し者になった気分だな……


セントラルシティを抜けプロスパラスに入ると住民や観光客、そして謁見に来た人達が沿道で手を振っている。

とりあえず、笑顔で手でも振っておくか。


俺達はそのまま各街を練り歩き、時計塔のある大広場に着いた。

すると、遠くにプロスパラスの山車が練り歩いているのが見える。


「リブ様!!私達の山車はここで一度あそこに格納して本部席で各街の審査を行いますのでお降り下さい」


屋根の上からケインの声が聞こえる。

俺は山車から降りる。

そして、山車は臨時で設置された格納庫に収納されていく。


山車を降りた俺はケイン、マーチと本部席に向かうと用意された椅子に座る。

テーブルには各審査員の名前が貼ってあり、席は決まっていた。


審査員は俺、ケイン、マーチ、ミーシャ、サリー、カイザーの5人だ。

他のメンバーは休憩室で休んでいる。

というか酒を飲みながら騒いでいる……

俺もあっちがいいな……


そんな事を思っているとプロスパラスの山車が大広場に入って来た。


「さぁ、リブ様?ここからが本当の仕事ですわよ?手元の審査用紙を参考にしっかり審査してくださいね?」


マーチにそういわれてテーブルの上を見ると『審査用紙』が置かれていた。


「なるほど、この審査用紙に書かれた項目に点数を付けて、優劣を決めるわけか」


「はい、その得点の合計で順位を付け各順位ごと賞品を用意してあります」


「わかった。では審査するか」


そして、本部席の前にプロスパラスの山車が到着する。

山車自体は俺達が作ったものなので審査対象ではない。

だが、俺達の作った山車に住民達が装飾を追加してある。

どうやら、個性を追加したようだ。


「ほう、中々いい仕上がりの山車だな」


「ほんまでんな?ワイらの作ったもんに更に追加でっか、中々いい感じでんな〜」


サリーも感動している。

そして、軽快な音楽と共に踊りが始まる。


「おっ!!いい曲だな」


「ええ、芸術の街バランの音楽家達が各街に協力して各々で競っているようです」


なるほど、確かにバランは芸術都市だったな。

という事はあの装飾もそういう事か。


「踊りの振り付けもバランの?」


「ええそうですわ?私達の踊りや音楽もバランの住民達ですよ?」


「しかし、音楽も踊りも各街の住民達と話あって決めているのでバランの人が1人で作ったわけではないですよ?」


「そうなんだ?それはいいな」


そんな話をしていると踊りが終わり、本部席にお辞儀をしていた。


「さて採点なんだけど、そういう事なら山車も採点項目に入れようと思う」


「そうですわね、みなさんも追加項目として入れて下さいませ」


プロスパラスの山車が大広場をぐるっと回って自分達の街に戻るタイミングで次のシキリアの山車が入ってくる。


そして本部席の前で踊ると戻っていく。

こうして全部の街のアピールが終わり最後の街の山車が戻っていくと、審査用紙をヤリスが回収に来た。

どうやら、集計係はヤリスと部下の官僚達みたいだ。


俺達は邪魔にならないように休憩室に移動する。

まぁ酒が飲みたいだけなんだけど……


休憩室に入るといい匂いがしていた。


「おっ?いい匂いだな?」


「リブ様、お疲れ様です!!今、焼きそばとたこ焼きが出来たところです」


奥に鉄板焼きの準備がされ、そこでノエルとチャコが料理をしていた。


「せっかくだから焼きそばをもらおうかな?」


「あっ!!私もお願いします」


隣でケインも焼きそばを頼んでいる。


「はーい!!すぐにご用意します!!」


ノエルが元気よく返事をすると、クリオが焼きそばを2個運んで来た。


「リブ様とケインさんの席はこちらになります」


クリオはそう言うと奥のテーブルに焼きそばを置く。

俺達は用意された席に座るとビールを飲みながら焼きそばを楽しむ。


「美味しいな」


「ええ、祭りって感じがします」


ケインとそんな会話をしながらその場の雰囲気を楽しむ。


「さて、せっかくだから各街を見に行ってみるか」


「私もお供させて頂きます」


「私達もご一緒してもいいですか?」


ギートとユリーカが一緒に行きたいと言ってきた。


「おっ?珍しいな?じゃあ一緒に行こうか」


ギートと一緒に出かけるのは初めてかもしれない。


「まずはどこからいこうか?」


「龍谷の里から見てみましょう」


「わーい!!楽しみです!!」


ユリーカが嬉しそうにはしゃいでいる。

そして、4人で外に出て龍谷の里に向かう。


「リブ様!!是非寄って行って下さい!!


「リブ様〜!!お祭り楽しいです〜!!」


「あ〜リブ様だ〜!!」


龍谷の里に向かう途中で住民達から沢山声をかけられる。


「ああ、後で寄らせてもらうよ。みんなも目一杯楽しんでくれ」


俺達もその声に応えながら歩いて行く。

そして龍谷の里に着くと、気がついたドラゴニュート達が俺達の前に跪く。


「ああ、今日はそういうのいらないから。というかもうみんな家族なんだからそんな事しなくていいよ?」


「いえ、リブ様には我々を受け入れて頂いたご恩がございますれば」


「おいおい、今日は祭りだぞ?もっと気楽にいこうぜ?」


「はっ!!」


だからそれがいらないんだってば……


「ところで龍谷の里は何を出しているんだ?」


「はい、我々は祭りというものが初めてでして……セバスチャン様にご協力を頂きながら参加させてもらっています」


「ほう、セバスチャンが?」


「はい、こちらでは射的や魚すくい、肉焼きなどの屋台を出しています」


「リブ様!!私肉焼きっていうのを食べてみたいです!!」


ユリーカの目が輝いている。


「そうだな、肉焼きを4個もらえるか?」


「はい、すぐにこちらに用意させて……」


「いや屋台まで行くよ。祭りなのに街の入口で食べるなんて嫌だからな」


俺は笑いながら街の中に入ると肉焼きの屋台まで歩く。


「リ……リブ様!!」


「そんな驚くなよ……俺だって祭りを楽しみたいんだから」


肉焼き屋台の主人は俺の突然の訪問に緊張している。


「し……しかし……王城の料理のように美味しいかどうか……」


「だから普段通りでいいって……別に文句は言わないよ……」


そんなやり取りをしながら肉焼きを4個受け取るとユリーカ達と一緒に食べる。


「これ凄く美味しいです!!」


「ああ、これは美味しいな」


「ええ、美味しいです」


「これ王城でも出して欲しいですね」


俺達の感想に屋台の主人は大喜びしている。

それから射的や、魚すくいを楽しみ龍谷の里を後にする。


「楽しかったな」


「はい!!次はどこに行きましょう?」


「そのまますぐ近くのラティフンディアに行こう」


「楽しみです!!」


ユリーカは元女子高生らしく祭りを心から楽しんでいる。

ギートも来た時より年齢に近い反応になっている。


そういう意味ではギートにとって同年代のユリーカが仲間になったのは良かったと思う。

はしゃいでいる娘達を見守る父親の気持ちになる。

いや?妹を見る兄か?


まぁどっちでもいいか。

ケインも2人を微笑ましく見ているので同じ気持ちのようだ。


そして、俺達はラティフンディアに到着した。



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