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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
建国奮闘編
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116話 祭り開始!!

シェライルを属州都市にして城に戻るとケインが待っていた。


「リブ様、お疲れ様でした」


「ああ、これで問題のある街はないよね?」


「はい、後は謁見でどうされるか決定するだけでございます」


「というかもう決まっているんでしょ?」


「はい、大体はそのまま地方都市としての役目をしてもらう予定です」


ケインはニコッと笑いながらそう答える。


「これで気兼ねなく祭りを楽しめるって事だな」


「はい、それまでゆっくりお休みください」


ケインからシェライルの件を聞いtw時はどうなる事かと思ったが無事解決できて良かった。

後は祭りの後に牢にいるコーリアス達の処遇を決めれば全て終わりだ。

俺は部屋に戻ると布団に入りゆっくり目を閉じるのだった…………


そして、あっという間に祭りの前日になった。

街には住民や観光客、そして招待客などが大騒ぎだ。


今日は新しく配下になる街の代表や城主達との謁見の日だ。

王城の謁見の間にはマットの幹部だけじゃなくメンバーも勢揃いしている。

他には属州都市の代表達も脇を固めていた。


「さて、今日は謁見の日だ。もし気になる人材がいれば即登用するから全員しっかり見極めるように!!」


「「「はっ!!」」」


俺の言葉に全員の顔が真剣になる。


「では始めよう」


セバスチャンが謁見の間の扉を開く。

そこにはカラが立っていた。


ん?最初がカラ?


「私はカラと申します。モンスターに追われている時にリブ様に助けて頂いた者です」


なぜかカラは俺の顔を見ながら頬を赤らめている。


「これはあれですね?」


「ええ、間違いなく」


俺の隣でマーチとミーシャが小声で話をしている。


「ん?あれって?」


「リブ様はそういう事には鈍感なのですから、気にしなくて大丈夫です。先を進めてください」


とマーチに言われてしまった。

鈍感とは?よくわからないはこれから大勢の人と謁見しなければならないので気にせず先に進める。


「それで?カラさんはどうするつもりなのですか?」


ケインが笑いを堪えながらカラに質問する。


「はい、出来ましたら私も配下に入れて頂きたく」

(そしてリブ様のお側に居られれば嬉しいです)


最後に何か言っているが小さすぎて何も聞こえない。


「カラの職業は?」


「はい!!私はエルフの格闘家です!!」


エルフなのに格闘家なんだ……

まぁ本人の趣味だろうからいいけど、イメージと合わないな……


そんな事を考えているとケインが俺の方を見ている。


「ん?ああ、ではカラを配下に入れる事にする!!役職は後日決めるのでそれまではネージュの手伝いをするように!!」


「はい!!ありがとうございます!!」


カラは嬉しそうに返事をすると一礼して部屋から出ていく。

そこからは、目紛しく次々と代表や城主が俺に挨拶に来る。


決められた台詞をひたすら繰り返す時間が過ぎていった。


「リブ様、次が最後でございます」


セバスチャンがそう言うと扉が開く。

そこにはクーパー、マーチンそれとワイズ、ゲーリックが立っていた。


「え?」


「リブ様、クーパーと申します。以後よろしくお願いします」


「うんそれは知ってるけどなんでクーパーが?」


「私達は仲間に入れて頂きましたがまだ役職を頂いておりません。ですので今回は新規参入者として謁見させて頂きました」


確かに……

ずっと一緒にいたから忘れてたけど、4人には役職を与えていなかった。


「そうか……どうしよう……ちなみに日本での仕事は何を?」


「私は広告代理店で企画運営をやっていました」


「私はマネージメントを」


「私は機械整備士をやっていました」


「私はイベント企画会社で働いていました」


それぞれの仕事を聞いて思い付いた事があった。


「リブ様、クーパーさん達にドリームパークの運営を任せてはいかがでしょう?」


ケインが隣から俺が思っていた事を囁いてくる。


「俺も同じ事を考えていた。ではクーパーにはドリームパークの責任者をマーチンにはマネージャーをワイズには機械整備責任者をゲーリックにはイベント企画長に任命する!!」


俺の言葉と共に4人の体が光り出す。

そして、どこかのテーマパークのような制服姿に変わる。


「これでテーマパークの方も安心だな」


信頼できて専門的知識のあるメンバーが揃った。

ここにヤリスを加えれば完璧だろう。


こうして杞憂だった人材も獲得出来て満足する結果で謁見が終了したのだった。


その夜、俺達はベランダにいた。

祭りの前夜祭を開始する為だ。


「リブ様、それでは宣言をお願いします」


「これより七夕祭りの前夜祭を開催する!!今日から始まる祭りを大いに楽しんでくれ!!」


「「「「おお〜!!!!!」」」」


「乾杯!!」


「「「「乾杯!!!!!」」」」


「さていよいよだな」


「ええ、精一杯楽しみましょう」


俺とケインはグラスを重ねると一気に飲み干す。

城下でも住民達が楽しそうに騒いでいた。


翌朝、俺達はミーシャに呼ばれて大広間にいた。


「ミーシャどうしたの?珍しく朝早くから集合なんて」


「リブ様!!イグニアス王国の最初の祭りですよ?なんでも最初が肝心って言うでしょ?だから今日が全てのスタートなんです!!ここでしっかり祭りの文化を住民達に植え付ける事によって今後のイベントが変わってくるんです!!」


「うん、それと朝早くからここに集められた理由が結びつかないんだけど?」


「この世界で祭りを知っているのは私達だけなんですよ?住民達は盛り上がり方を知らないんです!!そこでまずは私達の山車が1番初めに出陣しようと思います!!」


「なるほど……セントラルシティの山車を参考に各街が真似をするって事か」


「その通りです。そしてこれがセントラルシティの法被です!!」


ミーシャが黒い法被を取り出す。

袖の先端部は青いラインが入っており、背中には波の模様が描かれ、真ん中に赤で『祭』の文字が配置されている。


「かっこいいな」


「はい!!でもこれは男性用です。女性は花柄になっています」


女性用は、左肩から右腰にかけて花柄も模様が描かれていた。

見た目も可愛い感じだ。


ミーシャが嬉しそうに祭り衣装一式をみんなに配っている。


「さぁ、みんな着替えたら王城前に集合して下さいね。私はサリー達と山車を用意しますので」


そう言うとミーシャはサリーとウェンツを連れて大広間を出て行った。


「じゃあ俺達も着替えるか」


「そうですね」


それぞれ衣装を持って自分の部屋に戻って行く。

着替えを終えて部屋から出ると、ケインが立っていた。


「あれ?ケインどうしたの?」


「はい、少々問題が起きまして……」


ん?ここに来て問題?


「何があったの?」


「大した事ではないのですが……」


なんかケインにしては歯切れが悪いな?


「どうしたの?」


「それがですね……髪型を変えようと思うのですが……どうしようかと……」


ん?髪型?


「祭り仕様にするって事?」


「はい、せっかくですのでいつもと違う髪型にしようと思いまして」


「なるほどね、じゃあ風呂場に行こうか」


俺はケインと風呂場で髪型をセットする事にした。

風呂場に向かう途中でカイザー達と会ったのでみんなも誘ってみた。


「それはいいですね、私達もご一緒させて頂きます」


と言うので全員で髪型を変える事になった。

とはいえカットする時間はないので、全体的に髪を立たせるか編み込みするくらいしかできないのだが……


それでも、みんなイケメンなだけあってそれなりにカッコよくなった。


「さぁ、気合いを入れて山車を引き回すか」


「「「はっ!!」」」


支度を終えた俺達は山車のある研究所に向かうのだった。




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