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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
建国奮闘編
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113話 祭りの準備と謎のボス

城に戻った俺達は玄関で固まっているセバスチャンとアイーナに説明をして城の中に入る。

セバスチャンは大喜びで街中に発信している。

アイーナは宴会の用意をしにキッチンに向かって行った。


「また宴会か……もう祭りとかやらなくてもいいレベルで飲んでない?」


「いえいえ、それでは本末転倒かと……」


ケインが呆れている。


「いいではないかしら?ワイズさん達の歓迎会も兼ねてという事で」


宴会となると張り切るマーチとミーシャが笑顔で風呂に向かって行く。

って、マーチさん?あなた戦争で何かしました?


まぁいいか……


それよりワイズ達の部屋を決めないと

俺は階段を上がると2階も3階も広くなっていた。


「えっと、ワイズはこっちの部屋でゲーリックはこっちね」


「ありがとうございます」


2人はそう言うと部屋に入って行く。

そして、階段を降りて1階に戻って来た時だった。


「きゃー!!!!」


風呂場から悲鳴が聞こえた。


「ど……どうした?」


慌てて風呂場に向かうとそこにはノエルとギートとユリーカが立っていた。


「どうしたの?」


「あっ!!リブ様!!お風呂が……」


「風呂がどうしたの?」


「めちゃくちゃ広くなっているんです!!」


ん?

それが?

もしかして今の悲鳴ってそれだけ?


「えっと……もしかして今の悲鳴って?」


「はい、お風呂が凄くてびっくりしたお姉ちゃんの悲鳴です」


ノエルが申し訳なさそうに答える。


「まぁ何でもなくて良かった。ゆっくり癒やしてくれ」


そして風呂場に来たついでに俺も入る事にした。

風呂場に入るとそこには見慣れない脱衣所と洗面台が並んでいた。


「え?これってまたミーシャが?」


「いえ違うみたいです。王城を統合した影響で勝手に拡張されたみたいです」


気がつくと後ろにケインが立っていた。


「と言う事は元々あるものは勝手に増えたり変化したりするって事?」


「そのようですね。ない物は作られないみたいですが」


俺達は風呂場内を見回す。

浴室やサウナは大きくなっている。洗い場も増え浴槽も広くなっているが、新しく何かが出来ている訳ではなかった。


「ふむ、部屋もそうだけど増えたり大きくなる事はあっても何かを作るわけじゃないんだな」


それが確認出来ただけでも収穫だな。

これから統合する前に増やしたり大きくしたいものを作っておけば簡単に増やせるって事だからな。


そんな事を考えながら風呂から出ると、大広間には宴会の準備がされていた。


「なんかもう宴会が普通になってきたな……」


まぁ悪い事ではないのだがここまで多いと飽きてくる。

そんなこんなで数えるのも面倒な宴会は今夜も開催されるのだった。


それから月日は流れ祭りまで5日という日になった。


「さて、みんなの準備も佳境に差し掛かって忙しそうだな」


「はい、我々も警備の訓練や山車の通る道順や順番決めで大忙しです」


俺はケインが作業中の参謀本部にいた。

なぜそんな所にいるのかというとケインに呼ばれたからだ。


「それで?今日呼ばれた要件は何?」


「リブ様との謁見が2日後に予定されているのですが、そこに新たに国の一員になった街の代表達がお会いしたいと申し出て来たのです。それで1日早くその方達と謁見をお願いしたいのですが、まとめてお会いするかそれとも順番にお会いするかで時間の配分が……」


「ああ……そうだな、街の代表でも格とかあるのかな?セバスチャンに聞いてみるか」


「そうですね……しかし、私は今祭りの準備で手が離せないのです……」


「ああいいよ、それは俺が動くから後でケインに報告するよ」


「申し訳ございません。よろしくお願いします」


俺はケインの部屋を出ると祭りの準備で忙しそうにしているセバスチャンを見つけると、先程の話をする。


「それに関しては問題ございません。仮に格があったとしてもリブ様の方が遥かに上の存在ですので失礼にはあたらないですね」


と簡単に答えられてしまった。


「そうなのか?まぁそれならまとめて会っても大丈夫そうだな」


「はい、もしそれで文句を言う代表がいればその方は今後居場所がなくなるだけですので」


なんか怖い事を言っているけど聞かなかった事にしよう。


「忙しい時に悪かったね」


「いえ、問題ございません」


そう言うとセバスチャンはまたどこかに行ってしまった。


「とりあえずケインに報告に行くか」


俺は参謀本部に向かいケインに報告する。

するとケインが


「リブ様お時間があるのでしたらここに行って来ては頂けませんか?」


と地図を手渡して来た。


「ここは?」


「はい、新しく参入した街なのですが、現在代表がおらず謁見に来れないそうなのです。しかしリブ様には挨拶したいと住民から後で嘆願書が来まして……」


「なるほど、わかった。今、丁度暇だから今から行ってくるよ」


「では誰かを護衛に付けます」


「でもみんな忙しいだろうから1人でもいいよ?」


「いえ、王が1人で外出などさせられません」


とケインに怒られてしまった。


「あっ!!ではクリオを付けましょう。彼は今そこまで忙しくないはずですので」


暇認定されたクリオが可哀想だな……

まぁクリオならいいか。


そして、クリオと2人でシェライルという街に行く事になった。

なんでも代表が亡くなったばかりで代わりに謁見に参加出来る人物がいない街らしい。


かなり特例ではあるが俺が祭りまで暇なのは事実で、みんなが忙しくしている所にいるのも気が引けるというのも理由のひとつだ。


「よし、じゃあ行こうか」


「はい、お共させて頂きます」


クリオと話をしながら今まで国境があった場所まで来ると、1人の女性が何やら困っていた。


「どうしました?」


俺が声をかけるとその女性はこちらを警戒している。

うん、別に不審者ではないのだが……


「あ……あなたには関係ない事ですのでお気になさらず!!」


「な!!このお方を!!」


「あークリオいいよ。この辺はモンスターも出ますから気をつけてください。では」


これでもこっちに来て陰キャは卒業しつつあるが、基本的には人見知りなので関係ない人には関わりたくないのだ。

俺とクリオはそのまま素通りしようとする。


「ちょ!!女を1人でこんな所に置き去りにする気?」


いや……あなた今関係ないから気にするなって言いましたよね?


「しかし……関係ないからと……」


「だからって本当に置いて行く事ないじゃない!!」


なんだ?このわがままな人は?まるで……

そこまで考えたが、ふと背中に寒気を感じたのでやめておく。


「じゃあどうしたらいいんですか?」


「せめて近くの街まで送るとかしません?」


「俺達も急いでいるので関係ない人を街まで送る義理はないけど?」


「うっ……嘘よ!!私今困ってるの!!だから助けてくれない?」


最初からそう言えよ……


「では、近くの街まで一緒に行きますか?」


「そこまで言うなら一緒に行ってあげてもいいわよ?」


なぜ上から目線なんだ?

まぁ街に着いたらさよならだからいいか……


「お前!!なんだその態度は!!」


「クリオ……落ち着け……」


「しかし!!」


「まぁまぁ、それで?名前を聞いても?」


「女性に名前を聞くなんて失礼な人ね?まぁいいわ?私はカラよ」


カラと名乗ったその女性は短髪の黒髪で小柄な女性だった。


「それで?こんな所で何を?」


「新しい王様の所でお祭りがあるって聞いて城から出て来たのよ?そしたらモンスターが出て逃げ回っているうちに道に迷ったの」


ん?

城から出てきた?

祭りを知っているという事はこの女性も日本から?


「えっと、もしかして日本から?」


「ええそうよ?っていってもこっちに来てから半年近く城の隣にある街以外行った事ないけど」


はっ?半年も引きこもり?

でも一応街には行ってるって事は引きこもりでもないのか


「じゃあ祭りの事はその街で聞いたの?」


「そうよ?他にどこで聞くっていうの?」


「はぁ……まぁ……」


「リブ様、この女大丈夫ですか?」


クリオが小声で俺に聞いてくる。


「なんか最初の頃のクリオみたいだな」


俺は笑いながら小声で返す。


「なっ!!それは酷いです……」


少し前の自分を思い出したのかクリオが恥ずかしそうにしている。


「ちょっと!!何をコソコソ話しているの?」


それを見たカラが怒っている。


「ああ、すまない。こっちの話だ」


そんな話をしながら歩いていると目の前に炎に包まれた巨人が現れた。


「こいつよ!!私を襲って来たモンスターは!!」


カラが慌てている。


「初めて見るモンスターだな?というかボスっぽいけど地形の中にいないのはどういう事だ?」


「わかりません。私も初めて見ます」


『俺はイフリートだ!!地形にしか存在できない低レベルのボスと一緒にされるのは心外だな!!』


イフリート?地形を持たないボス?


「それはすまなかった。それで?そのイフリートさんが何の誤用で?」


『ふん!!雑魚に答える必要はない!!』


「何を!!話が出来るとはいえ所詮はモンスターのくせに!!」


「クリオ……落ち着け……」


「しかし!!」


この件さっきもやったな……

まぁいいか……


『貴様ら!!許さん!!ここで死ね!!』


イフリートは怒って戦闘態勢に入る。

こうして、イフリートと戦闘が開始されるのだった。


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