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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
建国奮闘編
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112話 新たな仲間と統合

俺は戦争を終えたケイン達の待つ王城の前に来た。

俺の顔を見ると、休んでいた兵士達は一斉に立ち上がるとすぐに整列する。


その奥にケインが立っていた。


「リブ様、無事勝利しました」


「そうみたいだな、それで?俺はどうすればいいんだ?」


「はい、クーパーさんと戦闘して頂いて……」


「え?クーパーさんと戦うの?」


「まぁ実際には王城を燃やして頂ければそれでいいかと」


「そうなんだ。じゃあ早速燃やすか?」


『ま……待て!!』


「ん?ドラゴンが何か言ってるけど?」


『お主がクロートか?』


「ああ、俺がリブ・クロートだけど?それがどうした?」


『王城を燃やす必要などない!!お主が王城に入ればいいのだ!!そして30分ほど待てばそれでこの王城はクロートのものになる!!』


「ああ、そうなんだ?じゃあ早速入らせてもらうよ?」


『ふー……全く……あいつに攻撃されたら王城が跡形もなく消える所だったわ……」


「ふふふ……リブ様は規格外ですからね」


「ああそういえば!!ここに寝てる兵士と将軍達はどうするの?コウリュさん達も気絶してるみたいだけど」


「あっ!!忘れてました!!」


「クーパーさんどうしますか?」


「そうですね。まずは起きたら話をしたいです」


「じゃあ見張りを頼む。俺が王城に入ってる間に目を覚ましたら逃げちゃいそうだから」


「了解しました。我々で見張っておきます」


俺はケイン達に任せて王城に入る。


「クーパーご苦労様」


「リブ様、お待ちしていました」


『クロートよ、そこにいるのが赤いドラゴンか?』


青いドラゴンは俺の隣にいるフェルノを見る。


「ああ、名前はフェルノだ」


「ファフニールだな?我には記憶がないが存在は知っているぞ?」


『ふっ若造が偉そうに……まぁいいだろう。その通り我はファフニールだ。フェルノといったか?お主本当にケルティックの生まれ変わりか?』


「そうみたいだな、気がついたら王城を守っていたからな」


『そうか……聖龍に会えば記憶も戻るだろう。それで?クロートよ我も仲間にする気はあるか?』


「仲間になってくれるのか?それなら是非お願いしたいが」


『ははは!!我は元々クロートに付いていたのだ!!こちらから頼みたいくらいだ!!』


「じゃあ俺がこの王城を手に入れたら頼むよ。名前を付けたら人化出来るみたいだし、この城の守護龍として守ってくれると助かる」


『ああ、任された!!』


「そろそろ時間ですね」


「じゃあ、外の後始末をしに行こうか」


「そう……ですね……」


クーパーは下を向く。


「コウリュさん達の事は仕方ないですよ」


「ええ、リブ様の言う通りなのですが……やはり、割り切れないです……」


クーパーは今度は空を見上げている。


「とりあえず行きますか」


「はい」


そして俺とケイン、そしてクーパーとマーチンの4人は王城の外に出る。

そこには気がついたコウリュ達が座っていた。


「クーパーさん……ごめんなさい……」


コウリュは泣きながらクーパーに謝る。


「あなた達がスパイだったなんてね……すっかり騙されたわよ?」


「シトールは私の……」


コウリュがそこまで言うとクーパーがそれを遮る。


「いいのよ?私もマーチンの為だったらそのくらいするもの」


「でもワイズとゲーリックは許してあげて欲しいの……彼らは何も知らずに私の護衛として付いて来ただけだから……」


「コウリュ……それは違う……」


「ああ、我々もシトールに命令されて……」


「そ……そんな……」


真相を聞いて、コウリュの顔色が変わる。


「まぁ、過去の事はどうでもいいや。それで?3人はこれからどうするつもりなの?」


「リブ様……流石にそれは……」


「だって、大事なのは今までじゃなくて今からだろう?コウリュ達は負けたんだから、当然この国に残るかどこか他に行くか決めなきゃいけないでしょ?」


「それはそうですが……」


ケインは呆れている。


「いやいや、俺だって鬼じゃないよ?ここに残るならこれからも仲間なんだから問題ないだろ?もしここから出て行くなら仕方ないけどね」


「まぁ……それもそうですね」


「それで?3人……いや5人はどうするつもりなの?」


俺はコウリュ達の後ろに現れたシトールとハンを見る。


「俺はこの国を出るぜ?平和な国なんて反吐が出るからな」


ハンはそう言うとサッと振り返り歩き出す。


「好きにしてくれ。それで?そっちの王候補さんはどうするの?」


「攻防戦で王の権利は取られないみたいですので他の国で力を付けてあなたを倒します」


「そうか。じゃあまたどこかで会おう」


「クーパーさんごめんなさい。私はシトールと一緒に出て行きます」


「ええ、それがいいわね」


「じゃあワイズさん達も?」


ワイズとゲーリックは2人で顔を見合わせると


「いえ、私達はリブ様の元にいたいと思います」


「え?」


「コウリュさんと違って私達はシトールに対して思い入れも何もないですし、そもそも着いていく義理がないので」


「ええ、それに城に戻ると言う事はあのマットの高水準の生活から底辺の何もない生活に逆戻りすると言う事ですしね……」


「ああ、なので私達はリブ様の元で働かせて頂きたいと思います」


ワイズとゲーリックは頭を下げて俺にお願いしてくる。


「まぁ俺は来るものは拒まないし去るものは追わないっていうのが信条だから別にいいけど」


俺はチラッとクーパーとマーチンを見る。

2人ともそれに気がつくとニコッと笑いながら頷く。


「じゃあワイズ達のマット加入を認めます」


「ありがとうございます!!」


こうしてワイズ達が仲間になった。


「よし!!これでゆっくり祭りを楽しめるな!!」


俺が帰ろうとすると


『待て!!クロートよ大事な事を忘れていないか?』


後ろからファフニールが大声で呼び止める。


「はて?」


『はて?ではないわ!!!!』


「リブ様……この城の名前を決めませんと……」


クーパーも呆れている。


「ああ……すっかり忘れてた……」


『しかも我に名前を与えてくれる約束はどうなった?」


おっと……そっちも忘れてた……


『全く……』


「ごめんごめん……えっと城の名前か〜クーパー何かいい名前ある?」


「そうですね……」


「あれ?そういえばここってもうイグニアス王国なんだよね?」


『ああ、先程国の統合が終わって領地が変更されたぞ?』


「それなのに城の名前が必要なの?」


『必要だな。お前はここに更に王城を獲得したのだから』


「ねえ、王城の統合はできないの?」


『はっ?王城を統合するなんて聞いた事がないぞ?』


「聞いた事がないだけで出来ないわけじゃない?」


『そもそも王城を統合しようなどと考えた王がいないからな』


「じゃあ出来るんじゃない?1つの国に王城が2個って不自然じゃない?」


『だからこそ以前のクロートは配下に領地を与えてここを任せていたのではないか?』


「でもさ、今回はクーパーも俺の城に入りたいんでしょ?」


「はい、私だけここに住むなんて嫌ですよ?」


「なら統合してみようよ。そうすればファフニールも俺達の城に来れるって事でしょ?」


『ふむ……やってみるか……赤いの、いいか?』


「我はフェルノという名前なのだが……まぁよい。やってみるか」


「その前にファフニールの名前を決めよう」


『おお!!頼む!!』


そう言うと俺は考え込む。

そう……忘れていたが俺は名前を決めるのが苦手なのだ。


青い龍……ブルードラゴン?

ありきたりか?


「なぁそういえばフェルノは炎系だったけどファフニールは何系なの?」


『我は氷系だな』


氷か……


アイス?うーん……かっこいい外国語はないかな?フランス語はなんだっけ?


グラソン?


あっ!!


「グラキエースなんてどうだ?」


確かラテン語だったかな?


何かのアニメのキャラにもそんな名前の人いたしいいんじゃない?


『グラキエース……いい名だ!!ではこれからはグラキエースと名乗ろう!!』


ファフニールがそういうと次の瞬間体が光り出す。

そして、人型に姿を変える。


青というより水色の髪で細身の賢そうな顔をしたイケメンがそこに立っていた。


「なんというか……かっこいいな……」


「そうなのか?自分の顔が見えんからなんとも言んが?」


嫉妬してしまいそうなので話題を変えよう。


「そんな事より祭りの準備を進めたいから早いところ統合してくれ」


「おお!!そうだったな」


そして、フェルノとグラキエースは王城の統合を試みる。

2人が気を集中させると王城が光り出す。


その瞬間、ドーンという音と共に俺達は見慣れた城の前に立っていた。


「帰って来た……のか?」


そう言って城の中に入ると玄関に驚いた顔のセバスチャンとアイーナが立っていたのだった。

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