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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
建国奮闘編
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107話 開戦!!

ついに王城攻防戦開始された。

各々緊張の面持ちで草原を見つめている。


そこに1人の男が近寄って来た。


「来ましたね」


「1人だけ?リブ様くらいの戦力があるのでしょうか?」


「わかりませんが気を引き締めていきましょう」


そして、男が軍隊の目の前まで来ると、コウリュ達の顔色が変わる。


「クーパーさん……」

 

「コウリュ?どうしたの?」


コウリュは小刻みに震えている。


「よう!!コウリュとワイズとゲーリック!!元気だったか?」


男はコウリュ達に向かって大声で挨拶をした。


「コウリュ?知り合いなの?」


クーパーがコウリュに話かけるがコウリュの耳には届いていない。

ワイズとゲーリックも顔が引き攣っている。


「3人ともどうしたの?」


「最後の警告だ!!お前ら一緒に戦おうぜ?」


男はコウリュ達を呼んでいる。


「コウリュ?」


「あの人……まさか……」


「コウリュさん間違いありません」


「ええ」


コウリュとワイズとゲーリックが固まっている。


「もしかしてあの人が?」


「はい、私達の盟主です……名前はハン……私達を捨てた癖に今更何を?」


目の前にいる男こそがコウリュ達の盟主なのだ。


「街の住民達も待ってるぜ?早くこっち来いよ!!」


ハンはニヤニヤしながらコウリュ達に話かける。


「街のみんな……」


「コウリュ!!大丈夫よ!!私達が取り戻してあげる!!」


クーパーは男を睨みつける。


「そんな事言っていいのか?お前達は俺の仲間なんだぜ?盟主に逆らうなんてそんなのルール上ダメだろ?なぁ?ドラゴンさんよ!!」


『残念だが、彼らは攻撃同盟のメンバーだから、防衛には参加出来ない』


「そ……そんな……」


「クーパーさん、ごめんなさい……」


コウリュ達はそう言うと男の元に歩いて行く。


「コウリュ……」


「さぁ楽しいパーティーを始めようぜ?」


コウリュ達がハンの元に着くと後ろから軍勢が現れる。


「え?あんな軍勢どこから?」


「ケインさん!!あの男の城がすぐそこに!!」


チャコが慌ててケインの元に来て報告している。


「城ごと飛んできたと言う事ですか……しかもコウリュさん達と戦わなければならないという……」


「これは予想外でした……」


「クーパーさん大丈夫ですか?」


「ええ……今はリブ様の為に戦うだけです……」


「ケインさん、もう一団こちらに向かって来ています」


クリオがチャコの隣に来るとケインにそう報告した。


「時間をかけていると不利になりそうですね」


「ケインさん、コウリュ達の事は気にしなくていいです。今は目の前の敵を倒す事だけ考えましょう」


クーパーは真剣な眼差しで相手を見据える。

しかし、その顔はどこか寂しそうだ。


「さぁ開戦です!!」


ケインの号令でロイとネージュの歩兵隊が前に出る。

カイザーも臨戦態勢だ。


「ネージュさん、コウリュさん達が相手ですが……」


「ええ、でもケインさんは戦う選択をしたみたいですね」


「ロイさん、ネージュさんここは心を鬼にして戦うしかありません」


前線の3人はやり難そうにしている。


「「「おお〜!!!!」」」」


相手の騎馬隊が雄叫びを上げて、真っ直ぐこちらに向かって来ている。


「仕方ありません」


ロイはため息を吐くと


『スパイラルピアース!!』


ロイが槍を高く振り上げると旋風が巻き起こり、相手に向かって飛んでいく。


『新星爆発!!』


ネージュもほぼ同時に地面を蹴ると爆発を起こす。

こちらに向かって来ていた相手の騎馬隊が一瞬にして宙を舞う。


2人ともロードナイトと聖帝に昇格していた。

今放った技は、新しいスキルだ。


「騎馬隊!!突撃!!」


カイザーの声に騎兵隊が全速力で突進して行く。


「止まって下さい!!」


ロイの声に騎馬隊が反応する。

次の瞬間向かっていた先が爆発する。


「ほう、この技に気がつくか?」


ハンは驚いた顔でロイを見た。


「ロイさん今のは?」


カイザーもロイに聞いている。


「キャノンスピアです。どうやら彼も上位職のようですね。迂闊に近寄れば木っ端微塵です」


「カイザーはん!!左右に展開してくれはりますか?」


後ろからサリーの声がする。


「サリーさん?わかりました」


カイザーは元いた場所に騎兵隊を展開させる。


「ほないきまっせ?」


『魔導ミサイル発射!!』


ドーンという爆音と共に魔導兵隊からミサイルが発射される。

空中に飛散したミサイルが一斉に相手の歩兵目掛けて飛んでいく。


『バニシングポイント!!』


ハンは槍を空中に向けるとミサイルに向かって衝撃波が飛んで行く。

次の瞬間、全てのミサイルが破壊されてしまった。


「んなアホな?」


サリーは目を丸くして驚いている。


「おいおい、こんなもんか?」


「私が出ます!!」


カイザーはそう言うとハン目掛けて突進して行く。


「俺が相手するまでもなさそうだな、ゲーリック行け!!」


ハンにそう言われてゲーリックは渋々前に出る。


「なっ!!」


カイザーの振り下ろした槍をゲーリックが槍で受け止める。


「カイザーさん勝負です!!」


「しかし……」


「来ないのならこちらから行きます!!」


ゲーリックは槍をカイザー目掛けて突き出す。

カイザーはその槍を大盾で受け止めると


「やるしかなさそうですね……」


カイザーはそう呟くとゲーリックと戦闘に入った。


「ワイズもあっちの剣士を倒して来いよ」


ハンはワイズに指示を出す。

ワイズは仕方なくロイに向かって進んで行く。


「ワイズさん……仕方ありません……」


ロイも前に出てワイズと戦闘を始める。


「コウリュはどうするんだ?」


「じゃあ私はネージュさんね」


コウリュはネージュの所に向かう。


「そんな……コウリュさん……」


ネージュは困惑ながらも前に出ると、戦闘態勢を取る。

こうして友とも呼べる相手と戦闘する事になってしまった。


「3人共……なんであんな奴の言いなりに?」


クーパーは不思議そうに後方からその戦闘を見守る。

3人共ハンに従う理由がないのだ。


それなのに3人共こちらに向かって来る。


「チャコさん、あの城を調べて下さい」


ケインがチャコに指示を出す。


「わかりました」


チャコは気配を消すと城に向かって行く。


「ケインさん?」


クーパーはケインの方を向くとその顔を見て何かを感じとった。


「そう……そういう事なのね?」


「ええ、あの行動には何か裏がありそうです」


ケインも多くを語らずクーパーに答える。


「サリーさん、ハンに向かって波状攻撃をお願いします」


「了解や、チャコはんの援護でんな?」


サリーもケインの言葉の意味を理解して、ハンを足止めするように攻撃を仕掛ける。


「ふん!!こんな攻撃全く効かんわ!!」


ハンはその攻撃を全て防ぐと弓隊に攻撃の指示を出す。


「ギートさん!!」


「はい!!」


ケインも弓隊で応戦する。


「これは……」


「ケインさん?どうしました?」


「少しまずい展開ですね……兵士をここで減らすのは得策ではないようです」


「と、言いますと?」


「彼は戦争をしていない……という事です」


「は?どういう事ですか?」


「彼は自分1人の力しか信じていないようです。兵士はただの駒でしか無い……という事です」


「それがなんだと言うのですか?」


「彼にとって兵士もコウリュさん達も生きていても死んでいてもどちらでもいいと……」


「なっ!!」


「つまり、1人でこの軍勢を倒せる自信があるのです」


「ではなぜこのような?」


「彼にとってこの戦争は遊びなのです……」


「人の命で遊んでいる……と?」


「いえ、彼はこの戦争をゲームとして楽しんでいるのです」


「なんて事……」


「今こちらの兵力が減ればクーパーさんを一気に攻め落とすつもりでしょう。もしそれが叶わなければ彼が単身で全滅させるつもりです。もし彼に勝ったとしてもその後から来る軍勢との戦争は苦戦するのは必至……となれば、今はこちらの戦力を減らすのは悪手という事です」


「なるほど……です。ではどのようにしてあの男を倒すのですか?」


「彼はおそらくロードナイトかロイヤルガードでしょう。前者なら近接戦闘を、後者なら魔法攻撃が有効でしょう……しかし、彼は他に何かを隠している可能性があります。最悪レオンさんを使います」


「レオンさん?そういえばここに編成されていませんね?」


「ええ、彼は最終兵器ですから隠してあります。とりあえずチャコさんの報告を待ちましょう」


ケインはそう言うとハンの城の方を見つめるのだった。



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