100話 テイム・テイマー・テイメスト?
俺はフェルノの部屋を出るとケイン達の元に向かう。
王城を移動させる場所の確認の為だ。
城から出るとカイザー達が戻って来ていた。
「リブ様、ついにモンスターのテイムに成功しました」
カイザーが嬉しそうに報告してきた。
そういえばそんなスキルを持ってたな。
「それで?何をテイムしたの?」
「はい、コボルトとウェアウルフをテイムしました」
コボルトとウェアウルフか両方とも中ボスだな。
「マンティコアとかボスはテイムできないのかな?」
「それが……テイムするには条件がありまして……今の私ではボスはまだテイムできないのです……」
あ……なんかカイザーに悪い事を聞いちゃったな……
「ごめん、そんなつもりじゃなかったんだけど……」
「いえ、私が弱いのが原因ですのでリブ様が謝る事ではありません」
「まぁ、その内テイムできるようになるだろうから焦らずいこう」
「はい、これからも頑張って強くなります」
「とりあえず、そのコボルトとウェアウルフに会いたいけどどこにいるの?」
「いきなり街に入れると混乱すると思いまして、城壁の外に待機させてあります」
確かに、いきなり街の中にモンスターなんて連れて入ったら混乱するだろうな。
「じゃあ外まで行こうか」
「はい、では案内します」
俺とカイザーは城門の外まで歩いて行く。
城門の外に出ると、2体のモンスターが立っていた。
「コボルトとウェアウルフだけどちょっと感じが違う?」
「気がつかれましたか?テイムすると雰囲気が変わるのです。恐らくですが、野生のモンスターと見分ける為だと思います」
なるほど、テイムモンスターか野生のモンスターかなんてわからないから、間違えて攻撃しないようにか?
でも見た目はコボルトなのだから知らない人には見分ける事は出来なそうだが……
「野生のモンスターと間違われないように特製の武器と防具を作ろうか。その装備に紋章を付けておけばマット内なら大丈夫だろう?」
「ありがとうございます。君達もリブ様にお礼を」
『アリガトウゴザイマス』
え?
モンスターなのに話せるの?
「言葉が話せるの?」
「はい!!テイムすると話せるようになるみたいです」
マジか!!
それってモンスターの生態とか知るのに重要なんじゃない?
「ですが、モンスターだった時の記憶は無くなるみたいですが……それに名前もないみたいです……」
あら……
「まぁそれは仕方ないな」
カイザーも俺と同じ事を思ったらしく、色々聞いたようだが記憶がなかったらしい。
「じゃあさ、名前をつけてあげようよ仲間なんだし」
「え?私が付けてもいいのですか?」
「ああ、カイザーの従魔になるんだからカイザーが付けてあげて」
「ありがとうございます!!じゃあコボルトはコビーでウェアウルフはウィリーにします」
「コビーにウィリーかいい名前じゃないか?」
「これからはコビーとウィリーだよ。よろしくね」
『コビー……』
『ウィリー』
2体は嬉しそうに自分の名前を繰り返している。
「モンスターとはいえ、これで俺達の仲間になったわけだから同等の扱いをしないとね」
「いいのですか?」
「ああ、問題ないよ」
「ありがとうございます!!」
そう言うとカイザーはコビーとウィリーに抱きついて喜んでいる。
「とりあえず、城に連れて行こう」
俺はそう言うと、カイザー達と城に戻る。
街に入ると住民達が不安そうな顔で見ているが、俺がいるので安心はしているみたいだ。
ついでだから、住民達に話しておこう。
城に行く前に広場に寄ると、住民達が集まって来た。
「集まってくれてありがとう!!このモンスターはカイザーがテイムした俺達の仲間だ!!コボルトがコビーでウェアウルフがウィリーだ!!みんなに危害を与えないモンスターなのでこれから仲良くして欲しい!!この2人には俺の防具を着せるのでそれで見分けて欲しい!!」
住民達はザワザワしているが、俺の言葉に落ち着きを取り戻すとコビー、ウィリーコールが起きる。
2人とも照れくさそうにしているが、悪い気はしないみたいだ。
『ボクハ、コビーデス、ヨロシク』
『オレハ、ウィリー、ミンナヲマモル』
コビーとウィリーが住民達に挨拶している。
これでカイザーも今後更にテイムしやすくなるだろう。
「これからもカイザーが新しいモンスターをテイムして来るだろう!!その度に紹介するからみんなもそのつもりで頼む!!」
俺がそう言うと、今度はカイザーコールが起こる。
カイザーは両手をあげてその声に応えている。
とりあえず、住民達には周知できたので今度は城に戻ってメンバーに紹介だ。
「さぁ、城に戻ろうか」
城に戻るとケインが興味深そうにコビー達を見ている。
「カイザーがテイムしたコビーとウィリーだ。今後俺達の仲間になるのでみんなもよろしくね」
「おっ?名前があるのですね?」
「ああ、さっきカイザーが付けたんだ」
「そうでしたか!!コビーさんにウィリーさん、私はケインと言います。これからよろしくお願いします」
『ケイン、ボクハコビー、ヨロシク』
『オレハ、ウィリー、ミンナトモダチ』
「きゃー!!話ができるのですわね?可愛いですわ!!」
マーチがいつになくテンションが高いが放置しておこう。
ノエルとミーシャもコビーとウィリーを撫でている。
モフモフが好きなんだろうか?
まぁ、仲がいいのはいい事だ。
「さて、コビー達の件はこれで終わりだ。次はテーマパークの話だけど、今日はもう遅いから明日にしようと思う。なので明日は全員大会議室に集合って事で」
「リブ様?大事な事を忘れておりますわ?」
ん?他に何かあったかな?
「全く……せっかくコビーさん達が仲間になったのですよ?」
「ああ、そうだな」
「今夜は歓迎会に決まっているじゃないですか!!」
ああ……マーチさん……飲みたいのね?
「わかったよ。じゃあ今夜は歓迎会って事でアイーナいいかな?」
「そう思いすでに準備できています」
アイーナも段々マーチ化してきたな……
まぁそんな事怖くて声に出して言えないが……
「じゃあ、明日の会議は午後からとする!!」
「「「おお〜!!」」」
みんな飲みたかったんだ……
こっちの世界では仕事の時間は決まっていないし、毎日仕事する必要もないから別にいいんだけどね。
じゃあ何故休日なんて設定しているかって?
それは気持ちの問題というか……日本人は休日を決めないと休めない体質というか……
慣れ親しんだイベントがないと寂しいというか……
まぁ、そんな感じだ。
何はともあれ、コビー達の歓迎会は予想通り朝まで続くのだった。




