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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
建国奮闘編
101/160

98話 一大プロジェクト始動!!

累計20000PV突破!!

読んで下さっている方に感謝です。


熱中症の後、夏風邪で体調不良が続きましたがなんとか復活出来ました。

暑い日が続きますが、皆様も体調にはお気をつけてください。


翌日、俺とサリーは研究所で頭を抱えていた。

ミーシャの無茶振りをどうしたらいいのか考え中なのだ。


「うーん……街の発展というのはわかるんだけど、この施設は本当に必要なのか?」


「いや、ほとんどミーシャはんの趣味ですね……絶対いらんもんばっかやと思います」


「だよな……」


「とりあえず、必要そうなもんから取り掛かっていらんもんを後に回すちゅうのはどないですか?」


「その必要な物がわからないのだが?」


俺の答えにサリーが膝から崩れ落ちる。


「まぁ、テーマパークなんだからテーマを決めないとな」


「こっちの世界であっちの著作権はないやろうが……まんまっちゅう訳にはいかんでしょ?」


「それはそうだろう。なんか独自な物を考えないと」


「ほな、こっちのモンスターとかどないでっか?」


「それはありだが、モンスターをどうするんだ?」


「倒す?」


「なぜ疑問形?」


「可愛いキャラにしたらどないです?」


「うーん、マンティコアを可愛くする自信がないのだが?」


「デフォルメしたら意外といけるんちゃいますか?」


「じゃあ、キャラデザはサリーに任せる」


「えーーーー!!んな無茶な……」


「森とか山とか鉱山みたいな造形を作ってそこから乗り物で冒険するみたいなアトラクションもありだな」


「ほな、アトラクションはリブ様にお任せしますわ」


おっと……やり返されてしまった。

そんなやり取りをしていると、ミーシャが顔を出す。


「決まったかしら?」


「ああ、とりあえずテーマパークのテーマは決まったよ。施設はまだだけどね」


「私は祭りの衣装を作らないとだからお手伝い出来ないけど、期待してますね」


ミーシャはニコッと笑うと自分の部屋に戻って行く。


「期待されても困るのだが……」


「ああなると、中途半端なもんやと満足しませんよ?」


「マジか……」


俺とサリーは顔を見合わせると再度頭を抱える。

何回考えても、テーマパークなど絶対必要ないのだ。


しかも、そこにパチンコや競馬場など全く意味がわからない。


「なぁ、テーマパークの事より祭りで花火を上げるとかそっちのサプライズを考えないか?」


「リブ様……現実逃避ですね?まぁその方が楽しそうやけど」


「いや、いらない施設を必死に考えるのが無駄というか……」


「ですね、それやったら祭りで花火を上げる方が意味がありますね」


「だろ?」


「せやけど、ミーシャはんにはなんて言うんでっか?」


「それは……」


「それは?」


「サリーに任せる!!」


「んな!!無責任な!!」


俺は面倒事をサリーに擦りつけると花火を作り始める。

サリーは隣で頭を抱えていたが、何かを思い付くと怪しい笑顔で花火製作を手伝い始めた。


「それで?この花火はどこで上げるんでっか?」


「どこでとは?」


「この街には川も湖もありまへんけど?安全面で大丈夫なんでっか?」


おっと、そこまで考えて無かった……


「あっ!!」


「ん?」


「テーマパークのど真ん中に湖を作ろうか。そこから花火を打ち上げればいいんじゃない?」


「おお〜それはええ考えですね」


「そしたらさ、ミーシャにも言い訳できるじゃん?」


「あ……そ……そうでんな……」


ん?なんかサリーの反応がおかしい。


「もしかして、俺のせいにしようとしてた?」


「そ……そんな事ある訳ないやないですか!!」


これは確定だな。


「ほな、まずはテーマパークの場所を決めんとでんな」


そうなのだ、王都全体から行けて花火も見える場所に作らなければ意味がない。


「なぁ、どうせならセントラルシティ全部をテーマパークにしちゃうってのはどうだ?」


「は?なんやて?」


王城を中心にして裏手側の草原の方まで城壁を広げて土地を拡張すればかなりの広さになる。

それにテーマパークの中心には城が必要だ。


各主要施設は立ち入り禁止区域にして1箇所にまとめてしまえばいいのだ。

そうすれば、ネージュの店でキャラクターグッズなどを売ればいいし、マガストールの酒場や宿屋もそのまま使える。

ついでにネージュの施設を大きくして3階以上をホテルにしてもいい。

病院もあるし丁度いいだろう。


「とりあえず、ケインに話をつけて来るからサリーは花火を作っておいてくれ」


「了解しました。というかミーシャはんもあれでしたが、リブ様も大概でんな」


サリーの言葉を背中で聞きながら俺は研究所を出る。

そして、参謀本部に入ると丁度マーチが部屋から出てきたところだった。


「あら?リブ様今日はなんのご用かしら?」


「ああ、ちょっとね。ミーシャのテーマパーク計画の件でケインに相談があって」


「あら?ついにあの計画が動き出すのですね?それは私も話を聞きたいですわね?」


まぁこの件に関してはケインというよりマーチの方が適任だろう。

ケインには軍事施設の移動と統合の相談はしたいだけだから、テーマパーク計画は主にマーチに相談するのがいいかもしれない。


「ああ、じゃあ会議室でやろう。ノエルも呼んでおいてくれ」


「わかりましたわ」


そう言うと、マーチは参謀本部を出て行く。

俺はケインの部屋に入ると、そこにはフランもいた。


「ケインちょっといいかな?フランもいるなら2人とも会議に参加してくれ」


「はい?この時期になんの会議でしょう?」


「参謀本部でやると言う事は街に関するお話ですね?」


フランは不思議そうな顔をしているが、ケインは俺の考えを理解してくれているようで嬉しい。


「ああ、マット始まって以来の一大プロジェクトの相談だよ」


「ほう、そのようなプロジェクトに参加させて頂けるとは光栄です」


いやフラン……そこまで光栄な事ではないよ?

ほとんど趣味の延長のようなプロジェクトだから……


俺が頭を抱えているのを見ながらケインは笑っている。


「それでは、会議室に行きましょう」


3人で会議室に移動すると、いつの間にかアイーナが会議室に来ていてお茶を入れている。

もちろんマーチとノエルも席についている。


そして……クーパー?


「えっと?ミーシャがいるのはいいとして何故ここにクーパーさんが?」


そこにはミーシャとクーパーが座っていた。


「あら?この計画を持ち出したのは私ですのよ?」


なるほど、あなたがこのふざけた計画の立案者ですか……

女性陣は大きく頷いている。


「はぁ〜クーパーさんのおかげでこっちは頭を抱えてますよ……」


「あら?頭を抱えているのですか?サリーは計画がかなり進んだって言ってましたけど?」


マーチが不思議そうな顔で俺を見て来る。

と言うかサリーめ!!保身の為に俺を売りやがったな?


まぁサリーのお仕置きは後にしよう。


「さて、それはいいとしてマットテーマパーク計画なんだけど、このセントラルシティを拡張、改造をしてここに作ろうと思う」


「え?」


「はい?」


「えっと……」


「うん、言いたい事は後で聞くとして王城をメインパーツとして中央に設定して、裏と横の城壁を広げてここにマットランドを建設しようと思う」


「思い切った決断ですね……」


「でも城の中は私達の家ですよ?」


「もちろん城内は立ち入り禁止だよ?ランドマークとしてそこにあるだけ。後はこの参謀本部と軍事施設、研究所は少し離れた場所に移動して新たに城壁で囲んでこちらも立ち入り禁止にする予定だ」


「それはありがたいです」


「それで、マガストールの酒場とネージュの商業施設を大きくしてホテルにしようと思う。病院はそのまま残して体調が悪くなった人なんかを介護できるようにしよかと」


「それはいい考えですね」


「そしてメインのアトラクション関係は拡張した区域をエリア分けしてそこに配置する予定だ」


「申し訳ございません。私だけが理解できていないのですが……一大プロジェクトとはここにあのテーマパークを建設するという話で間違いないでしょうか?」


フランが混乱しながら聞いて来る。


「フラン……その通りだ……」


「この世界に?あれを?本気ですか?」


「ええ。かなり本気ですわよ?何か問題でも?」


マーチに睨まれてフランは下を向く。

フランの気持ちはよくわかる。

俺も乗り気ではないのだ。


しかし、ここまで動き出してしまった以上やるしかないのだ。

ケインも諦めた顔をしている。


こうして始まったマットテーマパーク計画は、この後白熱した会議を経て大きく動き出すのだった。








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