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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
建国奮闘編
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97話 祭りは準備が楽しいのです

研究所に戻ると丁度サリーも帰って来た。


「どうだった?」


「はい、大体希望は聞いてきました」


「そうか、じゃあ始めようか」


俺達はとりあえず土台部分から作り始める。

人が乗れるように屋台を作り、その外側に車輪を取り付ける。


その屋台の前後には太いロープを取り付けるフックを付け、上側には落下防止の柵を取り付ける。

装飾は違うが基本的な屋台は全部同じ構造だ。


そこから、各街で聞いて来た希望に近い形で装飾をする。

屋台上部に、かなり大きな目立つ装飾を施す。

こうして、各街の山車が完成した。


「自分で作っておいてなんだけど、凄いな」


「ほんまですね、これが街道を練り歩くと思ったらヤバいですわ」


完成した山車を見ながら自己満足していると


「あら?もう出来たのですか?というかこれここから出ます?」


と両手一杯に半被を抱えたミーシャが入って来た。


「ん?ここから?」


「ええ、だってこんな大きな物作ったらあそこのドアじゃ出れないですよ?」


ミーシャはそう言いながら外に出る扉を見る。


「ほんまや……」


サリーもそれに気がつく。

そう、俺達は気合いを入れて作り過ぎた結果、ここから山車を出すという事を忘れていたのだ。


「どうしよう……今からバラすののも嫌だしな……」


「どうせやったらあそこの扉を改造しましょか?」


「そうだな、壁をぶち抜いてシャッターみたいにしてしまえば、出れそうだし」


そう言うと俺は建設のスキルで壁を壊してシャッターを取り付ける。

しかし、更なる問題が浮上した。


「ここから街道までどうやって運びましょう?」


ぶち抜いた壁の向こうは道がなく擁壁がそびえ立っていた。

そして、その擁壁の向こうは工業区の工場がある。


「擁壁を壊しても工場があるしな……研究所を少し壁から離すか」


「せやけどそしたら軍事施設も移動せなあきまへんで?」


「あっ!!そうだ、魔導兵器を出す所から出したらどうだろう?」


「ええですけど、城壁の外からぐるっと回らなあきまへんで?」


それは面倒だな……

魔導兵器は自走型だから簡単に移動できるけど、この山車は人が引っ張って動かす物だ。

しかも凝り過ぎて左右の旋回は丸太で方向転換する仕様にしてしまっている。


「ここの隣の部屋なら街道に面しているからそこまで壁を壊すしかないですね」


「じゃあ、隣の部屋とここの倉庫を入れ替えよう」


そして、再度建設スキルを使って、研究所の部屋を入れ替える。

今度は街道沿いに倉庫の入口を作りそこから山車を出し入れできるようにした。

スキルで簡単に入れ替えや建設ができるからこその荒技だ。


「これで問題解決だね」


「ええ、これなら大丈夫ですね」


「そんで?これは各街のどこにしまっておくんでっか?」


俺とミーシャが安心していると、サリーが更なる問題を突きつけて来た。

保存する場所か……


各属州都市に格納庫を作っておかないと、いちいちここから出し入れする訳にはいかない。

それに、自分達の物という愛着も湧きにくきなってしまうのだ。


「セントラルシティの分はここでいいかもしれないけど、それ以外は各街のどこかに格納庫を作らないとだな」


「いや……ここに置かれたら兵器の開発に邪魔なのですが?」


俺はセントラルシティの分はここにしまっておく予定だったのだが、サリーに却下されてしまった


「それに、山車が練り歩くルートをマーチさん達に確認しながら格納する場所を決めないと、面倒な事になりますよ?」


ミーシャの言うことは一理ある。

スタートとゴールを同じ場所にしなければ出し入れするのが毎回面倒になってしまうのだ。


「じゃあマーチ達の所に行こうか」


そう言うと、3人でマーチ達の所に向かう。

参謀本部にある、マーチの部屋に入るとそこにはノエルとフラン、そしてロイがいた。


警備ルートの打合せ中みたいだ。


「あら?リブ様?どうされたのですか?」


「ああ、各街の山車を作ったんだけど、練り歩くルートと格納庫の場所の相談に来たんだ」


「山車?ああ、屋台ですね?そんな物を作られていたなんて、リブ様も楽しみなのですわね?」


「夏祭りといえばでしょ?」


「それは間違いないですが、お囃子や踊り子はどうされるおつもりですか?」


おっと、そこに関してはノープランだ。

今から練習して間に合うのか?


「音楽が作れる人と、踊りを考えれる人が必要ですわね。今から探して間に合えばいいですが」


これは困った。

俺にはそんな才能はない。

他のメンバーも、無理そうだ。


「誰かいないかな?」


「本番までまだ時間がありますから、今夜みなさんに相談して明日から探してみてはいかがでしょう?」


マーチはそう言うと、練り歩くルートの確認と格納庫の設置場所の話合いを開始する。


「まず、セントラルシティですが、この参謀本部の隣ながいいと思いますわ?ここから始めて、研究所前からぐるっと左回りでここに戻るというのはどうでしょう?」


「できれば時計塔広場を全部の山車が通過するルートがいいな。そこでお披露目してまた戻る方がなんとなくいい気がする」


「それでは、時計塔広場に本部席を設けましょう。そこの前で踊りを披露して審査するというのも面白そうです」


「じゃあさ、さっきの踊りと音楽は各街の誰かに作らせたらどうかな?」


「それはいいわね。順位をつけて景品を出すようにしましょうか」


と、色々な意見が飛び交う。

しかし、住民に音楽や踊りを作る能力などあるのだろうか?


まぁやってみればわかるか。


「各街も広場に向かうのならルートは一本で良さそうですわね」


マーチが地図に線を書き始める。


「スタートは各街の最奥から広場まで向かって、帰りもその道で戻る感じか」


「そうですわね。それが1番シンプルで邪魔にならないですわ?」


「OK、じゃあそこに格納庫を作ればいいね」


「ルートは決まった?じゃあ次にこの半被を各街で色分けしたいんだけど?うちはどれにする?」


ミーシャは手に持っていた半被をテーブルに広げる。

それを見たマーチとノエルが真剣に悩み出す。


「それに関しては、女性陣に任せるよ。俺は格納庫を作りに行ってくるよ」


俺はそう言うとルートが書かれた地図を持って街に向かう。

まずはシキリアだ。


ここには、広場からの道は一本しかない。

なので、外の城壁にぶつかる所に格納庫を作ればいいのだ。


「リブ様、シキリアにお見えになるとは珍しいですね」


「ん?ああ、レナードか。ここに山車を入れておく格納庫を作りに来たんだ」


俺はそう言うと行き止まりの場所を指差す。


「サリー殿が聞きに来た乗り物ですね?そこの場所なら問題ありません」


レナードの許可ももらったのでサクッと格納庫を作る。


「詳しい操作はサリーから聞いてくれ」


俺はそのまま商業区に向かう。

ここは中央に広場があるので、城門側から王城に向かって練り歩き広場でUターンする感じのルートだ。

なので、内門の近くに格納庫を設置する事にした。


そんな感じで、全ての街に格納庫を設置し終わると、既に夕方になっていた。

明日からは、ミーシャが提案した謎のマット発展計画が始動するのだった。







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