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城から始まる異世界物語  作者: 紅蓮
異世界生活編
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9話 通信と姉妹

ギートが持ち帰った素材でトイレが完成した。

もちろんウォシュレット付きで男女別だ。


これで懸念していた生活レベルの向上は一時完了した。


水がどこからきていて、電気はどうなっているのかとか、排水はどこに行っているのかに関しては全くわからないが、気にしても仕方ないので放置しておく。


何故なら、陽炎城は全部屋に普通に電気が付いているのだ。

キッチンやトイレ、お風呂には蛇口が付いていて水だけじゃなくお湯も普通に出るのだから、もう意味がわからない。


もちろん、他の施設にも当然のように電気と水道が付いている。


ケインに頑張ってもらって、早くこの世界がどうなっているのか解明してもらいたい。

そんな事を考えていると、両手に色々なアイテムを持ったミーシャが研究所から帰って来た。


全員が揃ったので、出来たばかりの風呂とトイレを見てもらった。


誰よりもミーシャが1番喜んでいる。

女性なのだから当然だろう。


そしてミーシャは、手に持っていたアイテムを風呂場とトイレに置いて行く。


足拭きマットとトイレカバー。

石鹸にバスタオル、フェイスタオル。

衣装籠に鏡。


さすが女性だけあって細かい気配りだ。


というか短時間でこれだけのアイテムを開発したのか……

執念というかなんというか……


「明日はシャンプーとかリンスとか化粧水とか乳液を作ってみようかな?」


色々研究しなきゃ!!と楽しそうに思いを馳せている。


うん、やっぱり、さすが女性だ。

と男性陣が思っていた時だった。


「もしもし。どなたか聞こえますか?」


俺の胸にしまってある本から声が聞こえた。


「はい。こちらリブです」


思わず、電話に出るかのように対応してしまった。

その様子を見てケインは笑っている。


「あっ、お姉ちゃん反応があったよ〜」


女の人の声が返ってきた。

お姉ちゃん?2人いるのだろうか?


「えっと……どちら様でしょうか?」


とりあえず、相手が誰なのかわからないし、どこから通信してきているのかもわからない。


ケイン以来の通信だったので存在を忘れていたが、そんな機能があったな……なんて思っていると


「リブ様、初めて通信する場合は、近い距離しか出来ないはずです。恐らく、彼女達は陽炎城の近くにいるかと思われます」


と、色々な本を読んで知識のあるケインが教えてくれた。


ん?


という事は、今通信してる姉妹は城の近くにいるって事?

もう夜だよ?女性が2人で外にいるのは危険なのでは?


「ケイン、ギート城門の前まで見に行ってくれ」


俺は2人に彼女達の様子を見て来るように伝え、通信先の女性に話かける。


「かしこまりました」


「わかりました」


2人も同じ事を思ったのか、急いで城から出ていく。


「城門まで迎えの者を出しましたのでこちらへ……」


と言いかけた時だった。


「きゃー」


通信の向こうで悲鳴が聞こえた。


モンスターに襲われたか盗賊でも出たか、俺とミーシャが心配していると


「ギート攻撃を!!貴女方は私の後ろに!!」


通信の向こうからケインの声が聞こえた。

どうやら、やはり門の前にいてモンスターに襲われているらしい。


「ケイン大丈夫か?」


俺もこちら側から大きな声で確認する。


「リブ様、大丈夫です。今ギートがモンスターを倒しました」


そう報告を受けて、ミーシャと2人でホッと胸を撫で下ろすのだった。


「ケイン、そのまま連れて来てくれ」


まずは安全な城の中に連れて来るように指示をすると


「かしこまりました」


とケインの返事が返って来て、通信は切れたのだった。


しばらくするとケイン、ギートが通信して来た2人を連れて帰ってきた。


「リブ様、お客様をお連れしました」


ケインが後ろの2人を自分の前に出し、俺に報告する。


「無事で良かったです。どうぞお上がりください」


俺が大広間に上がるように促すと、いつの間にかミーシャがテーブルを出してお茶を入れていた。


うん、みんな出来すぎ。

何も言わなくても先にやっちゃうなんて。


「ミーシャありがとう」


その行動に、自然とお礼が出る。


「ふふふ」


ミーシャは嬉しそうに微笑んで、今入ってきた女性2人を座らせる。


俺も彼女達の正面に座ると、俺の両脇にケインとミーシャが、

その後ろにギートが座った。


「さて、こんな夜に何故外に?」


俺が事情を聞こうとすると


「まずは、自己紹介からさせてもらうわ」


と、お姉ちゃんと呼ばれている女性が口を開いた。


「ああ……申し訳ない……」


またやってしまった……と頭を抱えるていると、

ケインとミーシャが俺を見ながら笑っていた。


その様子を見ていた姉妹は、警戒するのをやめたのか、スッと緊張が解けて話を始めた。


「まず、私はマーチ、隣にいるのが妹のノエルです」


「ノエルと申します」


姉妹で自己紹介してくれたので、こちらも


「ここの城主で盟主をしてます。リブ・クロートです。

それで左がケイン、右がミーシャ、後ろにいるのがギートです」


俺が3人の紹介もまとめてすると3人は頭を下げる。


「えっと……それで……獣人……ですよね?」


顔は人間なのだが、頭にウサギの耳が付いているからほぼ間違いないと思いながら、

装備の可能性もあるので恐る恐る確認してみる。


「ええ……その通りよ、私達は兎人なの」


とマーチが答えてくれた。


「それで最初の質問に戻りますが、こんな夜に女性2人で何故外に?」


昼間ならまだわかるが、夜は自分の城にいた方が安全なのだ。


「気がついたらお城の中にいて、ここがどこなのか調べる為に、朝1番で自分達の城を出たの、

そして森の中に入ってモンスターから逃げてる間に道に迷って……」


なるほど……

この姉妹、中々行動力があるらしい、事情は俺達と同じだろう。


「っで、この陽炎城の前に出たから通信をしてみたって事ですね?」


ミーシャもギートも森の中にいた。

森の向こうに何があるんだろう?そんな事を思いながらマーチ達の話を聞く。


「私達がいた城の周りには、私達のお城とは別に3個くらいのお城があったの。

それでノエルと通信して、城の外で会って話をしている時に、その内の1つが突然目の前で消えてしまったから心配になって……」


あれ?


「マーチとノエルは一緒の城じゃなくて1人1城だったって事?」


姉妹だから2人で同じ城にいたと思っていた俺は、びっくりして話を遮ってしまった。


「はい、最初はお姉ちゃんとは別々でした」


と、俺の質問にノエルが答えてくれた。

そして2人の城の他に、城が3個もあってその内の1つが突然消えたという事は………


「あら?もしかしてその消えたお城って、私かギートの物だった可能性がない?」


と、ミーシャに俺が考えていた事を先に言われてしまった。


しかし、多分その通りだ。

ミーシャとギートも森の向こう側から来たはずなので、陽炎城と統合された時に消えたのをマーチ達が目撃した。

というのが1番ありえる話なのだ。


「でも僕が城を出た時は周りには何も無かったよ?」


という事はギートが森に入った後にマーチ達がこの世界に来たという事になるな。


「じゃあ消えたのはきっとギートの城だね」


ミーシャとギートの時系列から考えると、ギートの方が後からこの世界に来たはずなので、それよりも後にマーチ達が来たという事は多分そうなるだろう。


「それで、お2人は今後どうなさるおつもりですか?」


ここまで沈黙を保っていたケインが、マーチ達に質問した。

マーチとノエルはお互いに顔を見合わせると


「ケインさん達はリブさんのお城に住んでいるの?自分達のお城はどうなったのかしら?」


マーチが逆にケインに質問で返した。


「私達は、リブ様を盟主として役職を頂きました。その時に自分達の城は各施設として陽炎城に統合されています」


ケインは、今まで起こった事を2人に説明した。


「なるほどね……その統合されて消えるお城を私達がたまたま目撃したって事ね」


マーチとノエルは、再度顔を見合わせると


「では私達もリブさんにお仕えします」


「ええ、ぜひ仲間に入れて欲しいですね」


それぞれが俺の元に来たいと言ってくれた。

ならば役職を考えないと


「ちなみに、マーチさんとノエルさんの職業を教えてくれますか?」


役割を与えるには個人の能力も知らなければならない。


「私は魔術師よ」


とマーチさんが答えると


「私は回復士です」


続いてノエルさんが答える。

俺は本のページを開くと、今までなかった役職が増えていた。


「あれ?」


本を見ながら疑問に思っていると


「リブ様、どうされました?」


ケインが俺の方に不思議そうな顔で聞いてきた。


「うん、参謀が枝分かれしてるんだよ」


そう、ケインに与えたはずの参謀が2個あるのだ。


「えっ?」


さすがのケインも、俺の発言に困惑した顔をしている。

それはそうだろう、自分の役職が2個あるなど誰が思うだろうか。


「やってみていい?」


俺はニヤニヤしながらケインを見る。

ケインもその顔を見て俺が何をするのか察したらしく、諦めた顔で答える。


「私の仕事が減るのなら、ぜひお願いします」


諦めた顔はしているが、

声はどうなるのか知りたいという好奇心に溢れていた。


「じゃあ、マーチには参謀の役職を与える」


俺がそう言うと、マーチの体が光出し白い法衣を纏った。

と同時にケインの体も光出し、黒い法衣に変わった。


ん?


ケインも変わった?


「リブ様、役職の確認をお願いします」


そうケインに言われて、俺は慌てて本を見る。


「ケインは内政と軍事の参謀、マーチは内政と外交の参謀になってるな」


今までは特に決まりのなかった参謀が、さらに細分化された感じになったのだ。


「なるほど、同じ役職でも軍事と外交が分担されたのですね?」


ケインの分析力は流石だな。

などと感心していると、ノエルが自分は?

と期待した目でこちらを見ている事に気がつく。


「えっと、ノエルは外交官の役職を与える」


マーチが外交の参謀だったので、

補佐的ポジションなのでは?と思い外交官に任命してみた。


すると、ノエルの体が光出し

紺色のパンツスーツのような容姿に変わった。


「おお〜キャリアウーマンみたいだ」


俺が見たままの感想を言うと、ノエルは少し照れていた。

そして、2人は立ち上がると


「「これからよろしくお願いします」」


声を揃えてお辞儀してきた。

俺達も立ち上がり


「こちらこそよろしくお願いします」


俺が言う前にケインに先に言われてしまった。

俺が慌てて頭だけ下げると全員が笑い出した。


こうして、新たに2人の仲間が加わったのだった。


名前 : マーチ

種族 : 獣人(兔人)

職業 : 魔術師(内政、外交参謀)

性別 : 女

基本スキル

杖装備、ローブ装備、火魔法使用、水魔法使用、風魔法使用、

土魔法使用、雷魔法使用、遠距離攻撃耐性、全魔法攻撃耐性

参謀スキル

測量、対話術、読心術、解析


名前 : ノエル

種族 : 獣人(兔人)

職業 : 回復士(外交官)

性別 : 女

基本スキル

片手杖装備、両手杖装備、ローブ装備、軽鎧装備、ヒール、リカバリー、

光魔法使用、闇魔法攻撃無効、全魔法攻撃耐性

外交官スキル

対話術、読心術


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