フィールド〜私の物語3
●1話 ゲームスタート
雲一つない青空の海が広がる大地に、風が黒い雲を呼び雷鳴を鳴り響かせた、やがて一粒の水滴が大地に落ち、次第にその水滴は雨となり、大地に小さな川を創った。
空を見上げると、雲間から光が差し込み、まるで天使を大地に導くように、その光が道となり、黒く染まった大地にゆっくりと天使を降ろした。
少女は、気を失っていた。
空は激しく雨が降り続いていた。少女が気を失ってから、どれくらいの時が経っただろう、激しく降り続いた雨もやがて止み、雲間から明かりが差し込み
今まで激しく降った雨が嘘のように晴天へと変わった。
すると、とても不思議な一台の車が屋根から煙を出し、海岸伝いにゆっくりと、人が歩くよりもゆっくりと、少しずつ少女の横たわる場所に近づいてきた。
やがて、その車が少女の横に差し掛かると、大きな煙を吹き出し車は停止した、
車が停止するとその中から2人の青年が降り、一人の青年が指示を出し、慌てて布を被せ少女を、その車に入れ込み車は大きな汽笛を鳴らし、煙を出しまたゆっくりと少しずつ海岸沿いに進み出した。
少年達が少女を車に乗せ、数刻の時間が経った頃、辺りはすっかり暗くなっていた。
青年B「ふぅ、今日はこれくらいですかね、兄貴」
青年A「…。そうだな、ってか、その兄貴はやめろって、前から言ってんだろう。」
青年B「へい、兄貴。今日は何にしますか?」
青年A「…、たく!、そうだなぁ〜。(荷台から食材を探し出す)ん?そうだ、
そろそろコレ使っておかなきゃだなぁ〜、あ!薪もねぇや、
悪いウルタ、薪を拾ってきてくれ。」
ウルタ「了解、兄貴!…失礼しました、ジャクス隊長。急ぎ集めてきます。」
ジャックス「あぁそうだ、ついでに、ココノの木に生えてる、ココタケもあっ
たら採ってきてくれ。」
ウルタ「了解、兄貴!…失礼しました、ジャクス隊長。」
ジャクス「ったく。」
ジャクスは、煙突の着いた車の横に備え付けられた、調理台を使い手慣れた様子で食材を切り調理を始めた。
ウルタは、集めてきた薪を釜戸に入れ火を付けた、真っ暗だった辺りが、薪の火の明かりで辺りが明るくなった。ジャクスは鍋に水を入れ、切った野菜を火にかけ、鍋に香辛料とウルタが採ってきたココタケと道すがらに狩った、シシカの肉を入れ、しばらく煮込んだ。
料理が完成するまでの間にジャクス達は、好きな時間を過ごしていた。ジャクスは読みかけだった本を片手に果実酒を飲み。煮込んでいる鍋にブドの酒を入れ、タバコに火をつけた。
ウルタは何やら紙に絵のような物を描きニヤニヤし、車に積んでいた機械を取り出し工作を始めた。
やがて時も経ち、グツグツ煮込まれた鍋から美味しいそうな匂いが漂ってきた。
少女がうっすらと、意識を取り戻すと、とても良い匂いがした、少女が横たわる部屋は、見た事も無い色んな物が置いてあった。壁には、何やら地図みたいな物が多く貼られ、その地図には見た事のない文字らしきものが書かれていた。
少女は、寝ぼけながらも立ち上がり扉に手をかけた。
扉を開けると、そこは星の光に照らされた浜辺と障害物が何も無い水平線の広がる海だった。
少女「え…、ここどこ?」
少女は状況が飲み込めないまま、火の光が灯り、とても美味しそうな匂いのする方へ足を進めた。
そこには、楽しそうに食事をする2人の青年がいた。少女は、後退りするも勇気を振り絞り声をかけた。
少女「…あのぉ、」
ウルタ「へぇ?」
ジャクス「あ、」
少女「…あのぉ、すいません」
ウルタは、食べ物を吹き出し慌て出し、ジャクスは気まずそうに目をそらした
少女「…あのぉ、大丈夫ですか?あの、ここって」
ジャクス「お嬢さん、悪いんだけど」
少女「はい、なんでしょうか?」
ジャクス「とても言いづらいんだけど」
少女「はい」
ジャクス「まずは服着ようか」
少女「はい、え?服?」
ジャクス「あぁ、服だね」
少女「服ですか、え!」
少女は視線を下に向け自信の体を見、冷静に戻ると
少女「え!嘘!えっ!えぇぇぇ!きゃぁぁぁ!」
少女は一目散に部屋に戻った。
ジャクス「部屋のベットの横に、服置いてただろう、俺ので悪いけどそれ使っ
てくれ」
少女「はぁぃぃぃ!」
ジャクス「はぁぁー」
ウルタ「(ドキドキ…)」
ジャクスは、照れ臭そうに頭を掻き、調理台に向かい少女の分の食事を準備しだした。そして、ウルタはしばらく少女が戻るまで、声をかけても動かなかった。
しばらく時経ち
少女は照れ臭そうに焚き火の前に座っていた。
ジャクス「まぁ、なんだ。一先ず飯でも食べな」
少女「あ、はい…。ありがとうございます。」
少女は目の前に出された、暖かいスープに口をつけると
少女「おいしい…」
ジャクス「ふん、そか、良かった。ウルタもいつまで固まってんだ、こっち来て早く食べちまいな。」
ウルタ「…」
ジャクス「だめだ…お嬢さん、名前は何て言うんだ?」
少女「はい、私の名前は、夏目 沙良と言います。あの、ここ
ってどこなんですか?」
ジャクス「ナツメ サラっていうのか?ここいらで聞かない変わった名前だな、
ここは、ウィンランドの海岸通りから、カウマに乗って3日くらい走っ
た所だな」
サラ 「えっと、あの…ウィンランド?カウマ?って、ここは日本じゃ?え?
海外なの?え?何?」
ジャクス「ん?何言ってんだ?日本?なんだそりゃ?」
サラ 「その、日本はですね、このち…え?」
サラはふと視界に空に浮かぶ星を見た。
月としらない惑星が目の前に3つ浮かんでいた。
サラ 「え!あの…うそ、え?」
ジャクス「どうした?空に何があるんだ?何もないが?」 「
サラ 「あるよ!何で月の隣に2つも星があるの?」
ジャクス「ん?何言ってんだ、そんなの当たり前じゃねーか」
サラ 「当たり前じゃないよ!うそ、ここどこなの?」
ジャクス「ナツメ サラ、落ち着け。少し聞きづらいんだが、お前は、どうして
あんな所で倒れてたんだ?」
サラ 「私の事は、サラって呼んでください。えっと私は、何で?ここに?いるんだろう?わからないんです。私、どうしたら…」
ジャクス「うーんと、あんな所で倒れていたぐらいだ、少し記憶を無くして混乱しているんだろう。とりあえず、次の町まで着いてくるか?」
サラ 「はい…、ありがとうございます。」
ジャクス「ウルタ!お前もいい加減しっかりしろ!」
ウルタ「は!俺は一体…」
サラ 「…はは」
私は、このおかしな世界で、どう生きていけば良いのだろう。
倒れていた私を、助けてくれたジャクスさんとウルタさんに着いて行く事に決めた。