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テーマ詩集:翼

翼槽

作者: 歌川 詩季

「よくそう」です。


 あったくなったミカンも食べました。

 絹のようになめらかなお肌が欲しくって

 あたいはバスタブにミルクをそそぐのさ

 だから あたいの残り湯は白濁した湖

 そんなのに 鳥たちは一羽として よりつかない


 花のように香りたつお肌が欲しくって

 あたいはバスタブにオイルをたらすのさ

 だから あたいの残り湯はむせかえる芳香

 そんなのに (むし)たちが群れを成し たかってる


 (たま)のように(つや)のあるお肌が欲しくって

 あたいはバスタブに柑橘を(ひた)すのさ

 だから あたいの残り湯になまぬるい果実

 そんなのを 口にするやつなんて どこにもいない


 欲にまみれてがさついたお肌が欲しくって

 あたいはバスタブに札束を泳がすのさ

 だから あたいの残り湯とふやけた紙きれ

 そんなのも ねらってるやつだって そこかしこにいる


 天使のようにはばたける翼が欲しくって

 あたいはバスタブに羽根を浮かべるのさ

 だから あたいの残り湯は馬鹿げた光景

 そんなのを 嘲笑(わら)いたきゃ どうぞお好きに

 ユズも食べるのかなぁ?

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― 新着の感想 ―
[良い点]  何を入れたかで変わる、残り湯への周囲の反応。  気にした様子のないあたいに、人がどう思おうがやりたいことはやる、そんな芯の強さを感じました。 [一言]  後片付けは少し大変そうです。 …
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