ダンジョンの拠点
俺達はダンジョンに再び踏み込んだ。
拠点までの道のりはマチルダに任せている。
マチルダはギレトから聞いたら道のりを完全に
把握している様だ。安心して任せる事が出来る。
ダンジョン内はギレトの影響でモンスターの数が多い
気がする。普段は奥にいるモンスターもまだ浅い場所で
多数みかけた。
モンスターとの戦闘にはもう慣れた。魔石の取り出しも
ラクラクだ。むしろ弱い。最初は正直ビビってたけど
慣れたらそうでも無かった。
モンスターの数は多いが順調に進む。組織の拠点はまだ先
らしい。なんでこんな危ない場所に拠点なんか作ってるんだ
ろうか。不便で仕方ないだろうに。
「坊ちゃま、ここらで一度休憩にしましょうか。
もう少しで拠点に着きます。体制を整えてから攻めましょう。
」
「分かった。荷物を少しだすよ。」
俺は朝マチルダが作っていた軽食と飲み物をだして
一息つく事にした。
「ギレトの情報だと魔族がいるって話だけど…
マチルダ、前にも聞いたらけどもう一度詳しく魔族に
ついて話してくれない?」
「かしこまりました。」
魔族とは闇魔道士が闇の魔力に飲まれてしまい、人間が
変化した者だ。魔族になると翼は生えないが角がはえる
らしい。魔力と戦闘力は高く、人間とは思えないらしい。
好戦的で人間を敵視している。まさに悪役ってイメージだな。
基本的に群れる事は無いらしいが…組織にいるって事は
この知識は当てはまらないな。
言い伝えでは闇の魔力は魔王由来らしい、つまり魔王の
力を使い過ぎると魔王の意識が乗り移って魔族化する。
って事みたい。じゃあ他の魔力はどうなの!って
思うんだけど…まあそこは言い伝えであって
詳細は不明だな。違和感はバリバリあるね。
詰まる所、あんまり分からないって事だね。
組織と魔族で共通するのはやはり魔王って単語だな。
嫌な単語だ。そのうち勇者も現れるんだろうか。
「まあ、確かな事はわからないね。だから組織の人間?
魔族?は出来るだけ生け捕りにして情報を
聞きたいとこだね。」
「かしこまりました。」
「まあ、無理はしないでおこうね。」
そう確認しあった俺達は休憩を終えて先を進む事にした。
ほどなくしてダンジョン内に似つかわしく無い
鉄の扉が見えてきた。あそこだろうな。
俺達は足音を消しながら扉に近づいた。
中から音は聞こえない。
「坊ちゃま。カギが掛かっています。」
「この扉を破るのは大変そうだね。ギレトの言ってた
合言葉でカギを開けさせてから突入しよう。」
「分かりました。坊ちゃまは少しお下がり下さい。」
そういってマチルダは扉を強くノックした。
中から女の声が聞こえた。
「誰だ?」
「世界を正す」
「…今扉を開ける。」
大きな金属音と共にカギが開けられた。
そして扉が開けられていく。
マチルダは腰の剣を抜き構えた。俺も同じ様に構える。
開いた扉からはか細い美少女が出て来た!
「ようこそ!ダイチ様と…マチルダさんでしたかね?」
美少女は俺とマチルダの名前を口にした。
マチルダはまだ油断する事なく構えている。
「お久しぶりです。ダイチ様。覚えていらっしゃいますか?
マリナ・ガレットでございます。神殿でお会いした以来
ですね。出来れば剣を納めて頂けますか?
こちらに敵意はございません。」
「マリナ?!どうしてここに神官長の娘さんが!?」
「話せば長くなります。どうぞ中にお入り下さい。
大丈夫ですよ。魔族はもう捕えてありますので。」
「魔族を捕えた?!マリナ…君は一体?」
「あぁ…私にそんな力はないですよ!私には未来視の
力しか有りません。戦いは不得意です。」
「じゃあ一体誰が…。」
「坊ちゃま…罠かも知れません。」
「とにかく中でお話しましょうか。ダイチ様がお探しの
ペル・ページさんも無事ですよ。」
訳が分からない。とにかくマリナの言うとうり
中に入った。
「沢山疑問がお有りでしょう。簡潔に申しますね。
この天照の拠点は私達が4日前に制圧致しました。
ですので現在危険はございません。」
「制圧?私達って事は他にも仲間が?マリナ…君はいったい…。」
「こちらにどうぞ。」
マリナに案内され清潔感のある部屋に案内された。
そこには一人の男性がいた。
「おや?マリナちゃん、お客さんかい?そうか!
君がダイチ君だね。いや~わざわざこんな所まで
俺を探しにきてもらって悪いね!俺の名前は
ペル・ページ。君たちが探していた一級冒険者だ。」
「貴方がペルさん!?」
鑑定
〚ペル・ページ〛
称号» ベテラン冒険者・酒豪
年齢» 38歳
間違いない。探していたペルさんで間違いない。
酒豪って称号なの?
だけどマリナの言ってる事は事実の様だ。
「ペルさん。申し訳ないのですが、あの方を呼んで
来てもらえますか?」
「分かった。」
ペルさんは挨拶もそこそこで部屋を出た。あの方?
まだ仲間がいるのだろうか。
「さて、ダイチ様。改めましてお久しぶりです。
お会いできる日を楽しみにしておりました。」
「マリナ。久しぶりだね。早速で悪いんだけど
状況が分からない。説明を頼みたい。」
「そうですね。私は今、勇者様と行動を共にしております。」
「勇者だって!?」
やっぱり来たか!お決まりの勇者様!




