冒険者ギルド
「なんだ、まだ茶が来てないじゃないか。
ちょっと待ってろ。」
戻って来たと思ったらまた出ていった。ギルド職員も
暇じゃないだろうに。
「悪い悪い!待たせたな。」
ギルドマスター自らお茶を持って再登場。
「よっこらしょっと。ふ〜慣れない事をすると
疲れるな〜」
あんたは俺の雷撃食らったからだよ!
「そんじゃまあ、これがボウズの新しいカードだ。
これから一級冒険者として頑張ってくれよな。」
「ありがとうございます。」
俺は新しいカードを受けとった。
「では要件は済みました。坊ちゃま。屋敷に戻りましょう。」
「まあ待てよ、マチルダ。ちょいと話があるんだ。」
立ち上がろうとした所でダーツさんに止められた。
「坊ちゃまは暇ではないのです。それに明日は《奈落》に
行くので下準備もあります。手短にお願いします。」
マチルダさん手厳しい。
「ほー。《奈落》が目的で一級が欲しかったのか。
なるほど…。まあ、こちらも好都合だ。
一つ依頼を受けて行かないか?」
「坊ちゃまははじめてのダンジョンです。ややこしい
しがらみはお断りしたいのですが…。」
「まあ、話だけでも聞いてくれよ。受けて行くだけでも
いいからよ。失敗のペナルティーはない。
行方不明の冒険者の捜索依頼だ。冒険者の名前は
ペル・ページ。もちろん一級冒険者だ。」
「その方が《奈落》で行方不明に?」
「いや、わからないんだ。ペルは《奈落》に依頼で
行くと言って行方不明になった。この街を出た事
までは分かっているが、ダンジョンに着く迄に
事件に巻き込まれたのか、ダンジョンの中で
何か有ったのか…。まずは情報を集める事にしたんだ。
だから捜索依頼だが情報を持ち帰るだけでもいい。」
「その程度ならば…進んで捜索する事はできませんよ?
坊ちゃまの安全が第一です。」
「あぁ!それで構わない。宜しく頼む。
受注はこちらでしておく。」
なんだかんだでこの依頼を受ける話になった。
まあ、特に行動制限がかかるわけじゃないし、
あまり気にしないでおこう。
その後は街で必要な物を買い物した。
主な買い物内容は食料だ。ランタンとかロープとか
色々細かい物も買った。
予定的には二泊三日を予定している。
当日の朝からダンジョンに向かい、現地に
昼前に到着する予定だ。そこから拠点設営して昼飯。
昼過ぎからダンジョンに軽く入る。夕方には
拠点に戻り一泊。
翌日は朝から本格的にダンジョンに入る。夜までには
拠点にもどって一泊。
翌日は拠点を片付けて帰還する予定だ。
買い込んだ食料は10日分。多いと思うだろうが
マチルダいわく、これが普通らしい。
大体予定より多めに持って行くのが基本だそうだ。
ダンジョン内では何が起こるかわからないかららしい。
ホントは荷物が増えるのを避ける為に5日分買う
予定だったんだけど、マチルダに俺の
アイテムボックスもバレてしまったので少し増えた。
そしてお待ちかねの武器だ!これはマチルダの
オススメの武器屋に行く事になった。
マチルダはいつもカッコイイ片手剣を腰から下げている。
俺も欲しい…。
「マチルダ、マチルダの剣ってカッコイイけど
特別な剣なの?」
「あぁ、こちらですか。そうですね、一応オリハルコン製の
片手剣で有名な職人が作ったものです。」
出ましたオリハルコン!ファンタジー素材!
やっぱりあるんだな。てことはミスリルもあるのかな。
「オリハルコンは魔法の伝導率も良いですし、
魔力を帯びているので切れ味もなかなか落ちません。
冒険者は出先で刃こぼれしても研ぎに出せる訳では
ないのでオリハルコンやミスリルなどの魔力を含む
鉱物は人気ですね。」
やっぱりあったかミスリル。
「なるほどね、俺もカッコイイ剣がほしいな!」
「ご安心下さい。坊ちゃまの剣は既に作成済です。」
「え?そうなの?マチルダが用意してくれたの?」
「いえ、旦那様です。旦那様が賢者の名に恥じぬ武器を
坊ちゃまが小さい頃から思案されていました。
完成したのは最近ですが。」
「父上が?!そっか…帰ったら父上にお礼を言わないとね。」
「そうですね。王族でも持ってる方はなかなか居ない
剣でしょうから大事になさって下さいね。」
「そ、そんな凄い剣なの?」
「はい。なんでもアダマンタイトを主原料とした剣
だそうです。」
「アダマンタイト?!もう、何がどう凄いのか
わかんないよ。」
「ミスリルは銀に魔力が染み付いて出来た物です。
同じく金に染み付いた物がオリハルコン。
プラチナがアダマンタイトです。そもそもがレアな
プラチナに魔力が染み付いた物は更にレアです。
なかなか手に入りません。」
「なるほど!理解したよ。」
ファンタジーとはいえ元の世界の物質に魔力が
加わっただけなら分かりやすいな。
「さあ、着きましたよ。入りましょう。」
俺達は武器屋に入って行った。




