英雄転生
「いよいよ転生かい?婆さんや。」
「そうみたいだね、婆さんよ。」
ジーさん何処いった?!
「ちょ、いきなり過ぎだろ!」
目の前にが急に真っ暗になった。遠くでぼんやり光?
が見える。グングン近づいて来る!
大地は近づいて来る光に飲み込まれながら意識が
薄くなっていく…
「ちょ…まじで…ちょ、まてよ!」
「艦長?何かおっしゃいました?」
俺は気がつくと見たこともない部屋にいた。そして
知らない女性が俺を心配そうに見ている。
いや、知ってる。なぜだか知ってる。
「副艦長、大丈夫だ。少し頭痛がしただけだ。」
そう、この女性は副艦長のカノン・マルナーリさんだ。
俺達は今、謎のエネルギー体 《エギザム》に向かって
航行中の最新鋭宇宙艦《月花》の中だ。
「体調が優れないようでしたら今は私が指揮して
おきますので、少し休憩されてはいかがですか?
艦長の実力は存じていますが、アースを出発してから
ずっとモニターとにらめっこでは流石にお疲れでしょう?」
「そうだな…ではお言葉に甘えて少し自室に戻らせて
もらうとしよう。副艦長、ブリッジを頼みます。」
「はっ!了解しました!」
自室に入り俺はため息を吐いた。
「はあ…やっぱり駄女神じゃねーかーーー!!」
そして叫んだ。
「なんだこの中途半端な転生は!俺は19歳で死んだんだ!
なのに転生して今は49歳のオッサンじゃねーか!
倍以上歳くってるよ!おい駄女神!聞こえてんだろ?」
そう、転生した大地は49歳独身。
イカツ目の海賊みたいな見た目のオッサンだった!
「駄女神ーー!アーリントーーン!はぁはぁ。」
応答はない。なんか息切れがする。年齢を感じた…。
ショック…。
まてまて、まだ慌てる時間じゃない!
駄女神は一回忘れて少し状況を整理しよう。
俺の転生先の名前は真田大地。前世と同じだな。
最新鋭宇宙艦《月花》の艦長だ。自分で言うのも
なんだがわりと凄腕艦長。らいし…。
えーと…確か謎のエネルギー体 《エギザム》が月周辺に
現れたのが約5年前だ。じわじわ地球に近づいている事が
分かった。後1年もせずにアースに到達する。
ぶつかるとアースが吹き飛ぶらしい。
何それ…怖いんですけど…。
アースってのは俺らの世界で言う地球だな。
ここはパラレルワールドなのか?
考えても分からんだろうから話を戻そう。
分析結果に慌てたアース人が《エギザム》を研究して
新たに発見されたエネルギーが《マジックエネルギー》
通称meだ。
meは名前の通り、魔法みたいな
夢のエネルギーだった事から《マジックエネルギー》と
命名された。このmeは直接熱にもなるし、冷却も出来る。
このエネルギーだけで3Dプリントも出来るらしい。
原料いらずで何にでも変換が出来る。
プラスにも、マイナスにも変幻自在のエネルギー。
汚染物質も出ないクリーンでハイパワーな
夢のエネルギーらしい。
で、オリジナルのmeの塊である《エギザム》を
人類産のmeで中和しよう!ってのが今回のミッションだ。
作戦の立案はこの俺!アース宇宙艦隊の最新鋭の
《月花》にmeを大量に搭載して《エギザム》にぶちかます!
いざ人類の為に!
「ってちがーう!確かに成功したら英雄だけど
なんかちがーう!想像してたのとかなりちがーう!」
なにより、オッサンの方の俺の知識が警鐘を
ならしていた。meにmeを当てて中和?
エネルギーそのものの《エギザム》にエネルギー波を
分析し、その都度同じエネルギー波を打ち込まなくては
いけない。かなり高度だ。
その為の最新鋭艦《月花》だが果たして未知のエネルギーに
対してどこまでやれるのかは未知数だ。
「ってオッサンの俺真面目か!ミスったらどうなるんだ…?
オッサンの知識だと最悪のパターンは、
エネルギーを吸収されるか、分裂させてしまうか
大爆発を起こすか…。ん?」
なんかフラグ立った?立ってないよね?
[ピンポンパンポーン]
「艦内各員に伝達。当艦は間もなく《エギザム》に
最接近します。各員は持ち場に付いてください。
また、艦長はブリッジにお戻り下さい。」
「最新鋭なのにピンポンパンポーンて」
大地は苦笑いしながら重い足を上げて
ブリッジへと向かった。
イヤだー!グスン…
竹の子は竹の子供だけど
キノコは木の子供じゃないんだよ?




