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15_小鳥の数を数えろ




「おじさん。今日もいい天気だね」


「だな」


「さっき小鳥が鳴いてたよ」


「そっか」



 今日も俺はやるべき事はあってもやりたい事が無いので彩の子守りをしている。

 霧景大むけいだい宅で二人でテーブルを囲んで、ぼんやりとお昼の晴れ空を眺めている。



「もう宿題は終ってるのか?」


「うん。終わった」


「そっか。次の登校日はいつだ?」


「来週。そうだ。おじさんも一緒に来ない?」


「お、授業参観ってわけか。いいぞ。用事がなかったら行くか」


「なら参加確定だね!」

 わーい、と彩が万歳をする。

 俺は、既にお腹が痛くなってきた。


       □


 毎日顔を突き合わせているのだから、当然、会話のネタも底をついている。部屋に沈黙が広がる。しかし、もう慣れっこだ。俺達はもう沈黙であたふたする様なやわな関係ではない。


 言葉はいらない。深いところで通じ合っている。

 バディってやつだ。

 だから、最近、気になって仕方なかったことだって聞ける。


「なぁ、彩」


「なぁに?」


「お前も、塞がって、生えてるのか?」

「しねくず」



「はい」


「しね。まじでしね」


「はい。すみません」



 こういう時タバコがあれば格好が付くのにな――。


 何月かの空を見上げながら、俺はため息を吐いた。








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