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縁の力は予測不能。

 南方は歯軋りをして、手に持っていたボールペンを握り締めるとへし折った――


 ‶ ギシギシギシ…………バキバキ、バキッツ! ″


「マックス、住所を教えてくれ」


「ハイ、カシコマリマシタ。ジュウショハ、トウキョウト、セタガヤク、タマツツミ、イッチョウメ。デス」


 南方はめぐみの神力を封印する為、レプティリアンを派遣する提案をした――


「マックス。72時間以内に完了するのだ。良いな?」


「イイエ。フカノウデス」


「不可能だと? 何故だ」


「ハイ、オコタエイタシマス。サクネンノ、クリスマス・イブニ、モノノケタチガ、ショクバノ、キタミジンジャヘイキ、マッサツ、シヨウト、ココロミマシタガ、シッパイヲ、シテイマス」


「マックス、それは、深夜に突然、火之夜藝速男神ヒノヤギハヤヲノカミが来てしまったからだと報告を受けているが……違うのか?」


「ハイ。ヒノヤギハヤヲノカミハ『ナカマタ・ナナミ』ト、コウサイチュウデ、デートノ、カエリニ、キタミジンジャニ、タチヨリマシタ」


「中俣七海? 火之夜藝速男神ヒノヤギハヤヲノカミは人間の女と交際中なのか……だが、それが何の関係が有るのだ?」


「ハイ。フタリノ、エンヲ、ムスンダノガ、エニシムスビノミコトデス。ホンデンニハ、スサノオノミコトガ、カクセイシテイルタメ、ケッカイヲ、キルコトガ、デキマセンデシタ」


素戔嗚尊スサノオノミコトを覚醒させているだと? まさか、それも縁結命エニシムスビノミコトの神力だと云うのか?」


「ハイ。デスガ、スサノオノミコトハ、マダ、ホンデンカラ、デルコトハ、デキマセンノデ、ゴアンシンクダサイ」


「一体、何者なのだ……」


「フメイ……デス。テンノクニトノ、ツウシン、データノ、シュトクガ、デキナイ、コトカラモ、キケンジンブツデ、アルコトガ、ヨソク、サレマス」


「履歴を残していないと云う事か……怪しいなぁ。通信データが無いなら、天の国での生活態度は?」


「ハイ、オコタエイタシマス。テンノクニデハ、オモニ、ゲーム、アニメ、マンガヲ、ヨンデ、スゴシテイタ、モヨウ」


「今時の若者かっ! 地上での活動状況について、情報は有るのか?」


「ハイ。チジョウデハ、アメクニヌシノ、シレイニ、シタガイ、エラーコードノ、デテイル、ダンジョノ、エンヲ、ムスンデ、イマス」


「ふむ。怪しい所は無いなぁ……その時に使用した武器は?」


「ハイ。オモニ、カタナ、ト、ユミデス」


「古式ゆかしいではないか……金田を撃ったレーザー・ガンは殺傷能力は無い。それ以上の武器は持っていないのか?」


「ジュウカキハ、テンノクニカラ、モチダシ、キンシノタメ、シンカンニ、キョカヲエテ、モチダス、コトニ、ナッテイマス」


「マックス、危険人物なら銃火器の持ち出しも携帯も許可されている筈だ。どう考えても今時の若者、小娘ではないか?」 


「ハイ。シカシ、エニシムスビノミコトノ、エンヲ、ムスブ、チカラハ、ミチスウ、デス」


「取り越し苦労ではないのか?」


「イイエ。コチラガ、キガツイタ、トキニハ、スデニ、ツンデイル、カノウセイガ、ヒテイ、デキマセン。イマハ、タイセツナ、トキデス、ヨウジンニ、コシタコトハ、アリマセン」


「何っ? 詰んでいる可能性が有るだと……うーむ、マックス。お前は優秀だな。縁結命エニシムスビノミコトの地上での行動を監視すると共に、更なるデータ収集に努めてくれ」


「ハイ、カシコマリマシタ」




―― 一月十二日 先負 乙丑



 早朝、めぐみのアパートは既にレプティリアン達に包囲されていた――



「今の所、動きは無いな」


「あぁ。だが、間もなく出勤の時間だ」


 暫く見張っていると、アパートのドアが開き、中から七海とめぐみが出て来て、楽しそうに話をしながら階段を降りてきた――


 ‶ 現場より本部へ、対象者が動き出しました ″


 ‶ 本部より現場へ、引き続き尾行と監視を続けて下さい。尚、くれぐれも対象者に気付かれない様にお願いします ″


 ‶ 了解しました ″


 めぐみは自転車を引いて歩きながらおしゃべりをして、大通りに出ると七海と手を振って別れ、自転車に跨り颯爽と仕事に向かった――




 喜多美神社は神聖な空気と静寂に包まれていた――



「おざっすっ!」


「おはようございます」


「おっはぁー」


「おはようございます……」


「あら? ピースケちゃん、元気ないわね?」


「あのぉ……めぐみ姐さん、ちょっとお話が……」


「ん? 何?」


 めぐみとピースケは社務所を出ると、授与所に向かわずに竹林に身を隠した――


「ピースケちゃん、こんな所で何よ?」


「めぐみ姐さん、大変ですよ」


「はぁ? 何が?」


「昨日、和樹兄貴がひとりで帰った後に、駿先輩と帰り道で話をしたのです」


「それが何?」


「僕は、真実を知ってしまったのです……」


「真実って……まさか……」


「めぐみ姐さん、あの日、あの時、あの駐車場で、僕は金田の攻撃を受けて気を失っていただけだと思っていたのにっ! 僕は猛毒を浴びて消滅したと……駿先輩に聞かされたのですっ!」


「なーんだ。そんな事? 元通りになって、いつも通りに生活しているんだから、それで良いじゃない」


「消滅ですよ?」


「だから、何なのよ」


「だから、何なのって……消滅した僕が、今こうして普通に生活している事に、驚かないのですか?」


「うん。別に。だって、私が戻したんだもん」


「えぇっ! 私が戻したって……どう云う事ですか?」


「あー、コレコレ。このクロノ・ウォッチで、時間を戻したのよんっ!」


「何ですってっ! どうして、それをもっと早く言ってくれなかったのですかっ! それで時間を戻せば全て解決しますよっ!」


「チっ、甘い、甘い。甘ぇーなぁ、坊や。そんな簡単には行かないのよ。このクロノ・ウオッチは24時間迄なの」


「えっ……そうなんですか……」


「24時間以内なら時間をモザイクの様に切り取り、繋ぎ合わせる事が出来るの。まぁ、恋愛専用だからね」


「嘘ばっかり、恋愛専用な訳が無いでしょう? バトル・スーツで金田の攻撃を無力化して、レーザー・ガンの一撃でやっつけたと聞きましたよ」


「あ。知ってんだ。でも、レーザー・ガンは殺傷能力は無いし、バトル・スーツもバイオ・ケミカル用だから」


「でも、そんな物を持っているなんて、凄いじゃないですかっ!」


「凄い? 本当に? たまに天の国から送ってくるのよ。定期便みたいにね。それ以外にもまだ使っていないブライト・ソードとか云う刀が二本有るけどね」


「ブ、ブ、ブライト・ソ――――――ドっ!」


 ピースケは思わず大声を出してしまった――







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