レプティリアンとの対決。
職員のリーダは駿達を包囲すると本部と連絡を取った――
‶ 所長、室長の金田哲也です。此奴らは我々に服従する気が無い様です。命令通り始末してよろしいでしょうか ″
‶ あぁ。金田君、そうしてくれ給え ″
〝 了解しましました ″
所長は金田の連絡に安堵した――
「フッ。コレでひと安心だ。直接対決するまでも無かったな……金田哲也はレプティリアンが頭から丸カジリして、既に乗っ取りが完了しているのだ。タケミカズチもこれで終わりだ……ハッハッハ、アーッハッハッハ!」
「ショチョウ、モトイ、ゴシュジンサマ……ソレハ、ヌヌヌ、ヌカンカ、カカカカカ……ヌカヨロコビデス……」
「マックス。お前は未だ回復していない、本調子ではないのだ。ゆっくり休み給え」
「ゴ、ゴ、ゴ、ゴシュジンサマ……」
確認を済ませた金田は、コートのポケットから革の手袋を取り出すと、ゆっくりと手を滑り込ませ、指の股を馴染ませた――
「世話の焼ける奴らだ……」
「ふんっ! こっちのセリフだっ! 食らえっ!」
和樹がサンダー・ショットを撃つと、組織の職員は目にも止まらぬ瞬間移動で躱した――
「何っ?」
「フッ。そんな物は通用しないのだ。時間の無駄だ」
「クソッ、食らえ、ライトニング・サンダー・ボルトォ――――――ッ!」
和樹の必殺技も風が通り抜けるが如く、ひらりと躱されてしまった――
「何てことだっ! このオレのライトニング・サンダー・ボルトを躱すとは……奴らは人間では無いな」
「和樹兄貴っ! 職員達は人間ですっ! 彼奴の力で神力が躱されたのですっ! 彼奴はレプティリアンですっ!」
「黙れ、小僧っ!」
金田は本性を現し、牙が生え舌の先が鋭く二股に分かれていたた。そして、ピースケを睨み付けると、紫色の猛毒を吐いた――
〝 ブッシャアァァ――――――ァッ! ″
「ぎゃあぁぁぁあ――――――あっ!」
ピースケは猛毒を浴びると気絶して倒れてしまった。そして、目は虚ろになり泡を吹き、とうとう白目を剝いてしまった――
「ピースケつ!」
「和樹ちゃん、解毒しないとピースケちゃんが死んでしまうよっ!」
「心配御無用。後、六十秒もすれば、この世からも、あの世からも……消滅する。お前らの抵抗など、時間の無駄なのだ。貴重な時間のな。フッフッフ」
金田が駿を睨み付けて、ゆっくりと歩みを進めると駿と和樹はレンタカーに逃げ込みドアを閉めた。その頃、めぐみと七海は化粧室でお直しをしていた――
「七海ちゃんっ! そんなにお直しに時間掛けたって、変わんねぇっつ――のっ!」
「だってぇ、駿ちゃんと、お休みのチッスが有るかも知れないじゃんよぉ――っ!」
「何が、お休みのキッスだよ、ったく、皆を待たせて申し訳ないと思わないの? それ、ポイント下がるから。マイナスだから」
「だってぇ、お休みのチッスで、瞳を閉じて顎を上げた時によ? もし、鼻毛出てたら嫌じゃんよぉ――っ! 百年の恋も冷めるっチュ――のっ! 待たせたって良いんだもんね」
「鼻毛ボーボーでも冷めないのが本当の恋だっちゅーのっ! 何なら抜いてあげるよ」
「止めてよぉ―――っ!」
お直しを済ませて地下駐車場を歩いていると、異変に気付いた――
「めぐみお姉ちゃん、アレなぁに?」
「あら? 黒山の人だかり……もしや、アレはW・S・U・S・の連中? こうしてはいられないっ! 急がなくちゃっ!」
「あっつ! めぐみお姉ちゃんっ!」
めぐみは猛ダッシュで現場に向かった――
「ちょっと、あんた達、そこで何をやっているのっ!」
黒山の人だかりはめぐみの声に一瞬にして道を開けた――
「ん? お前がエニシムスビノミコトか……」
金田が振り向きめぐみを睨み付けた。その向こう側のレンタカーの中に駿と和樹が確認出来たが、ピースケの姿が見当たらなかった――
「あれ? ピースケちゃんが居ないけど……」
「めぐみちゃん、そいつはレプティリアンだっ! ピースケちゃんは猛毒で消滅したんだ、危ないよっ! 逃げてっ!」
「フッ。めぐみちゃんねぇ……食べちゃいたいほど可愛いが、残念だな。食らえっ!」
金田は猛毒をめぐみに向かって吐いた――
〝 ブッシャアァァ――――――ァッ! ″
「ほい」
〝 ブッシャアァァ――――――ァッ! ″
「ほい」
〝 ブッシャアァァ――――――ァッ! ″
「ほほほ――い」
「フフン、中々ヤルじゃあないか……食べちゃいたい程、可愛いめぐみちゃん。それなら丸カジリと行こうか……」
金田の牙は更に伸び、口は耳まで裂け、鎌首を上げて大きな口から鋭い舌を出していた――
〝 シャア――――――ァッ、ガブッツ! ″
駿も和樹も成す術が無く、金田はめぐみの肩に噛み付いた――
「ん……?」
「痛くも痒くも無いもんねっ!」
「そんな……馬鹿なっ!」
「教えてあげるわ。お洋服の下に高機能アンダーウェアの様なバトル・スーツのTYPE-1を着ているの。だら、多い日も安心なのよんっ!」
「何だとっ……」
「さぁ、今度はこっちの番よ。ウッシッシ」
めぐみは元日に届いたバトル・スーツTYPE-1の性能を確認すると、次にレーザー・ガンを取り出した――
「コレコレ。コレを試さなくっちゃだわ。うっふん」
「おいっ『うっふん』じゃ無いだろ……何をする気だ、まさか……動物愛護法違反だぞ……」
「人を食っておいて、ほざいてんじゃないよっ!」
真新しいレーザー・ガンはコルトS・A・Aとデザート・イーグルのハイブリット型で、超小型・高輝度レーザー照準器を装備していた。そして、金田の額に紅いポイントが映ると、めぐみは無慈悲にトリガーを引いた――
〝 ズキュ――――――――――ンッ! ″
「ギャアァ――――――――アァッ!」
レーザー・ガンで額を撃ち抜かれた金田は、倒れて死んだように見えた。だが、耳の穴と鼻の穴から小さな蛇がニョロニョロと出て来て、大きな口が開くと身体の中から大量に逃げ出してきた――
「ニョロ、ニョロ、ニョロ、ニョロ。チクショウ、この借りは必ず返してやるニョロっ! 覚えてやがれっ!」
「はいはい。今日の所はコレで勘弁してあげるわ。巣へお戻りっ!」
レンタカーの中でめぐみのバトルを見ていた駿と和樹は唖然とし、七海はレーザー・ガンを持つめぐみの姿に驚愕していた――
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