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成長素質オール1の雑魚だったが裏スキルのおかげで世界最強  作者: 掘削名人
第三章 最強になってから
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大河川フルーメン上流付近の街『マディナ』

カイン達3人は、大河川フルーメン上流付近の街『マディナ』に到着する。

 大河川フルーメン。この国で最大級の河川だ。広大な河川には、様々な生物が生息している。そのお陰で、近隣の街は、漁業が盛んだ。この河川で獲れる魚は味がよく、そな味を求めて、わざわざ足を運ぶ者も多いのだ。


 大河川フルーメンの上流近くの街『マディナ』に到着した俺達は、街の様子を見て驚いた。船の停泊所には、破壊された船しかないのだ。使える船など、一艘もない。

 仕方なく、俺達は街の造船所を訪ねることにした。造船所に着く、作業途中の状態で、完全に放ったらかしにされていた。あまりにも異様な光景。漁業が盛んな街なのに、漁業を放棄しているのだ。俺は、造船所の職員に聞き込みを始めた。


「なあ、どうして船を作らないんだ?」


俺の質問に対して、造船所の職員は、不機嫌そうに答えた。


「ああ、なんだ、あんちゃん。停泊所の船を見ただろう?アナゴンダの大群のせいで、船は全部破壊されてしまったんだ。いくら船を作ったって、無駄なんだよ。直ぐに破壊されてしまうからな。」


「なるほど。それで、この造船所には、あんたしかいないのか?」


「そんな訳ねーだろ。アナゴンダのせいで、魚を獲ることが出来ないんだ。だから、街の若い者総出で、森へ行って食糧調達しているんだよ。」


「そうか、分かった。ありがとう。」


「ところであんちゃん、誰なんだ、この街の者じゃねーだろ。今のこの街に、何の用があってきたんだ?」


「それは、」


 造船所の職員の質問に答えようとしたところ、レオナルドがいないことに気付いた。俺は、造船所を見学しているアイザックに質問した。


「おい、アイザック。レオナルドは何処に言ったんだ?」


俺の質問を受けたアイザックは、初めてレオナルドがいないことに気付いたのか、一気に顔面蒼白になった。アイザックの気持ちは分かる。馬鹿のレオナルドは、何をするか分かったもんじゃない。

 まさか、船がないから、泳いでアナゴンダを探しに行ったのか?レオナルドは、そこまで馬鹿なのか?


 俺とアイザックは、レオナルドを探すために急いで造船所から外に出た。外に出た瞬間、レオナルドを発見する事になるのだが、レオナルドの予想外の行動に、俺とアイザックは、膝から崩れ落ちた。


「えー。街の皆、安心するといい。俺は、レオナルドという者だ。巷では、『最強のレオナルド』と呼ばれている。俺がこの街に来たのは他でもない。アナゴンダの大群を討伐するためだ。流石に俺一人では骨が折れる仕事だが、今日は、アイザック大師匠と、カイン殿も来ている。だから、アナゴンダの討伐は必ず成功する。」


 なんと、レオナルドは、何処から持ち込んだのか、拡声器を使って、広場で演説をしているのだ。町民は、あの有名な『最強のレオナルド』が来たとあって、多いに盛り上がっている。ただ、俺とアイザックの名前まで出すんじゃない。しかも、必要以上に持ち上げやがって。すでに、騒ぎになってるじゃないか。

 

 俺とアイザックは、レオナルドの演説を止めさせるために、レオナルドの方へ近付いていった。


「おい、レオナルド、止めてくれ。」


俺とアイザックが声を揃えてレオナルドに注意したのだが、俺達の姿を見たレオナルドは、拡声器の音量を上げて、演説を続けた。


「皆、ここにいる二人が、アイザック大師匠とカイン殿だ。この二人がいれば百人力どころか万人力だ。もう、アナゴンダの討伐は成功したのも当然だ。」


 レオナルドはそう言って、ガッツポーズをした。レオナルドのガッツポーズを見た町民も、レオナルドのガッツポーズを真似て、多いに盛り上がった。

 レオナルドのあまりにも馬鹿げた目立つ行動。俺とアイザックは、拡声器を取り上げて、レオナルドを担ぎ上げて広場を後にし、造船所へ向かった。


 造船所に着くと、俺達はレオナルドを下ろした。


「お二人とも、どうして演説を止めさせたのですか?」


レオナルドの逆ギレとも言える反論に、呆れるばかりだった。


「なあ、レオナルド。さっきアイザックに言われたこと、忘れたのか?お前一人が目立つのは構わないが、俺の強さを言いふらすようなことは止めてくれ。」

 

俺の忠告を聞いたレオナルドは、直ぐに土下座をした。これで何度目の土下座だろうか。


「申し訳ありません。アイザック大師匠、カイン殿。またもや、忠告を忘れてしまいました。」


 もう、レオナルドの土下座に、いちいちリアクションをとっていては、時間の無駄だ。


「しかし、この街の人達は、アナゴンダの被害により、元気が全くありませんでした。ですから、少しでも希望を持って貰うために、広場で宣言させていただいたのです。おかげで、街の人達は、元気を取り戻しました。我々冒険者は、様々な依頼を受けることで、この国の人々を助けていくことを仕事にしたいるのです。ですから、今回のことは、多めに見ていただけないでしょうか?」


 俺は、レオナルドの説明を聞いて、心が痛かった。レオナルドは、困った人達を助けたいから、広場で演説をしたと言うのだ。少しでも、町民に希望を持たせるためにやったこと。この行為は、少しも咎めることなんて、してはいけないことだ。

 それに比べて、俺はこの街に来て、何をしていた?ただ、自分達が依頼を達成するためのことしか、考えていなかった。町民のことなど、一つも頭になかったのだ。

 俺とレオナルドの、どちらが正しいかは、一目瞭然。レオナルドの方が正しい。

 やはり、レオナルドは、ただの馬鹿ではない。ただの馬鹿には、最強という称号はつくわけないんだ。


「レオナルド。すまない。お前のしたことは何も間違ってはいない。」


 俺は、レオナルドに頭を下げて謝った。


「俺も、悪かった。自分の事しか考えていなかったんだ。すまない。」


 アイザックも、俺に続いてレオナルドへ頭を下げ、謝った。


「そんな。俺はお二人を責めているのではありません。ただ、自分の気持ちを言ったまで。お二人とも、頭を下げてください。」


 お互いが、お互いに謝るという、謝り合戦がはじまってしまった。多分、周りから見たら、滑稽な様子だろう。そんな様子を見ていた造船所の職員は、俺達を鬱陶しく思ったのか、追い払うように俺達に文句を言ってきた。


「なあ、あんた達、ここに何しに来たんだ?コントをするために来たのか?それなら、邪魔なだけだから、出てってくれないか?」


 造船所の職員に言われて、我に返った。そうだ。俺達は今、アナゴンダの大群の討伐に来ているんだ。その為には、この人に船を見送る造ってもらうしかない。出来るだけ速く。船ができないことには、被害がどんどん大きくなっていくんだ。


「すまない。俺達は、アナゴンダの大群の討伐に来たんだ。その為には、船がどうしても必要なんだ。だから、この造りかけの船を、どうしても完成させてほしい。頼む。」


 俺は、造船所の職員に、頭を下げて頼んだ。


「あんた達、たった3人で、何ができるというんだ?アナゴンダは、巨大な蛇なんだ。1匹だけでも、相当な強さなんだろ?」


「それは、大丈夫だ。『最強のレオナルド』と、上級職『イエーガー』がいるんだ。」


 俺はそう言って、造船所の職員に2人を紹介した。『最強のレオナルド』を見た職員は、見る見るうちに顔に生気が戻っていった。


「『最強のレオナルド』がいるなら、確かに安心だ。分かった。何とか一週間以内に完成させてみせる。」


 造船所の職員がやる気になってくれたのはありがたいが、一週間もかかるのでは、ますます被害が大きくなっていってしまう。そんな時、アイザックが造船所の職員に質問をした。


「なあ、あんた。一人で船なんて造れるのか?」


「ああ、それは大丈夫だ。俺は子供の時から、船作りは得意中の得意だったんだ。一人でも、船を造ることなんて余裕さ。」


 造船所の職員は、得意気にアイザックの質問に答えた。その答えを聞いて、アイザックは、何か閃いたようだった。


「なあ、カイン。裏スキルを確認してみろ。多分、造船に関する裏スキルを取得しているはずだ。」


 アイザックの言う通り、裏スキルを確認すると、『優秀な造船技術』という裏スキルを取得していた。これはおそらく、この造船所の職員の裏スキルで間違いないだろう。


「やはり、子供のころから造船が得意と言っていたからな。当たりだ。」


「当たり?当たりとは、どういうことだ。」


 俺の質問を受けて、アイザックは足元にある設計図を拾い、俺に渡してきた。


「カイン。この設計図を見て、お前が船を造るんだ。全力のスピードでな。念のため、『速力アップ』のスキルも使っておくんだ。運がいいことに、船を造る材料は、全てここに揃っているんだ。俺の言いたいこと、分かるよな?」


 アイザックの狙いが分かった。裏スキル『優秀な造船技術』を取得した俺であれば、設計図さえあれば、船を造ることは可能だ。しかも、『速力アップ』を使い、全力のスピードで船を作れば、造船所の職員が造るよりも、遥かに速く船が完成するはずだ。さすがは、解説に命をかけているアイザックだ。


 俺は、早速『速力アップ』のスキルを使った。その後、自分を鑑定すると、素早さは40000を越えていた。この『速力アップ』は、自分の能力値を倍にするのだ。


 俺は、速力を40000にした状態で、全力スピードで集中力を持って造船した。船は、甲板が比較的大きめな中規模サイズしにた。小舟では、戦闘するには狭すぎるからだ。

 船が完成して、かかった時間を調べると、やはり一分を切っていた。

 一般人から見ると、いきなり目の前に船が現れたようにも見えてしまう。完全に異様な光景だ。

 俺の強さを知っているはずのアイザックとレオナルドさえも、空いた口が塞がらなく、呆然と、こちらを見ていた。


 造船所の職員は、いきなり出現した船を見て、腰を抜かして驚いていた。


「な、な、なんなんだ?姿が消えたと思ったら、急に船と一緒に現れやがって。あんた、何者だ?」


造船所の職員の質問を受けて、俺は口に人差し指を当てた。


「内緒にしておいてくれないか?それより、船の停泊所はあっちの方向でいいよな?」


「ああ、そうだけど。それがなんだ?」


 造船所の職員は、俺の質問に答えた直後、俺の姿を見て、強い衝撃を受けたように気絶した。気絶した理由は、だいたい分かっている。

 何故なら、俺は造船所の職員に質問しながら、完成した船を一人で持ち上げたのだから。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] そんな速度で動いたら、空気が存在しない場所でもない限りソニックブームで周囲がめちゃくちゃになると思いますが いくらご都合主義でも、ありえなさ過ぎては違和感しかないです
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